女神・ティアへの警告
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リディーナは躍りを覚えるために暫くは別行動になる為に時間が出来てしまった。夜になるまでに時間もある為にイフリートはエロスに頼んで、ティアを地上に連れてきて貰ったのだが、明らかに不機嫌そうな顔をしていた。
エロスに理由を尋ねると、元々『癒しの雨』の件は事情を知っていたティアが人々に嫌悪感を与えない為の隠蔽工作であったが、イフリートがバラしてしまったせいで今までの苦労が水の泡になったと涙目で睨み付けられてしまった。
「まぁ、それは今更だろ?そもそもエロスの信者の【武装シスターズ】も懺悔室が教会にあって… 」
「知ってますよ!?//////何で聖職者にあんなことをさせているのですか!?///// 」
「お前、本当に女神なのか…? 精通をしたら定期的に抜かせないと魔族なるからに決まってるからであろうが… 」
「そもそもサキュバスの元の発端は女天使なのよ?それを信者である子達に避妊魔法を覚えてもらって代行して貰ってるのもあるけど…」
イフリートとエロスはティアが事情を知らないことに驚いた表情を向けるとティアは二人が何を言っているのかわからないという顔をしていたのだ。
そもそも、魔法が使えるということは体内何らかの『魔』の力が宿ってしまっている証拠であるのだ。
魔界から微力ながらも魔力を帯びた土地の作物や動物から栄養を取っている為に人は少量で微々たるものであるが『魔』の力を体内にやどす。
魔法使いなど魔力を何らかの形で出せる職業であれば問題はないが、農民など『魔』を定期的に出せる手段として性行為が活用されているのだ。
本来であれば許嫁という手法でそれを賄っていたが、地代の変化とともに恋愛の自由化や貴族階級などの政略結婚など別のよこしまな欲が邪魔をして『魔』を溜め込んでしまう環境が出来てしまった為に本来ならば天使がそれを手助けするのが始まりであったが、働き者の天使が多くの魔を受け止めた為に魔族になりサキュバスが産まれたといわれているのだ。
そして、『欲』のままに搾り取ら過ぎてしまう為に『悪魔』として呼ばれるようになってしまった過去があるのだと説明するとティアは絶句した顔を見せたのであった。
「そもそも、善行から悪が生まれる事もあり悪行から善が生まれることもあるのだ。悪魔だの天使だの善悪二元論は正直悪魔の俺から見ても馬鹿馬鹿しいぞ?」
「そうですよ? それを言ったら我々の唯一無二のゼウス様は浮気性で天使・人間の美女ならあの手この手を使って近づいて関係を作りますし、それがヘラ様にバレて異世界が誕生している訳ですし、この側にも説得力がありません」
「そ、それはそうかも知れませんが…そ、それでイフリートさんは何で私を呼び出したのですか?」
「いや、普通に女神として格がこのままだと無くなるから癒しと幸運以外の取り柄をつけろと助言を…」
【 ラスティーナ】の街は踊り子達とカジノの賑わう街であった為に幸運の女神であるティアの信仰心どれだけあるか知っておく必要があったのだ。
そもそも癒しと幸運を司る女神である癖に知哉に2度も勧誘を失敗している為に自身に幸運が無いのではないかとおもったからだ。
現にカジノでは運任せのゲームが多いにも関わらず、ティアを進行している者が全くいなかったのだ。
それどころかあるカジノ常連の男性は『ティアの幸運は病や戦争から無事に帰ってくるものであり、賭け事では意味がないので結局は自分の運任せであるのと余程の馬鹿でなければカジノで稼げる手段もあるし、そもそも仕事と併用して行えばいい娯楽である為に女神の加護を借りて一発逆転を狙うのは本当に追い詰められた者だけであるが大方負けるところしか見た事がない』と話してくれたのだ。
つまりは女神として取り柄がない状態になっている為に女神としての立ち位置が無くなってしまうのではないかと宣告したのであった。
「そ、そんな事は…あ、アテナスには信者が…いますし…」
「そのアテナスの教えを破って罪人を売って貰えたし、俺はその対価として経済難と食糧難を解決してしまった為に女神ティアに対しての導きに疑心暗鬼になってるものが出てきているのではないか?」
「こういったらあれなんだけどね?ティア、トモくんにフラれてから女神としての力がかなり弱まってるのよ?」
「…ワタシどうなっちゃうの!?エロスお姉ちゃ~ん!!」
元々は知哉が賢者兼勇者として活躍する為に加護を与える立場であったティアが弱まっている原因は間違えなく知哉自身と自分との契約であるために流石に放置するのは酷である為に一番ティアを信仰しやすい環境が整っていた【 ラスティーナ】の街は踊り子達とカジノの賑わう街であった為に幸運の女神であるティアの信仰心どれだけあるかを調べる必要があったが洒落にならないほど信仰心が無いためにこのままではエロスがこの地の女神としての地位を高めてしまってティアの立場がなくなってしまうと警告をするとティアはエロスに泣きついてしまったのだ。




