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ある魔術師の物語 参話 第二章

漢字ミスや描写に味気ない所が(後々気に入らない所)あったので改定いたしました。m(_ _)m

「しっかし、考えてみりゃ久しぶりの部隊長直々の依頼なんだよな。」


真っ直ぐなファロへの街道を、またベタな盗賊達に、というより、あの魔術を使う連中に襲撃されないか若干警戒しつつ歩いている途中、依頼の内容を確認することにした。


「…ゼロ、今回の依頼内容は、王都ファロの第四地区に居る魔術研究者と接触し、その人物から再度依頼内容を聞け。なお、緊急時には物資と救助は出ない。たとえ挽き肉になろうと、爆死しようと拉致監禁されようとだ、死を心せよ…ね。

…部隊長どの、依頼書ってのはもっと軽い感じで書いて下さいって過去二回言ったじゃないですか。何度読んでもテンション下がりますよ」


…今回の依頼を依頼して来たのは、ー黒い月ーの部隊長、ネロ・フェイス・オルバという人物だ。

俺は部隊長に依頼された事が過去に二度あり、その依頼でファロとホリアスには実際に訪れていた。


…部隊長はお堅く真面目すぎる人物で魔術師を嫌っている節があるが、記憶を無くし、行くあても無かった、魔術師である俺をー黒い月ーに引き入れてくれた。


…俺は居場所をくれたネロ部隊長に多大な恩を感じている。だから、たとえ依頼書をよんだ途端にテンションがただ下がりしようとも、依頼は断れないのだ。


「でも、いくらなんでも仕事を3つ一気に片付けた後だっての。

サイスも少しは休ませろよなぁ。

ちくしょう、腹いせに帰ったらサイスの食べる料理にピーマンとタバスコをしこたま紛れこませてやる…」


自然と怨みが籠もった独り言がブツブツ漏れる。

だって仕方無いじゃないか。

徹夜して依頼終えてゆっくり休もうと寝てる時に、俺に依頼を伝達する役目の(実質的には出されている依頼を選定し俺に執行させる)毒舌無表情少女であるサイス・クリセリアに


「仕事よ。とっとと起きたらどう?」


と、思いっきり無表情で腹を殴られたんだから。

起きる所か永眠する所じゃねぇか、バカたれ


…やっぱりピーマンだけにしとくか。タバスコ、前イタズラで混ぜたら泣いちまったし。


「って、んな事考えてる間にファロじゃねぇか。」

そう、依頼内容&ムカつく記憶を思い出してる間にファロに着いてしまった。


「止まれ!」


そのままファロの門をくぐろうとすると、衛兵に道を阻まれた。

確か以前来た時には居なかったぞ?


「なんですか?」



「現在ファロには厳戒態勢が敷かれている。旅人は居住区に行けっ!」


脅すような大声で言ってきたが正直怖くない。

俺は理由を聞いてみる事にした。

「あの、なんかあったんですか?」


すると衛兵は


「ふん、外の大陸の虫なんぞに教えてやる義理は無い。どうしても聞きたいならその場で聞きたいですお願いしますと、虫のように這いつくばるのだな」

などとのたまった。


カチンときた。ええ、もう完璧なまでに。この大陸の情勢とかこの衛兵に過去色々あったのかも知れないとか、そんな事一切関係なく。


「エイヘイサン、イマナンテ?」


今の俺は多分、満遍の笑みだ。


「だから、貴様なんぞに教えてやる義理は無いと…ヒッ!」


こちらを見ていた衛兵の顔が恐怖に引きつる。

なにせ、俺の背後には巨大な剣、タケミカズチが具現していたのだから…


無詠唱による光と風の複合魔術、タケミカズチの具現化。

正直、無詠唱では破壊力は無いに等しい。いわばタケミカズチを模しただけの魔力の塊だが、人が当たれば感電し、気絶するくらいの威力と、見た者を震え上がらせるくらいの迫力はあった。


「きっ貴様っ!王都の門前で魔術を使うなど!不届き者めっ!」


気丈にも腰の剣を抜いて立ち向かって来たが、これ以上長引かせるとこの騒ぎの中、何故か来ない他の衛兵に本当に駆けつけられても困るので、俺は


「虫はてめぇだコラぁーー!!」


迷いなく衛兵にタケミカズチを全力でぶち当てた。


…その後、しばらくピクピクしていた衛兵だったが、気絶して動かなくなった。


「ったくよぉ、こちとらイライラしてたんだよ。」


…ファロの門を大股でズカズカ歩いて過ぎていくゼロを、ゼロを知る人物達が見ればこう多分思っただろう


ああ、あれ多分八つ当たりだ…


…ゼロは戦闘時には、どんな汚い手段を使ってでも敵を倒す という考え方をもって、実際にこれまでにも汚い手段で名のある騎士や魔術師を倒してはいるが、それは依頼に必要だったからで、普段はどちらかと言えば温厚な人物である。

それに依頼達成の為ならばどんな罵詈雑言であろうと軽く流すゼロが、こんな目立つ場所でタケミカズチなんて目立つような魔術を(威力をなんとか理性で抑えてあるとは言え)使用するのは普段では絶対に有り得ないのだ。


そう、理由は言わずもがな、さっきの思い出しイライラである。

あの衛兵は飢えた熊の前で鮭を焼いて食べたようなものなのだから、自業自得、四割、ゼロと出会ってしまった不幸六割、といった感じなのだった。



「さて、無事に門越えたが…」


あの衛兵なんぞ知らん。知った事ではないが…

……ファロを出る時には夜に出るとしよう


無事、ファロに入国(侵入?)し、少し頭を冷やしたゼロだったが、次の瞬間


「居たぞあいつだっ!捕まえろ!」


と、大声がした。


ヤバい!バレた!ていうかバレねーわけねーよなっ!あんなもん使っておいて!


なんて考え、取りあえず傍にあった路地裏に身を踊らせたが、どうやらゼロの事では無かったようで、


「あっちだ!逃がすな!」

やら

「なっ!この魔術、貴様、どこで!」


とか聞こえたあと、数人の悲鳴と爆音が聞こえた為、取りあえず路地裏から身を出し、

爆音の場所へ向かう。


「あーあーったく、依頼はどうしたんだ俺は!」


なんて叫びつつ全力疾走。

…さっきの魔力、尋常では無かった。

とてもでは無いが放っとける物では無さそうだし、フレアスが厳戒態勢なのも恐らくはさっきの魔術の使い手のせいと思われた。


「とりあえず、下からじゃ埒があかない」


叫び声と、もう一度爆音がして煙が出ている方に向かってみたが、やはり土地勘があまり無い為に所々で遠回りせざるをえなかったのだ。


「身体能力制御」

呪文を詠唱、身体能力を強化した足で目の前の二階建て家屋を一気に飛び越えようとして…

「いってぇっー!」

「いったぁっー!」


何かにぶつかった。

この物語を楽しんで下さっている方がいるかは分かりませんが、これからも生ぬるい眼で見守ってください。( ̄∀ ̄)

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