1/1
灰色は死の色 1話
空は青い。
それは当たり前だ。
そんな空をずっと見て
いると時間を忘れそうに
なる。いろんな形の雲が
ゆっくりと流れて行く。
高校の教室の窓から
休み時間にながめるのが
日刊になっている。
しかし、その優雅な時間
も友人の一言で打ち消さ
れてしまう。
「史久、今日も飽きずに
空を見てるのか?」
史久とは俺の名前だ。
神浜史久:かみはましく
と言う変わった名前だが
生まれたころからの
名前だから別に違和感
などは一切感じない。
「勝志は今日も授業に
いなかったがまた、
サボりか?」
「だってあいつの授業
うざいからさぁ〜」こんな風に喋っている
俺だが、実はある能力が
物心付いたころから
備わっていた。
それは人間の寿命が
分かるのだ。例えば
そこにいる友人の寿命を
知りたい場合は友人を
見れば自然に頭に入って
くる。友人の寿命は後
58年生きるようだ。
しかし、そんな能力を
持っていても殆ど意味は
ない。逆にいつ死ぬか
なんて知って辛い経験
があるし。それに自分の
寿命は分からない。
理由も分からない。