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5k:強い?


□ -268℃ □






「………という訳で、【温度調整】ギフトの全貌でした!」


「わーい。パチパチパチパチ」


「「…………」」



なんだろう。二人の視線が痛い。



「えーと、何そのとんでもギフト」


「凄すぎますね……」


「だよな、これさえあれば暑さも寒さもへっちゃらだ!」


「そういうことじゃないでしょ! もう! ギフト所持者がこんな感じなんて、心配したのがバカらしくなってきた」



えー。本当のこと言ってるだけなのに………


それよりも、蛇王の草原についてだ。



「この草原の名前よ。伝説の魔物であるバジリスクの巣窟で、中央には神体(ヨルムンガンド)様がいるらしいわ」


「獣人の国と人間の領土の境にあって、侵入者はバジリスクに襲われます」


「この草原のおかげで、獣人の国は人間に殆ど侵攻されることがないの」


「へぇー。ん? バジリスク倒しちゃったけど、大丈夫かな?」


「あ、どうでしょう?」


「大丈夫だよ。神体(ヨルムンガンド)くんは神獣だけど、バジリスクは魔物だから関連性は0だって、だから襲わないらしいよ。バジリスクは襲ってくるけど」



ツクヨミ…………なんでそんなこと知ってんの



「本人に直接聞いたんだ」


「誰って聞きたいけど、聞かないほうがいいわね」


「なかなかに気さくな人だったよ。あ、あと、トーマ君が獣人の国に簡単に入れるように、手配してくれるって」


「へ? そんなこと出来るのか?」


「なんでも、神牙(フェンリル)くんの子供を社会勉強のために連れて行くだけで、解決するみたい」


「あ、それなら大丈夫ですね。神牙(フェンリル)様に認められているということになって、アルスラなら厚待遇になるはずです。人間ですけど」



それは良かった。


神体(ヨルムンガンド)さーん、神牙(フェンリル)さーん! ありがとー!


さて、ここは獣人の国と人間の領土の境らしいが、どっちに行けば獣人の国なのかな?



「それじゃあ行こうか」


「ん? ツクヨミ分かるの?」


神体(ヨルムンガンド)くんに教えてもらったからね。さ、東に行くよー」


「あ、ちょっと待って」



ツクヨミについて、歩こうとして、あることに気づく。


凍らせたバジリスクの処理だ。



「うーん。ツクヨミに処理してもらうにも、この巨体だと時間がかかるし、牙とか何かに使えるよな」


「はい。バジリスクの脱皮した皮も強力な防具になりますから」


「ふむ。しかし、どうやって持っていこう?」


「伝説の空間魔法持ちなら、異空間収納っていうのが使えるらしいけどね」


「なぬ!?」



空間魔法だと!?


そう言われてみれば、ネット小説では空間魔法は転移や結界、それに異空間収納が使えるんだ! でも、こういうのって魔力量が少ないとあんまり収納出来ないんじゃなかったっけ?



「アーリティシア様と、ボクの加護を持ってるからかなりの魔力量のハズだよ」


「そっか、にしても異空間収納のイメージか……」



ド○え○んの、四○元ポ○ットみたいな感じでいいかな? バジリスクの真下に異空間収納の入り口を開く………黒い穴のイメージを持って……


凍りついたバジリスクの真下に穴が開いて、バジリスクが落ちる。



《異空間の作成に成功しました。》


《“時間停止式収納専用空間”に、凍りついたバジリスク×1を収納しました。》



これオフ機能はないかな? 毎度毎度出るとあれなんだけど………


あ、オフに出来るのね。じゃあ、オフにしておこう。



「あんた、空間魔法も使えるの?」


「後、生活魔法と回復魔法」


「なんとも言えない構成ですね」



うん。俺もそう思う。


ツクヨミに案内されて、草原を東に向かって歩いて行く。


たまに来るバジリスクは、生命凍結で瞬殺して異空間収納に仕舞う。


暫く草原を歩いた後、再び森の中に入った。



「この森で神牙(フェンリル)くんの娘さんと合流する予定なんだけど……」


「お、茸だ。回収してくる」


「あんまり遠くに行かないでよ」


「うぃ~」



茸に、薬草、香草、木の実etc………


取ったはしから異空間収納に入れていく。それにしても、神牙(フェンリル)って確か狼だったよな。バジリスクの肉食べるかな? それよりも、フライパンとかの調理器具が欲しいなー。うん?


気がつくと、正面に蒼銀の体毛をした狼が一匹。



「綺麗な狼だな」


「ルゥ!」


「うぉ!?」



正直な感想をもらしたら、飛び付いてきて顔をペロペロされる。味見か!? 味見なのか!?



「味見かな?」


「ちょ、見てないで! 助けて!」


「もしかして、神牙(フェンリル)様の娘さん?」


「グルゥ!」


「正解みたいですね」


「思ってたより人懐っこいな」


「綺麗って言われたのが嬉しいらしいよ。やっぱり女の子だね」



成る程。動物でも、可愛いとか綺麗と言われるのは嬉しいんだな。



「ルゥ!」


「ん? くれるのか? ありがとう」



神牙(フェンリル)娘から、ペンダントを貰った。どんな感じかな? 鑑定してみよう。



━━━━━━━━━


≪神牙の護石≫


備考

神牙(フェンリル)の力が籠められたサファイア。持つものの精神を安定させ、魔力を高める働きがある。


━━━━━━━━━



なかなかに良いものを貰えた。



「凄い力を感じます」


「本当ね。これ狼族とか犬族の人達が見たら、崇め出すんじゃない?」


「それ困るんだけど」


「先に、フェルゥを崇めだすと思うけどね」


「フェルゥ?」


「この娘の名前だよ」



神牙(フェンリル)娘の上で跳ねるツクヨミ。ふーん。名前フェルゥって言うのか。名前も可愛いな。



「ま、とにもかくにも、これで人間の俺でも獣人の国に入れるから、早速行こう」


「だね! 出発!」


「グルゥ!」


「えっと………おー」


「姫様、のらなくていいから」



さぁ、いざ獣人の国へ!





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