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俺たちの冬休み

一度の冬休み

作者: 航作裕人

 寒い日はつらい。十二月と言うのは、つらいことばかりではない。学校などの終業式やクリスマス、大晦日と言う行事がいっぱいある。

 日本は行事が多い国なのかもしれない。そして、少年の時はいい思いがあるかもしれないが、大人になれば、つらいことばかり。だから、十二月が嫌い。



寒さには勝てないと思ったのはいつのことだろうか。その昔のことなど覚えていない。おぼえていることは、サンタがいないことだ。

 幼少期は信じていたものが日本にはいないと知った時はあまりにも騙されていたように悟ってしまう自分が情けなく感じる。難しいときであるし、反抗期の時だからこそ、許せなかったのかもしれない。

 俺の反抗期は恐ろしかったことを今でも覚えている。この二十二歳の大学生を卒業してからの自分でも。

それは、俺にはいいことがなかった時代のことなのだ。


俺は良い環境では育てられなかった。悪い場所で親からの暴力。それに、学校でのいじめつらい日々を送ってきた。そんな時代の話しに、俺たちの短い冬休みは完成した。この短い冬休みだけはいいことばかりだったということにね。



中学校一年生になり、半年がたった時のこと。俺らはいまだにいじめにあっていた。

「おい、この虫けらがなぁ。こんな場所にいちゃダメなんだよ。ちゃんとした場所に帰りなってね」

 周りからのひどいいじめ。それに、クラス全体の雰囲気は最悪だった。誰もが助けようとしない。自分が大切な人間ばかりだと思い知ることになった時期でもあった。

学校でのいじめはだんだんとエスカレートしていき、自分の精神が持って行かれそうになる直前のことであった。いきなり、すべての怒りがこぶしに宿った。その時はもしかしたら、ストレスが爆発したのだと今だと思えるくらいだ。

 俺は家に帰ってみると、母親が、

「お帰り」

と出迎えるが、父親は家で仕事をしている。

俺の家は飲食店をやっている。その影響で、父はいつもイラついている。年中、クレームが来るからだと思う。そして、わざとクレームを言ってくるやつらを相手にして、へとへとに疲れた父であるからDVがあるのかもしれない。いつもだったら、やらないのだと思う。でも、年中無休の店をやるといった父は頑張っている。それに対して俺は、学校でいじめられる。


どうしようもない子と言う感じで扱われることなる。

 俺はすぐにリビングに行くと、父がテレビを見ながら、ソファーに座っている。

俺が帰ったのがわかったのか。

「おかえり。いつも通りやられたか。しょうがない奴だ。弱いからだぞ。お前は弱いし、クソだ。使い物に等なるはずがない」

言葉がひどすぎると思えた。誰だって、弱いものはあるのにと言いしたい。でも言えない。意気地なしだ。それを見ていた母はなんもいないで、見てみるふり。最低な親だ。

俺は二階へと行く。すると、

まさる。お父さんが呼んでいるよ。降りていらっしゃい」

いつものことだ。

――どうせ。弱いから強くなれとか言って、説教だろ。

俺は毎日の説教に嫌々していた。あることが起きるまでは。

「なんだよ。俺は忙しいの」

 あくまでアピールだが、通じるわけがない。いつものことだと思っているからだ。

俺はしょうがなく、階段を降りてリビングに向かう。

父親に、『お前はそこに座れ』と命令を受けて、腰を下ろす。同時に、

「お前は弱すぎるんだ。いじめる奴なんかなぁ、弱い。だから、大人数でやるんだ。だけど、俺は違う。お前など余裕でけることなどできる。家族だからな。教育には暴力は必要。わかるか」

 わかるわけない。今は昔とは違う。歴史でやったが、昔は普通に暴力などしていたものだ。それが当たり前だったから。

 でも、今は違う。体罰と言う分類に入り、教員は暴力はしてはいけないことになっている。なのに、なぜ暴力が教育に必要なのかが理解できないと言う顔をしていたのか。いきなり、こぶしを強く握っていた手が目の前をやってきた。その後、顔にはでかいあざができてしまった。

「何を考えているんだ。お前の残念な脳で考えることなどないだろ」

 あまりにも親としては言ってはいけないことだと思うけど。気にはしないのだろう。昔のヤクザさんはね。

父は昔、ヤクザの組長と言う分類に入っていた。そこで、殴り合いをしていたところに、母親が偶然すれ違い、父の一目ぼれ。そして結婚したというが、母は一度も父に殴られたりされたことがないと言っていた。本当におかない親だ。

俺はこの生活ががまんにならなかった。つらい現実。助けてはくれない周り。うんざり。

 でも、このまま育っていれば、今のような思いやりと言うか後悔したと思うことなどなかっただろう。


 ☆


 毎日続いていたこの説教といじめも冬休みになった瞬間にやんだというよりも、収まった。なぜかは、学校が休みになったことと、もう一つはあることだ。

 俺は冬休みになって入れてうれしいと思っている。クリスマスやお正月があると思っていても、毎年面白いことなどないことなどわかっているが、どうしても期待してしまう。おれの悪いところだ。

 

 冬休みの一日目。父親がいきなり入れ始めた。

「あァ――。もう嫌になる。本当に。克はふざけてねぇ――で、仕事でも手伝えや。お前のせいで、全然儲からないじゃないか。さっさとしろよ。この馬鹿野郎が。お前など馬得なければよかったんだ。もっと、違うやつがほしかった」

 あまりにも汚い言葉ばかり。おれもここまで言われては、腹が立つ。そして初めていいかえした。

「ふざけるのもいい加減にしろはこちらのセリフだ。父親だからって、調子物故いているんじゃねェ――。おまえのほうがクズだよ。人の生死化できないろくでなしがな。仕事は大人の義務だ。しっかりしろよ。与えられた仕事もできないのかよ。くその親を持つと嫌になる」

 とすごい勢いで吐き出した。おれの中のもやもやはすっきりした。すると、

「ハァ――? 誰のおかげで飯が食えると思ってるんだ。お前など出ていけ」

「わかったよ。こんな場所からおさらばしてやるよ」

 と俺もイラッとしたので、二階に上がり、バックの中に衣類とゲーム、勉強道具とランドセルを持って家を飛び出した。

 母は、「これを持っていきなさい」と携帯をよこした。そこには手紙があった。


 ――何かあったら、連絡しなさい。それと、気を付けて住む場所を探しなさい。


 と書かれていた。俺は絶望した。帰ってきなさいという言葉や子供を心配しているような内容が一つも書かれていない。どうしようもない親だ。

 本当に探さなければいけなくなった。今は駅にいるがどうしようかと悩む。お金だって、銀行のキャッシュカードのあるが、一ヶ月生活できる量しかたまっていない。合計で、十五万。小さいときに貯めたおかげであるが、これじゃあ、毎日ホテルに泊まっていたら、一ヶ月も持たない。どうしよう。

 このとき、家出をしなければどんなことになっていたか。

 ある人に会った。

「いや、大きくなってね。さぁ、私についてきなさい。今後は面倒を見るからね」

 と知らない人が話しかけてきた。

「いいです。知らない人に面倒見てもらうのは……」

 とある老人は頭をかしげた。

「もしかして覚えてないの? 私はね、君の本当の親の母親だよ。だから、君から見たらおばあちゃんになるかな」

 目を疑った。そういえば、相当昔にあったことがあるような記憶がよみがえる。今の脳内は昔にタイムスリップしている。

「そういえば。それよりも、本当の親って?」

 おばあちゃんはやはりと言う顔をして話し始める。でも、場所があるのか。

「こんな駅前では話せないね。じゃあ、うちにきなよ。荷物はあるだろ」

 この辺は交番やレストラン、大型ショッピングモールが立ち並んでいるところの広場いる、だから、人が多い。場所を変えるには聞こえないようにするため。

 俺はそのままついていくことにした。


 おばあちゃんの家に着くと、豪邸だった。それも東京ドーム二個分の。

 俺は目を疑う。そんなにも金持ちだったのかと。昔は違かったように感じる。

「なんか、困難だったケット言う顔をしているね。私は昔は金持ちではなかった。だから、目を疑うのはしょうがない。それよりも、中に入ろうじゃないか」

 誘われるがままに家の中へと連れ込まれる。これが幸福の始まりなどわかるはずがないだろうがな。

 俺は今までにないほどいいことかもしれない。

 それより先に、真実を知りたいと体がうずうずしているのは確か。

 部屋に入り、おばあちゃんは真実をぶちまける。

「それじゃあ、あなたの母親はどうしたかと言うと、殺されたの。交通事故でね。それは大変だった。普通に走って会社に向かう途中に、今の母親と父親にひかれた。そして、即死。でも、あの二人は逮捕されなかった。証拠がなかった。だって、あなたの母親は交通事故の前に少し血が出ていた。誰かにうたれたのか、刺されたのかはわからないけど、傷を負った」

 ここまで聞いても、すごい話だ。あまりにも残酷すぎる。急に涙が出てくるし。

「それで、母親は逃げていたの。自分の車で。そして、ぶつかり、なくなった。でも、あなたをどうするかとなった時に、引いたあの二人が引き取ることとなり、今の状況になった」

 すべて騙されていたことが分かった。おばあちゃんは話を信じてもらえるように、俺の幼少期の写真を見せたり、母親の写真を見せたりした。

 これで、完全に血のつながった家族であることがわかり、安心した。

「それよりも、冬休みは止まっていってもいいですよ。私は一人だし、冬休みは家に誰もいないからね。ほかの家族たちは冬休みはここではなく、昔の家に行ってくるからね」

 俺は助かった。そして、冬休みはよかったと思った。そして、日常はそのうち戻ってくることも分かってしまった。お風呂に入ったり、好きなことをしたりと、その日の夜は楽しんだ。こんなにが続いていった。

 それから、一週間は平和な時間が過ぎていく。そして、俺のストレスも消えた。だが、あと一週間くらいでまたもやあの日常が戻ってくると思うと、震えが止まらない。でも、高校生になった時に変わることがある。それは、今の俺でもわからないし、中学時代でもわからない。たとえ、頭がよくってもね。

 こんにちは、正和です。まさか、こんな作品を書くことになるとは思いませんでした。なんとなく思いついたら、意外と現実的な話になったように感じます。さすがに、悲しくなります。書いていて。本当にあるんじゃないかと思えてきて。

 さて、冬休みなので、冬休み期間の内容を書きました。反響が良ければ、続きを書きます。どうなるかはわかりませんがね。

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