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ある魔術師の物語 参話 第三章

戦闘描写に不安感がありますが、どうぞ見てやって下さい!

ズドガッ!


「「ぐえっ!」」


カランカラン…


二階建ての建物の屋根あたりの高さから、空中で激突した何かとそのまま落下し、下にあったゴミ箱の上に落ちた。


ー身体能力制御ーで身体能力が上がってはいるが、体の硬度はそのままだ。


その為、ゴミ箱がクッションになったといえ、体中が痛い。


「か、っふっ!」


しかも体の上になんか乗ってる。

それが何なのかはうつ伏せの体制の為に見ることが出来ない。


体を起こせずに、しかも落下地点がゴミ箱の上で臭いが酷いため、いい加減体を起こしたかった俺は、


「汝安らかな風の祈りを!」

「風刃っ!」


つい魔術を使ってしまった。


…確かセリアの時にもこの魔術で…


はっとした瞬間に既に作られた風が俺の右手の上に具現、俺の上の物に向かって来て…


「ぎゃああああああああ!」


と、断末魔と共に俺の上の人影らしき物が横に6メートルくらい吹っ飛んだ。


「……」


俺が例え戦闘目的以外で魔術を使ったとしても、必ず人災が起きてしまうのか…?


ていうかあれ死んでないか?

至近距離での直撃で吹っ飛んでったぞ?


俺は立ち上がり、何故か足音を立てないように近づいていって、なんか痙攣してる、古めかしいローブを着た誰かに声を掛けた


「あのー?もしもーし?生きてますかー?」


「………………ぉぉぉぉぉ」


…よし、死んでる。なんか呪いの声みたいの聞こえて必死に立ち上がろうとしてる気がするけど、気のせいさ!

ていうかあの爆発音がした所に早く行かないと!


なんて、背を向けて、逃げようとした瞬間


ガシッ

足を掴まれた!


「うぉぉぉぉぉぉ!!」


俺、絶叫。

マジで。

掴んだ直後に下から見上げて来たこの人の恐ろしい眼にやられた!


まるで一昔前に流行った、井戸から這い出てくる幽霊のような眼だっ!


「全部俺が悪かった!俺が悪かったぁ!」


もう、本気の謝罪。

ここだけの話、幽霊と子供にだけは勝てる気がしない!


「た…」


「た!?」


この下にしがみついて来ている人は、か細い声で呟いた。


「助けて…!」


刹那


ヒュッ


とっさに俺の足を掴んでいる誰かの背中を服越しに掴んで脇に担ぎ、そのまま左に飛んだ。

何故なら、さっきまで俺達が居た場所には、黒いダガーのようなものが飛来したのだから。


トン、トトトン


計四発。

なんか、とてもいいリズム感と共に地面へと深く刺さった。


「…ダガーだと?」


こんな状態にも関わらず、頭は冷静だった。

あの飛来したダガーの刺さった位地を見た所、俺を狙った訳ではないようだし、何より


「う…助、けて。助けて…!」


熱に浮かされたように助けてと繰り返す、俺の脇に抱えたこの人の言葉を聞く限り、狙われているのはこの人。


それに加えて爆発音のした方に向かっていた俺と空中で激突したということは、この人は魔術師であり、あの爆発音の方から来たわけで。


「つまりは…っ!」


ビュビュビュビュビュ


第2射は尋常では無い数だった。


視認できる限りでも約三十!


回避はこの人を抱えてたら間に合う訳も無く、今度は俺ごとやる気だっ!


ならば…


ドサッと抱えた人をその場に落とし、右手を前に構える。

正直、魔術は詠唱が間に合わない。


だが、詠唱できなくとも魔術を使えるのが本当の魔術師ってもんでっ!


「ウォォォォォォォォ!!」


今日何回叫んだかな、なんて考えつつ

叫び、魔力を込める

すると一瞬で右手が光り、腕の血管がブチブチと激痛を伴いつつ嫌な音を立てて断裂し…


大量の血が吹き出した。


あまりの痛みに気を失いそうになるも、たった一言の呪文唱える。


「緋天血界!」


その時、空中の血液が凝縮し…


ガガガガガガッ


血桜の盾となって、主の身を守った。


「!?」


盾の向こうで微かに息を呑む気配がしたが、構ってられない。


格好いい物語の主人公ならば、ここで

「何者だ!姿を見せろ!」

とか言って決めるのだろうが、俺はただの魔術師、しかも暗殺者のような陰からの戦い方を得意とする。


戦いの仕掛けや詠唱も出来ない状態で、尚且つ俺の得意体術の間合いでもなく、厄介な荷物を抱えていては戦いようがない。


「…身体能力、制御っ」


呟き、左手で落とした人を担ぎ上げて、残った全力で俺は戦線を離脱した。



読んで下さってありがとうございました!

出来ればまた次回お会いいたしましょう( ̄∀ ̄)

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