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不気味な世界でもう一度  作者: 猫になりたい馬鹿
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過去のこと

「え?」

名前を覚えていないのが普通?ちょっとよく分からない。それに、自分の名前がなにかさっぱり思い出せない。家族が呼びかけているのを思い出しても、ノイズみたいに何言ってるのか分からない。

よし、また忘れないように、一旦自分のことを整理しよう。何故か空腹でもないし、ちゃんと考えられる!

まず、

名前:不詳

性別:女

年齢:14歳

最後の記憶:下校中、チャリを漕いでいたら、突然目の前の風景に大きな亀裂が走った

うーん。名前以外は全部思い出せるんだがなぁ。ブツブツ呟いていると、


「そう悩まんでもいいじゃろう。名前なんぞまた考えればどうとでもなる。そんなどうでもいいことに気を使っているほど、そなたに余裕はないぞ?」

「親からの名前はどうでも良くねぇよ!!」

「それはそうじゃが、そなた、衣食住なんもないじゃろう?それに、どうせここがどこだかも分からずに飛び出しただけじゃろう?暇じゃしな、色々教えてやろう。」


そう存外に親切な少女に色々教えてもらった。


「まず、わらわはルカ。見ての通り、美少女じゃ!崇めても良いのだぞ?」

「も、元カレと同じ名前だ、、、。」


ルカは何も悪くない。だが、あんな、あんな手酷くフったやつと同じ名前だなんて、なんか、殺意わいてきた。あんなやつ死ねばいい。爆散すればいいのだ。うん、あいつが内臓ぶちまけて木っ端微塵に爆散してるの妄想してたら、こころなしかスッキリしてきた。


「そなたは、殺気を出したり、沈めたりと忙しいやつじゃのう。まぁ、良い。とりあえず、なにからいいたいのじゃ?」

「まずはココがどこかだな。あ、ルカって呼んでいいか?」

「そんなことか?好きに呼ぶがいい。場所は、『夜の森』じゃな。まぁ、名称じゃ分からんじゃろ。ざっくり言うと、魔物まみれの森じゃな。魔物は、魔石が核の生き物じゃ。あ、魔石も知らんのか。魔石は自分の宿す魔力以外で魔法を使える唯一のエネルギーが詰まっておる石じゃ。魔法、魔力も説明がいるか?」


魔力とかは、ラノベで知ってるからいいとして、魔物の見た目についての説明なんて聞きたくもない。どうせ、ゴブリンとか、オークとかだろ。まぁ、だからいいとして、他は、、、あ、元の世界に戻れるかどうか、はいいや。戻りたくもない。ルカを見てる感じ、ここの方が馴染めそうだ。あ、


「それは大丈夫だが、なんで腹が減ってないんだ?」

「食事を用意したら、勝手に動いて食べておったからじゃな。初めて見たぞ?意識がないのに明確な目的を持って動くものは」

「にやにやするなよな、。」


何をやってたんだ、、、寝ていた僕は、、!


「他に質問はあるか?」

「特にないな」

「じゃあ、わらわから質問しよう。特殊な事情があるならいいが、なぜそんな格好をしておる?」


聞かれるだろうとは思っていたが、だいぶ直球だ。僕の今の格好は、オーバーサイズのパーカーに、瓶の底と間違うくらいのメガネだ。仕方なくメガネを取り、


「いつかは話すんだから、今話すよ。僕は緑の目だ。別に、海外であればありふれているであろう目。でも、僕の生まれは日本だった。近年、いじめとか、差別とか、そういったものは無くそうとしていることもあったから、いじめとかそういうものはなかった。ただ、見られていた。ずーっと飽きもせず。僕の目に対して、何か言う訳でもなくてただ見ていた。友達は出来た。でも、異様に目が合わない。いや、あっているが、僕を見ていなかった。異変に思っていたら、今度は崇める人がでてきた。ずっと、やめて欲しかった。僕は僕だ。目の色がなんであっても、変わらない人が欲しかった。親は、ずっと嘆いてた。虐められてないかいつも聞いてきた。ぼくに何回も謝った。そんなことは望んでなかった。他愛もない話をしたかった。今日、学校で楽しかった話をしたかった。でも、なんとなく、無理だと悟った。そんな人はいないと。目を出している状態で、そんな人は現れない。そう思ってから、このメガネをかけるようにした。でも、眼鏡の隙間から見えるようで結局変わらなかったから、フードを被るようにした。そしたら、親友ができた。彼氏が出来た。淡い期待を抱いた。だから、目を見せた。一瞬変なものを見る目で見られた。経験から、すぐに分かった。あぁ、まただ。そう思った。でも、別れようとは言われなかったから、そのまま過ごした。見せてすぐは、ぎこちなかった。親友も、彼氏も。でも、忘れたのか段々戻った。これでいいんだと思った。目のことなんか忘れて、このままで。そう願っていたのは僕だけだった。あと少しで、元に戻りそう、そんな時だった。2人から、やっぱり無理、そう言われた。意味が分からない。戸惑う僕を置いて、2人は日常に戻った。僕がまるでいないかのように。もう一度、話をしようとしたら、私の手を振り払い、私を「変人」そう言った。私は、彼氏を愛していた。親友も。私、私の、なにが、いけなかったのだろう、、、って話しすぎたか、、、」


淡々と、淡々と、話したつもりだった。でも、無理だった。頬に雫が、いくすじも伝った。喉から嗚咽が込み上げた。気づけば、背中を丸め、泣いていた。


パチンッ


ルカが指を鳴らした。私の服が変わった。ダボダボのパーカーは、ちゃんとサイズのあった可愛らしいレースのついたワンピースに変わった。分厚いメガネは、溶けてガラス細工の髪飾りになった。


「終わったことを気にしてもしょうがない。ここじゃあ、みどりの目なんてありふれておる。それに、わらわに遅れをとらんくらいにお主は美しいぞ?、、、クズと同じ名前なんてだいぶ嫌なんじゃが……ふむ、わらわが名前を変えるのは嫌じゃから、いっそその元彼とやらに死んでもらおうかのぅ」


さすがに、冗談だろうが、この時の私にとっては、紛れもなく、救いだった。え?冗談だよな?





あ、一人称、戻っちゃった。そういえば、変人って言われて「こんな気持ち悪い目、潰そう」と思って家に帰った日に、白い空間にいったんだった。それに、ルカにわからん言葉を多く使ってしまった、、、

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