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第3フェーズ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「【リボルバーキラーミスト】」

「それに【ガンドレク・プログラム】ねえ…」

「てっきりミカエル専用かと思っていたが…」

「もう渡していたんだな、これまた厄介な…」



《ガンドレク・プログラム》

既に根が侵食しているバベルの塔内で、『攻撃モーション』をとった相手を、魔法製の鎖で拘束する。

無論、格上のルシフェルには効かない。


「面白い…」


「あの半天使の奴が使うとはいえ、元は大天使の物だ。ビクともしない。これじゃあまた停戦に…」

「だれが停戦ですって?」

「…何?」


そこには、人形魔物族の少年が佇んでいた。


「…なぜ動ける?」

「なぜお前だけ鎖が無い?」

「さあ〜…なんででしょうね」

「慣れた…とか?」

「…!」


「【レジストバーニング】!!!!!」

「チッ」


〔仕方ない…喰らって鎖を焼き払ってもらおう〕


ゴオオオオオオオオオオオ…‼︎


「!溶けた!」

「アシュラさん!」

「!」

「はっはっは…なるほど」

「【レジストバーニング】か…」

「威力の代わりに時間がかかるんだな」


「ただし消費魔力は意外に少なく、『造語魔法』でさえも破壊できるという利点もある、だろ?」


「『造語魔法』…?」


「【ガンドレク】などの意味の持たない単語に、【技の効果】を付加する魔法名の魔法ことです。」


「『ガンドレク』は造語でしたが、今は『地に這う鎖が戦う者を捕縛する』という意味の単語になっています」


「そういった魔法名を持つ魔法は、他のに比べて技の潜在能力が高いんです。」


「なるほど」


「もういいかな?」

「戦いを始めて」

「戦いは嫌いじゃなかったのか?」


魔王ファイアリアンはそれに答えるように業火を…

その身に纏った!


「知ったことか」

「じきにルシフェルが上がってくる」

「それまでには終わらせる」


「お前のそのくっだらない『言い訳王様気分の思想』をか?」

「貴様らの『可能性』をだ!」

「【陶芸家アーティスト】‼︎消せ‼︎」


ゴルルルル…


「土人形30体ほどか…」

「任せた!」

「はい!」

「油断は禁物だぞ」

「いくら動きが単純で遅いとはいえ、そのゴーレムは邪宝石魔法だからな」


「余所見してんじゃねえよ!」

「ほう、最初よりすばや…」

「赤式アシュラ拳ッ‼︎!!!!」


ドギュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ


「…いじゃないか」

「赤式は身を滅ぼすかもしれんぞ?」

「うるさい!」

「設定倍率2000%から3000%へ!」

「赤式『大型消費グランユーズ』アシュラ拳‼︎」


「おっと」


〔避けやがった…〕

「反撃いいかな?」

〔…来る!〕


「56239865412896354128964328965‼︎」

「…数字⁉︎」

〔いや…それよりも〕


ゴオオオオオ‼︎


「壊式アシュラ拳!」


ドドッドドッドドッドドッドド


「ほう360度閃光弾か」

「だが一箇所だけ死角があるなあ」

「レンには撃てないよな‼︎」

「チッ…アシュラ斬撃‼︎」

「おっとっと…危ない危ない」


「追尾式アシュラ拳‼︎」

「28967397656545965786573723‼︎」


ドギュウン!


「相打ち…!良し!」

「…はぁ…?」


〔な…なぜ…?何故だ?相打ちなどあり得ん…〕


〔アシュラがどんな人生を送っていようとも、〕

〔もし渡された善宝石がどれだけ強力でも…〕


〔相打ちなどありえん…」

〔さっき開発したばかりの全く新しい炎だぞ…〕

〔『奴に見えるはずが無い』あるとすれば…〕


「オラどーしたよ‼︎」

「びびったか⁈」

「チッ!」

「調子に乗るな人形不在が!」

「12793564219375247565328974+765+7642」

「ライ・ハルマルアリラク・ダークタイタン‼︎」


「赤式…」

「!」

阿修羅虎王拳‼︎」


バキッ!


「……!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


【陶芸家の邪宝石アーティスト】が割れた⁉︎


バカな…!

石を守っていた炎がかき消されている‼︎

こいつによって…

あり得ん!


まさか…これは『オーバーウェルム』⁉︎


「なーにびびってやがんだ!」

「それとも、殴られる覚悟が出来たかー⁉︎」

「ま、待てー!」


「誰が待つかよ!」


ドギュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!



オーバーウェルム…


絶対魔法を作るために必要であり、その半分の力でもある、攻撃したモノの存在を消せる『総合魔法』を教えるためのピース…その技を持つ者が死んでしまわないように、『相手の攻撃に対して、それに対抗できる魔法を即座に発現・発動できる』能力を持つ…


だがオーバーウェルムには攻撃力がない

その欠点をアシュラ拳の圧倒的な力で補う…

…あいつにとってはフェンリルだろうか私だろうが、別に関係無かったのか…


『する前に勝敗は決まっていた』


圧倒的な力の前には…敵いっこないってか…

はは…

これだから世界は理不尽だ

理不尽で…それでいて美しい…


私は『オーバーウェルム』に負けたのでも、

アシュラに負けたのでもない


正義に負けたのだ

圧倒的な正義に…


「ぐ…完敗だ…」

「…ここから逃げろ」

「さもなくば、ルシフェルに消されるぞ」




ー待機組


「うおおおお!」


バシッ

バシッ…

効いてない!


「君は15%だと言ったろう」

「確かに君の魔法ラピスラズリは強いさ」

「でも俺に勝てないなら、神にはもっと勝てない」


「うるせえ!お前に一撃入れればそれでいいんだよ!神さんなんて知るか!」

「違うそうじゃない」

「君らはこう言うだろう…『俺が悪で兄者が正義』」

「なら、神はグレーだと言っているんだ」


「グレーってことがどれだけ危険か…」

「お前にわかるか?」


「うっせんだよ!」

「こちとら毎日生きるために必死だってーのー!」


「神なんて見えないものを、疑ったり信じたり…そんなことは、人生において全くの無駄なんだよ!」


バキッ


パンチが決まった音ではない

パンチをした腕が折れたのだ

ルシフェルが折ったのではない

ルシフェルに当たって折れたのだ


しかし、アクシアは引かない


「う…ぐああああああああああああ‼︎…で、でも!」

「腕は二本あるんだぜ!」


ブンッ!

…当たらない


当たり前だ、両手で当たらないものが、

片手で当たるわけがない


「なんだ…」

「ちゃんと分かってくれてるじゃないか」

「『私だって同じことだ』」

「世界でたった2人…私たち兄弟だけが『神』を見ることを許されているんだ、私だって君と同じように目の前のことに手一杯なんだよ」

「邪魔しあうのは不毛だと思わないか?」


「うる…さい…黙れ‼︎」

「自分の人生が悲惨だとか‼︎」

「神に続く実力だからとか‼︎」

「そんなもん全部欲を叶える為の言い訳だろうが‼︎」

「なんで…なんで‼︎」

「お前みたいな奴に力があるんだ‼︎」

「なんでお前みたいな奴に…父さんと母さんは殺されなきゃいけなかったんだ!!!!」


「はっはぁん、それがお前の戦う動機か」

「それは違うぞ」



バギッ…

ルシフェルの意思で、また骨は折れる。

これで両手。


「…何故私が君の拳を止めたか分かるか?」

「それは殴られる道理と覚えが無いからだ」

「『君とダイヤの両親は自ら私の糧となったんだ』」


「…うっ!」

「嘘ではない」

「その証拠に、この翼はとても私に馴染んでいる」

「きっと兄者には馴染まないだろう」

「何故なら、彼らの信じた正義が…」

「彼らなりの正義が…私にあったからだ」


「止めろ!言うな!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「言うよ」


絶望が迫ってくる!


「目の前のことに向き合うと言ったのは君だ」

「彼らは私に託してくれたんだ」

「ミカエルがダイヤに託した様に」

「魂までもを…『神殺し』に託してくれたんだ」

「…それでも君は私が殺したというのか?」


「う…うあ…うわあああああああああああああああああああああああああああああ‼︎」



アクシアの精神は崩壊した。



「まだ…足がああああああああああ…‼︎」


「やめろ」

ドンッ

「やめろ」

ドンッ

「もう止めろ」

「うわあああああああああああああ‼︎」


何処に怒りをぶつければいいんだ⁉︎

彼の何処に間違いがあった⁉︎


ルシフェルが生まれてきたことも、

星が捨てられたことも、

そこから頑張ったことも、

力を得たことも、

世界を征服しようとしたことも…?


違う!

世界を征服だと⁉︎

そんなことは間違っている‼︎

やはり奴のくだらない考えのせいだったんだ…

許さない‼︎


「なんだその目は」

「神を殺して…世界を手に入れるだって…」

「そんなことはさせない!」


「……!」

「成る程な…どうりで話が噛み合わないわけだ」

「兄者の優しさというわけか」


「…⁉︎」


兄者はこう言ったんじゃないか?」


“弟は神を殺すタイミングを見計らっている”

“欲深でずる賢い”

“世界を手中に収めようとしている”


「…そうだ‼︎」


「君達はずっと兄者を信じていたのか?」

「その情報はな、ただの優しさだ」

「俺を殺すことに対する罪悪感を消すための嘘だ」

「私は世界なんて物に興味はない」


「ましてや奪うなど、考えたこともない」

「私がしたいのは、『神殺し』だけだ」


「…は…?」







「『神は死にたいそうだ』」


ルシフェルは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


ゆうゆうと。

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