【ガンドレク・プログラム】の鎖
何故か空中で飛ぶイカロスを見てルシフェルは…
「奇妙だな…消えろ!」
衝撃波。ルシフェルは息をするように放てる!
「…う⁉︎」
イカロスは吹っ飛ばされる!
「弱い弱い…」
しかし!次にルシフェルが上を見た瞬間!
そこにいるのは…
「おい」
「…!」
「俺はまだ死んでないぞ」
「フン」
ドギュオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!
「うがあっ⁉︎」
また、吹っ飛ばされる!!
「…鬱陶しいぞ」
「不死身のつもりか?」
イカロスは、背後に飛んでいる。
「余所見するな!」
「してないんだなこれが」
「うおおおお!」
「油断したな?」
ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
「うわ⁉︎」
〔全体攻撃…くそ、強い!〕
「このままじゃ…逃げられる!」
「逃げねぇよ」
「はっ……」
〔…では奴は…全員再起不能にするつもりか?〕
〔さっきのは嘘…⁉︎〕
〔俺たちを…〕
「バイル!」
アクシアを呼ぶ!そしてその返事は…
「おう!」
ダッ…
「お前ら…いい加減にしろ」
「!」
「ハエのようにうざったい…死ね!」
ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
イカロスに直撃!
「うがあああああああああああ‼︎」
〔や…ヤバい!だが!〕
アクシアの氷は、既にルシフェルの目の前に!
「【グレイエルグテイン】‼︎」
「喰らえルシフェル!そして凍りつけー!」
「…はあ」
ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
「ぐおお⁉︎」
「ぐああああああああああああああ!」
「バイル!」
「つまらないな…全然効かない」
「くっ…うおおおお!」
「うざいんだよ!!!!」
ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
〔…声がしない?〕
〔…おかしい〕
〔やつが消えた…?〕
「ここだ」
イカロスは、衝撃波の中を進む!
天使の翼で!
そして、もう1つ対抗策はあった!
「!まさかお前…その武器は」
「弓‼︎」
「何故それを持っている?」
「弓は天使の技術…」
「まだ、地上に下ろす計画は無いはず…」
「残念だったなルシフェル!」
「俺の母親は天使なんだよ!」
「…ほう」
「そして…俺の父親は!」
バサッ!
イカロスは、両手で弓と矢を持ったまま、動かなかったが、額と背中から生えてくる何かによって、
服が少し破れ、バンダナが外れた。
「…お前」
「なんだ…?その醜い姿は」
「醜くなんかない!」
「この『鬼』と『天使』の混ざった俺は!」
「分かり合える世界への象徴だ!」
「はあ…汚いなぁ」
「『鬼』…最も野蛮で最も汚い生物…」
「そしてお前は解らないのか?自分は裏切り者の塊だということが…争いの象徴だということが」
…ドールワールドは大変平和な国である。
だが、その大陸の上下にある『天国』と『地獄』は、
両方とも死んだ者を扱う機関だが、
昔から『犬猿の仲』で済まされないほどに、
対立していた。魂の扱い方について。
天国は、間違っていた。
ヴァルハラが確立されるまでは。
地獄は、正しかった。
かの閻魔王が死ぬまでは。
今の天国は、少なくとも内部で争いが起きない。
今の地獄は、率いてくれる者がいない。
「『どうやら当たったみたいだな』!」
「『地上にあるはずのない弓』の対抗策なんて‼︎」
「『あるはずないもんな!』
「そして!攻撃の中を進めるなんて‼︎」
「人間のやることじゃないもんな!」
「はぁ?」
「ああそういうことか」
「そうだ!」
「『俺には結界が二つある‼︎』」
「つまり!」
「俺は2度殺さなくちゃならないということだ!」
〔そう、ダイヤと仙人に会ったあの時にはもう、〕
〔俺は結界をひとつ持っていたんだ!〕
「そして…」
「喰らえルシフェル!これが…」
「お前ら悪に絶対負けない一撃だ‼︎」
しかし、静かだったルシフェルは動きだす。
「うるさいんだよお前ごときが…」
「お前に何が解る?」
「小僧のくせによ」
「お前は一度でも俺ほどの絶望を味わったのか?」
「なあ」
「親に愛情を注いでもらって?」
「うん?」
「安全な星に生まれて?」
「仲間を得て?」
「それじゃ勝てねえよ」
「そんな幸せな人生じゃな…」
〔…⁉︎〕
〔何か…くる!〕
「まあ君達の実力は思ったより高かったから…」
「敬意でも評して」
「そろそろリロードを始めるとするかな」
【これから起こる事は…】
【これまでも起こってきた事である】
【森羅万象はこれに基づき、全てを忘れて従う】
【強き者は弱き者を喰らい】
【弱き者は強き者に喰らわれる】
【その絶対的な摂理によって断罪を遂行する!】
『天使奥義』【ラグナロク】リロード開始!




