表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚言霊使いの異世界放浪記  作者: アルカナ
4/7

1ー3  出会い①

茜は、気の向くままに樹海を歩く。

果実を着けている木を見つけては、自分の分と祠へ持って行く分を取らせて貰う。

『木よ、恵みを』

木々に語りかければ、よく熟れた果実が手元に落ちてくる。

「これだけあれば、十分よね!!」

集めた果実は、既に数十個。

半分を祠に置いてくるにしても、茜の手元に残る分は、2~3日食べる分には十分である。

「あとは、泉の水を分けて貰いに行きましょうか」

そう言って、1つ深呼吸。

自分の声に、マナを込める。

『風よ、道を示したまえ』

ヒュウと穏やかな風が茜の背中を押す。

このまま、風に吹かれて進めば精霊の泉に辿り着くだろう。

柔らかな日差しが差し始めた静かな樹海を、茜はのんびり進む。



「カイト、はいお茶」

「ん、おおサンキュ!」

カイトとリーサは、祠の脇で休憩中。

道中は、何事もなくやっと重い荷物を降ろした所である。

「いやぁ、ホンットなんも無かったわね~。

森に入るから、魔獣とエンカウントするか期待してたんだけど」

「あのな、この荷物背負って魔獣に遭ったら、確実に終わるぞ」

「分かってるわよ、そんな事。

縄張りの間を、上手くすり抜けて来たんでしょ?

………カッコいい姿見たかったのに」

「うん、何か言ったか?」

「な、何でもないわよ!!」

そう言って、ついと顔を逸らすリーサ。

若干頬に赤みが差してるが、歩き疲れて上気してるだけだろうとカイトは判断。

……朴念仁なのである。

「さて、もうそろそろ戻るかい?」

「え~、あと少し休んでも良いじゃない」

「う~ん、でも魔獣も活発化し始めるし……」

「大丈夫よ、それにカイトが居るじゃない」

そう言われれば、頷かざるを得ないのが男の性である。

「分かったよ、あと少しだけな」

その答えを聞き、上機嫌で口元を緩めるリーサ。

静かな森の中、誰にも邪魔されず、想い人と切り株に背中合わせで腰掛け、一時を過ごす。

まさに至福の一時だった。

---無粋な侵入者が現れる、その時までは---

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ