悪魔を交えた女子会の話
イフリートのヒロインはいつ現れるだろうか
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イフリートはリリアーヌとの関係を正直に話すと女性陣達は難色を示しており、マリナとオルガも困ったような表情を見せる。すると、受付嬢の一人であるセリアが決心したのか口を開いた。
「それは言いにくいのですが、恋仲になるような関係ではなく、身体だけの関係という事なので…
恋愛とは違うのですよ 」
「それが解らないのだ。
俺から見れば求愛行動からの繁殖行為が正解だと思っていたからな…
いずれは人間でいう婚約をし、子どもを作る事と何が違うのか理解できんのだ 」
セリアの言い分は良くわかっているつもりだ。知哉との契約成立の際に直ぐ様、リリアーヌのもとにいったのはアイツなら簡単にヤらせてくれると思っていたからだ。
支配する地域が近かった事や同じく大悪魔として顔を合わせる事が多い為それなりに認めあっているからだ。
だが、実際にリリアーヌ相手に性的な興奮はする事が出来ず、知哉と同じ人間に恋をしなければならないと見たからだ。
すると、エルフのソフィアが尋ねてくる。
「逆に悪魔にはそういった掟みたいなものは無いの?
エルフは生まれ持って長寿だから体内の魔力が強い分子どもを作るには魔力を全く持ってない人間としか子作り出来ないとか… 」
「悪魔にはそもそも繁殖する位なら眷属である配下を増やして強さを求められるからな。
配下の多さも強さの一つの基準で、一人でも強い悪魔のもとには配下は必要がないからな」
エルフは長寿の種族として有名なことである。体内に高い魔力を生まれつき持っている為、高い魔力を持った種族とは子どもは出来ずらい為、魔力を持たない人間を選んで子作りをするという。
先ほどまで黙って肉を頬張っていた女戦闘部族のリリアーナも食べ終わった為話始める。
「逆に俺ら女戦闘部族は自分よりも強い男を見つけたら集落に連れ帰り、集落の女達を孕ませなければならない掟もあるぞ?
大悪魔なら俺よりも強いだろうし、今晩試しに抱かせてやろうか? 」
「大悪魔に強気な態度を取ったことに敬意を評価してやるが、嘘は行かんな。
女戦闘部族の掟は事実であろうが、今の汝が恋心を抱いているのは、汝よりも弱い魔法使いの少年であろう?」
リリアーナは顔を紅く染めた。
掟も大事だが、現状好きな男性は女戦闘部族の求める男は掛け離れた存在である。
ここに来たのは掟を優先し、自分よりも強いイフリートと恋人になるか。
それとも自分を女扱いしてくれている優しい非力な魔法使いとの恋を優先するべきか迷っているからだ。
リリアーナが口をパクパクさせていると、リリアーナにも負けない爆乳の女神官・カーラが助言をする。
「確かに掟は大事かも知れませんが、リリアーナ様の気持ちも大事ですよ?
胸が大きいだけで簡単にやれると思われてしまってしかも神官という職業故セクハラ紛いな行為をされても許さなくては行けませんし…」
「うっ… 確かに強くても身体目的だけの男と子作りをして宿すのはヤダな…
確かに、一番に見てくれる男のがいいのか?
だが、掟は守らなくてはならないし… 」
「なるほどなるほど…。
種族での掟や体質で男選びをする事もあるが、好きになった異性が掟通りの人物でなかったり、身体目的で近付いてくる異性には嫌悪感を持つが、ちゃんと自分という人柄を見てくれる戦士には抱いて欲しいと思うのか… 」
イフリートは女神官カーラがある戦士に恋心を抱いている事も見抜き、その戦士の事を思うと身体が熱くなってしまい、そのものと付き合えたらいいなと教会で祈りを捧げている事を見事にいい当てるとカーラもリリアーナ同様顔を紅く染めた。
ソフィア以外には想い人いる事にソフィアはガックリとして酒を一気に飲み干した。
オルガは何ていって良いか解らず、ずっとマリナの顔を見たりして落ち着きがなくなっていた。それとは対照的にセリアは至って大人の対応をしていた。
「恋心を持つことは悪いことじゃ無いけど、冒険者同士でパーティーを組んでいるなら付き合わない方が傷つかずにする事もあるわよ? 」
「失恋経験者の話しか… なるほど。
この街には連れ込み宿という男性冒険者の憩いの場があるのか 」
連れ込み宿とは一階は普通の飲み屋兼食事処だが、注文してウェイター食事を持ってきた際にチップに応じてウェイターとそう言った行為が挑める宿屋の事である。
この街は始まりの街で初心者のうちは定期的通う事は出来ずとも冒険者として腕を上げ稼げるようになれば好みの女性に貢いでそう言った関係に持ち込める訳だ。
恐らく恋心を抱いていた冒険者がそう言った行為をしてその女性といいかんじになってしまい失恋してしまったのだろう。
「男なんてね。やりたいだけの獣が多いのよ。
けど、イフリートさんも似たような事をしようとしたのに何故、ヤれなかったのか不思議で… 」
「契約の内容は『お前が本気で愛した人が現れたならその人を愛し全力で護る事』だからだ。
つまり、俺と同じくらい強いリリアーヌを守る気などまったく無かったから愛する必要がなかったと言うことだな 」
「でも、イフリート様はどの様な女性が好みなのですか?
ここにいる女性陣も美人美女揃いですが、そう言った気持ちになった方はいましたか?」
「フハハハッ…残念ながらここには俺の求める女性はいないそうだ。
彼女らにもいい未来の図が見えているから。
魔法使いの少年と心優しい戦士は主らの事を好きであるがゆえに気にかけているだろ。
そしてセリアにはその失恋が、吹き飛んでしまうような出来事が起こると予言しよう」
イフリートは失恋話して落ち込み気味になっていたセリアに対して失恋が吹き飛んでしまうほどの事が起こると予言した。
酔っぱらいのソフィアは自分の恋はいつ来るのか尋ねてきた為、正直に答えた。
近い将来、この街の英雄と呼ばれる男性と結ばれると予言したのであった。
大方の女性陣の話を聞いてイフリートは自らがどの様な女性を愛せるのか検討もつかないが、だからこそ面白いと、酒瓶を開け一気に飲み干した事により大盛りしたのであった。