ヤマトより、特殊変化弾
「2人とも待って!」
「?」
ダイヤ達→4階
ヤマト→5階
しかし、かなりの高低差がある。
「今、ヤマトが叫ばなかったか⁉︎」
「そうなの…?」
「気づかなかったが…」
「この『バベルの塔』、思ってた以上に縦長い…」
「まあ、六角竜のような巨大な奴等が出入りするんだから、建物が大きいのは当たり前だが…」
「4階にいるわたしたちに、5階から声が届くかどうかというと、微妙な所だ…でも聞こえたんだ!」
「うーん…」
「…私は、ヤマトが『ダイヤ』と叫んだからダイヤだけ気づいたんだと思う」
「!」
「ダイヤに向かって叫んだのか…」
「…」
「…え?」
「てことは、ルシフェルが来るって事か?」
「…」
「ヤバいよな…?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
「せ、背中を合わせろー‼︎」
「てことはなんだ⁉︎ヤマトは…」
「部下と戦っていたってことなの⁉︎」
「連れ去られた後にっ‼︎」
シィィィィィィィィィィン…
シィィィィィィィィィィン…
シィィィィィィィィィィン…
「…何か音が聞こえてくる…」
「…なんの音だ⁉︎」
「『連射』のチャージ音じゃないかしら…」
「あの大会のチーム戦の時に【レンタルマジック】が相殺されたことが衝撃でよく覚えてるわ…」
「た、確かに言われてみれば…」
「でも、なんか違う気がする…」
「シィじゃなくてジィだったような…」
「それに長さも…」
「…なら、『特殊変化弾』連射だ」
「ヤマトの【リボルバー】には最終必殺技がある…」
「大会の時に聞いた話だがその必殺技の効果は扱いづらいことに『無差別攻撃』なんだ」
「そんな技が…」
「ヤマトはそれを、【霧】と呼んでいた。だが、あの時は大会のタイムスケジュール的に時間が無くて、詳しく追加効果を聞けなかった…そして、昨日やっと聞けたんだ」
「【霧】の効果は、指定した場所をたった1メートル先も見えなくするほどの水蒸気で覆う…らしい。しかし無差別攻撃ではやはり扱いづらいので、わたしは、『本当にピンチの時』だけに使え、といった」
「‼︎」
「じゃあ本当に…」
「今がピンチ…」
「だが、本当にピンチなのは一体どちらなのか…」
「とりあえず、霧の中は『ヤマトの独壇場』だ」
「どうしようもない…防御を固めよう」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「さて、話を戻そう」
「さっきも言った通り」
「オーラを見ればその者の事があらかた解る」
「2人とも闘志の塊のようだな」
「ふっふっふ…」
「普通は足止めにそんな闘志はないよな…」
「わたしを倒せたら…」
「次はルシフェルの所にでも行くつもりか?」
「まあさせないがな」
「バレたか」
「チッ」
「さあ、次は何を話して欲しい?」
「なんでも教えてやろう…勇気を持ってこの『バベルの塔』に来たことに敬意を評して…」
「違うなぁ魔王様?」
「話で時間を稼ぎたいんだろ?」
「アシュラさん、何を言ってるの?」
「レン、よく考えて見ろ、」
「俺たちがダイヤとルシフェルの戦いに混ざったところで、足手まといになるだけ…『魔王ファイアリアン』ともなれば、混ざられたら困る…そこは変わらない」
「でも、これはピンチではないんだ」
「俺たち役に立たない奴等は、早々に魔力を使いきっても魔王さえ押さえればいい。でも…」
「成る程」
「『力を温存しなくてはいけない』、ですね!」
「ふふ…なかなか痛い所をツクなぁ」
「でもわたしはさっき言ったはずだ、」
“絶対勝てない永遠にね”と…!
「じゃあこっちも言わせてもらおうか」
「俺たちの光が止むことはない‼︎」
「戦闘…再開ですね」
〔会話で静かになって気づいた…ダイヤさん達が何やらバタバタしている…声は聞こえないが、チェリィさんの能力で『地雷』が強化されている音がする〕
〔ヤマトさんは上の方の階、ダイヤさん達は恐らくその1階下…ダイヤさん達が防御を固めているということは、ヤマトさんのところで問題が起きた、ということだから、ヤマトさんは恐らく『アレ』を放つはず〕
〔なら!勝機がある!魔王相手に!〕
「『バベルの塔決戦』はそろそろ中盤に入るはずです…気合い入れていきましょう!」
「わーってるよ」




