序章 彼の特技は「ペン回し」
序章 「彼の特技は『ペン回し』」
上下留人。高校二年生。男。平々凡々に見える学生。
「えーっと、何か?」男に言う。
好きな教科は体育。苦手教科はそれ以外。勉強全般が苦手。
「あの、俺学校に行くんですけど・・・」道を塞ぐ男に言う。
趣味はゲーム、レトゲーから最新3Dまで平等に愛する。好きな食べ物はきゅうりの漬物。
「そ、その・・・俺に何か用があるんですか?あるなら急いでいるんで早めにお願いします・・・」なんか手に黒い謎のオーラをまとっている道を塞ぐごっつい男に言う。
部活は入っていない。最近ネットサーフィンにはまっている。
「解らないとは言わせんぞ」男はため息をついて、にやりと笑う。そして男は言った。
「『能力者』だ。お前の命、もらい受ける」
留人もため息をついた。
「・・・朝からコレっすか・・・もう嫌だ・・・」
「死んで行け」
男は黒いオーラを地面に叩きつけた。
バキバキバキバキバキ!!!!
瞬間、コンクリートであるはずの通学路の地面が割れ、波のような衝撃波が留人に向って発射される。
それを横目で見て、留人は微動せず、制服のズボンのポケットに手を入れ、愛用の黒ボールペンを掴んだ。
「俺は異能力バトル系のラノベとかはあんま好きじゃないんだが・・・」
高速に迫ってくる衝撃波に対し、留人はゆっくりと取り出した黒ボールペンを体の前に構えた。
そして。
ガガガガガガガガガガガキン!!!!!
留人はペンを超高速で回転・・・つまり「ペン回し」させ、衝撃波を消滅させた。
「あー・・・取り敢えず追い払っとけばいいのかね?」
「な・・・んだと!?俺の『自然衝撃』が消された・・・?馬鹿な!・・・貴様・・・ただの『能力者』じゃねえのか!?まさか・・・お前が・・・!?」
「・・・まあ詳しいことは俺も知らんが、」
上下留人。高校二年生。男。武器は・・・黒ボールペン。
「『能力者』、上下留人。『回転棒』 の『能力』で、かつ『異端者』だ。・・・タイプは合うっぽいな。」
留人はペンを構え、ゆっくりと回す。
「覚悟しとけ、結構飛ぶぞ?」
その数秒後、男の叫び声と共に爆風が通学路を襲った。
この話は、そんな高校生の周りに起こった、物語。