幸せの終わりと
「お父さん、醤油とって。」
『ん、ほら。』
「ありがとう。お父さん。」
【こらっ、真菜醤油かけすぎよ。あなたはいつもいつも…。】
「だって私味が濃いの好きなんだもん。」
【だもんじゃありません。いい?真菜、お母さんはあなたの将来を思って…。】
「うー」
【うーじゃありません。もう少しであなたも小学生を卒業するんだから、そろそろ言葉遣いというものをですね…。】
『まあまあ、いいじゃないか。ほら、真菜も反省しているようだし。母さんも準備しないと間に合わなくなるぞ。』
【もうっ、あなたはいつもそうやって甘やかすんだから。真菜も頷かない。もう、真菜もあなたも帰ってきたらお説教ですからね。】
ずっとこんな毎日が続くと思っていました。
【じゃあ、真菜、あなたいってきますね。ガス栓は閉めてくださいね。電気のコンセントも。後…。】
『大丈夫だよ。母さん。分かってるから。ほら、もう行かないと間に合わないよ。』
【あら、もうこんな時間。あなた、真菜行って来ますね。」
『いってらっしゃい』
「いってらっしゃい」
続くと思ってました。
『さあ、真菜そろそろ小学校の登校時間だろ。準備はできているか?』
「うん。父さん大丈夫だよ。」
『そうか。うん?真菜ちょっと着なさい。ご飯粒つけてるぞ。このまま学校行ったら、友達のみいちゃんに笑われちゃうぞ。』
「えへへ。父さん、ありがとう。大好き。」
『全く、いつまでたっても子供なんだから。』
「えへへ。行こう、父さん。遅れちゃうよ。」
『む、そうだな。そろそろ行こうか。』
「うん。」
いや、続けばいいと思ってました。願ってました。
だけど、それはある一本の電話でいとも簡単に崩されました。
それは、真菜が倒れたという学校からの電話が全ての始まりでした。
7/16 語尾を統一しました。




