第6話〜日本語じゃありません。ジャパァニィズです!〜
俺達は王都に着いた。安定の中世風の作りである。
前回思いっきりフラグを建てたのだが無視された。
そんなことはいいとして、王都にはやはりいろんな動物の耳を頭にはやした人(正確には魔力を宿した動物)がたくさんいた。動物が多すぎて暑苦しい。
「あまり気にしてなかったけどみんな尻尾隠してるんだな。」
「それはここにいる全ての動物の尻尾が性感体だからですよ。ですからこのように触ってあげれば!」
そう言ってニカナは隠していた来桜の尻尾を取り出し、モミモミし始めた。
「きゃっ!だ、だめだよニカナちゃんっ!」
「ね?」
「ね?じゃねえよ!いろんな動物が見てんだから辞めろ!」
「はーい。」
ったく何やってんだよ。焼き尽くしてやろうかな。いや可哀想だから辞めてあげよっと。
「そういえば気になってたんだがお前らが話してる言語ってなんて言うんだ?」
今なんとなく思ったので聞いてみた。深い意味は全くないのだ。
「これはジャパァニィズですよ。」
「は、もう一回言って?」
「ジャパァニィズです。」
日本語ですね。はい。でもまだ分からない。一応英語のことも聞いてみよう。
「OKって分かるか?」
「はい。『いいね!』的なやつですよね。」
「じゃあOKは何語だと思う?」
「イングゥリィシュですよね?」
「もう一回言って?」
「イングゥリィシュです。」
「絶対日本語と英語だろ!」
「日本語?英語?なんですそれ?」
OKの意味わかるやつがイングリッシュの意味が分からないわけがない。
ツッコミどころが多いけど無視しよ。
「そういえばニカナちゃん。」
「はい。ニカナは元気ですよ!」
「小学生みたいな返しだね。王様に会うことはちゃんと王宮の人に伝わってるの?」
「ギクッ!ちゃ、ちゃんと伝わってましゅよ。不法侵入とかにはならないでしゅよ。」
目を泳がせ、汗をすごくかいているニカナ。何かを隠しているリアクションだ。
「お前絶対何もしてないよな?」
「し、してませゃん!」
聞いたこともない発音だな。
「革、どうしようか?このままじゃここに来た意味無いよ。」
最もだ。ここに来たのは王に会って神の紋章を見てもらうこと。隠してると後々面倒だからな。
「では派手にぶちかましませんか?」
ニカナが突然そんな事を言い出した。
「ぶちかますってまさか……王宮に魔法をとか言わないよな。」
「そんな物騒なことしませんよ。ただ見せつけるんですよ。神に選ばれし力を。」
ニカナが不敵な笑みを浮かべる。
お前がそんな表情すんなよ。誰のせいでこうなったと思ってんだよ……。
だけど楽しそうだしやってみるか。
「しょうがねぇな。行くぜ!」
俺は頭に浮かんだ単語を繋げて詠唱していく。
「白き光は我が名において我の前で邪魔する敵の視界を遮らん。『白光』!!」
俺が詠唱を終わると、本来なら目の前にいる敵にだけ効果を発揮する中級魔法の白い光が王都を包み込む。王都中の動物全てに効果を発揮しているのだ。
神の魔力となると対象を操作できるらしいので、俺と来桜とニカナ以外の王都にいる動物達への見せしめとした。
それから30秒ほどして広い光は消える。すると武装した衛兵が原因を探し始める。俺が詠唱していたのを周りの動物達が見ていたらしく、衛兵はこちらに来た。
「先程の白光は君達の仕業か?」
「あぁ、そうだが。」
俺は不敵な笑みを浮かべてみせる。衛兵は一歩後ずさると震えた声で聞いてきた。
「何故あの中級魔法でこれ程の能力を?」
「それは俺達が……」
俺と来桜は魔禁石を取り出し、俺は不敵な笑みを浮かべたまま、来桜は笑顔でそれを見せた。
「俺達が神の紋章持ちだからで〜す。」
その後神の紋章持ちが現れたというニュースは瞬く間に王都中に広まった。
俺達は衛兵に事情を話し、お偉いさんがOKを出してくれたらしく王に会うことを許されたのだった。
次回王に会います。
続きが見たいとか気に入ったと少しでも思ったらブックマーク、評価、コメントお願いします。
コメントは多分返すと思います。