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3. 同意書

「ご主人は生前に体細胞と記憶を登録されていました。体細胞は契約時に採取されたものです。記憶も同じ日にバックアップしたものです」

トゥルーメモリー社に来て私は担当者の説明を聞いていた。

「どうされますか? 遺伝子も記憶もあります。記憶に関してはバックアップしてから現在までのデータは欠落していますが、それは仕方のないことです。毎日バックアップを取る訳にも行きませんからね」

担当者は保存している細胞からクローンを作り、バックアップした記憶をそこに復元すれば、元の人間と遺伝子も記憶も同一の人間ができるのだと言っていた。

「死んだ人間を生き返らせることができるのですか?」

「いえ、当社は死んだ人間を生き返らせることはできません。亡くなられたご主人と同一の遺伝子を持ち、同一の記憶を持つ人物を再生させることができると申し上げております」

私にはどちらも同じことのように思われた。とにかくお父さんの帰りを待ち望んでいる子供がいる。この先ひとりで子育てをして行く自信もない。本当にあの人が帰って来るのなら、すぐにでも手続きをお願いしたい。

「契約時に既にお支払いは完了しております。後はご家族の同意が得られれば、すぐにでも作業に着手させていただきます」

そして私は復元に関する同意書にサインした。

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