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01-07 電脳

一番街に電脳中心という店がある。

他の店に比べるとネオンが明るい。

青のネオン管で「電脳中心」とあり、赤のネオン管が「歓迎!」とある。

ここの店主は電脳娘々(でんのうにゃんにゃん)と呼ばれている。

カーキ色のだぼたぼの古い中国の国民服を着て、

同じ色の赤い星の一つ付いた帽子をかぶっている。

化粧っ気のないつり目の女性だ。


音屋から買ってきたちょっとのりのいいCDかけて、

カタカタとキーを叩く。

彼女はキーを叩かないことも出来る。

どこかの古い漫画のようにコードを自分の身体に取り込んで情報を得ることも出来る。

彼女はあまりそれを好まない。

このカタカタが好きらしい。


電脳娘々の仕事は主に情報探し。

よく来るのは番外地で営業している探偵。

態度はでかいが、いいお客だ。

あとは夜羽。

散歩がてらに妄想探しに来るらしい。

仕事熱心は結構だと思うが、夜羽の場合絶対楽しんでいると娘々は思っている。


電脳娘々はそんな斜陽街の住人といった生体系より、

ディスプレイ越しに電脳系と接する機会の方が多い。

電脳中心は電脳街にアクセスしている。

電脳系が集まっているらしい。

娘々はその中にある「アルコール」というグループのメンバーに友人がいる。

シャンジャーという。

彼は風水師と自称し、電脳のバグとりをしている。

「アルコール」は、アクセスしている者に癒しや夢、妄想を提供しているらしい。

丁度酒を飲んだようにするのだろう。

電脳系にはいろんな商売がある、と、娘々は思う。


娘々は電脳空間が好きだ。

あたたかい海のような空間だと思う。

この海を渡る手段はいくらでもある。

娘々なら魂一つで渡れる。

情報の海。


娘々は穏やかで荒々しく、

時には静かに、時にはどろどろしている。

その海が好きだ。

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