ようやくイベント。だけどヒロインがヤンデレになっています!?
「・・・あのね・・・私、みんなと仲良くしたかっただけなの・・・別に恋人なんて望んでいなかったの。なのにね。気が付いたらみなから評判がダダ下がりでき嫌われまくって・・・最低の二股女だって・・・」
ぼろぼろ涙を流して泣きじゃくるアリア。
ここは学園のカフェテラス。天気も良く、椅子も机も上品な白で統一されたここは明るく爽やかな空間だ。だが、目の前の相手がその光を吸収している。
あれから皆から白い目で見られ、暗黒オーラを纏ったゾンビのようなアリアにフランクに声をかけて、一緒にお茶をしたら、余程たまっていたのか実質初対面にも拘らず、今までの出来事や心情をぽろぽろ出してきた。最後の方はもう泣きまくり。うーん、これは病んでますね。とりあえず必死に慰める。
「大丈夫よ!こんないい子なんだもん!しばらくすると噂なんておさまるよ!」
「あ・・・ありがとうフラン様」
「んもぅ、もう友達なんだしフランでいいのよ」
ライバルじゃなくて、友達なら大丈夫よね。
「え!?と、友達?・・・あ・・・うれし・・・じゃぁフ、フランちゃん・・・でいい?」
「もちろん!よろしくねアリア!」
「う、うん!!」
ようやく笑顔となったアリアと固い握手を交わした。
それから、私とアリアの関係は続く。
「リカードがお詫びにデートしようっていうから、デートしたら次の日、ライトニングが激怒して・・・今度はライトニングと買い物に行くことになったの・・・何この連鎖」
「そ、そう!それじゃ!季節限定の町のイベントとか教えてあげるから!楽しんできて!私調べたんだ!せっかく行くんだから暗い顔しないで、少しでも楽しんでよ」
「うん。ありがとう」
「誘われてパーティーに来たら、知り合い全員から顔を背けられた・・・良くこれたねって・・・誘われたから来たのに・・・」
「ほら!私と一緒に歩こう!せっかくのパーティーだもん楽しもうよ!ほーら、このローストビーフすっごいうまいんだから!数量限定だからあるうちにとっておくのよ」
「・・・フランちゃんがいてくれて本当によかった」
「仲直りのお出かけして、また別の人が機嫌悪くなって、その人と出かけたら、別の人が機嫌悪くって・・・みんなから嫌われて・・・ねえ・・・どうして・・・私何かした?」
「気にしない気にしない!ほーら見て私が作ったアップルパイよ!香辛料と干し果物を入れたビターな大人味だよ☆甘くておいしいもの食べれば元気だすって!一緒に食べよ!」
「フランちゃぁん・・・」
ちなみにアリアは嫌われているものの、私の友人や後輩たちは幸いにもアリアと仲良くしているという理由だけで私を嫌わず、今まで通りに接してくれる。みんなと遊ぶ時間が少なくなったけど、仕方ないよね。