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愛と情熱を躍りに…

踊り子達とカジノの賑わう街【ラスティーナ】

街の至るところで踊り子達が様々格好をして踊っている街であるが、『美貌』に自信のある若い娘達が金を持っている男性の気を引く為だけに露出の高い服を着て買い叩かせている所謂『自演春売』をしているだけで正式な踊り子ではない。

カジノも負けてしまえば地下の闘技場で魔物と剣闘士として賭け事に使われる闇深い街である。

**********************


イフリートとリディーナは初めてに踊り子達とカジノの賑わう街【ラスティーナ】に視察に行くことを決めると、リディーナに新しい狩猟ナイフと片刃のダガーナイフを新調させて、新しく覚えた転移魔法を使用して【ラスティーナ】に向けて出発したのであった。

イフリート達が【ラスティーナ】はエデンの街から離れた場所にあり、南の大陸では一番発展した街であるのだ。

元々は港町であったが美しい踊り子達の舞いを見て金持ちの貴族や商人たちが自分の妻にしようと手持ちの金を出して交渉する為に、躍りと美貌に自信のある女性達は踊り子として注目を集める為に露出の多い『踊り子服』を着用しているというのだ。


「けど、何で【ラスティーナ】から視察することにしたの?」


「まぁ、踊り子というのものを知らんからな…それにカジノの賭け事は結局は運試しだ。

幸運と癒しを司る女神・ティアの振興がこの国にはどれくらいあるのか確かめたくてな…その幸運と癒しの女神が形無しになっているからな…」


「あー…確かに癒しの回復魔法『治癒(ヒール)』が元は契約者の人間が対価を払えなかった時に拷問する為に修復する魔法の復元(リベア)の発生で術式や魔力さえ足りてたら魔法使いでも使用できるってなると毎日祈りを捧げてる神官(ヒーラー)の立場やティアの立場が無くなるもんね…」


「それに後の幸運も本人自身が全く運がないからな…。折角きた異世界人に2度も断られて本来の筋書き通りに事が運べておらんからな…」


【ラスティーナ】の街の信仰心は一応はあるらしく教会に祈りを捧げる踊り子や賭け者(ギャンブラー)が振興しているとマリナから聞いていたが、実際に知哉を勇者に2度も勧誘をした癖に結局断られてしまった為に幸運があるとは思えなかったのだ。

冒険者カードを見せて【ラスティーナ】の街に入ると広場では踊り子達が様々な場所で自分の舞いや美を見せてそれに男性達は見惚れていたのだ。

踊り子によって露出具合も様々で中にはビキニアーマーと薄い生地で下半身を隠しただけの過激な衣装を着ている女性もいる為、一言で踊り子服といっても様々な種類があるようだ。

だが、これをサキュバス達に覚えさせるのは可能であろうが天使達はどう思うのか疑問に思ったのだ。

本来は王族や貴族や神に祈りを捧げる為の職業であったが、時代が進むに連れて祭り事や祝い事等で踊られる神聖な躍りでは無くここの踊り子達は自分達の『美』を男性達に見せつけるような舞いを踊っているだけでありとても女神を振興して踊っているようには見えなかったのだ。


「ふむ…思ったより収穫は無いかもしれんな」


「えっ…どー言うこと?」


「先程から踊り子の娘達は好き勝手に踊っておるが、本来は楽器などの弾き手がいて初めて踊り子しての価値があるのだが…」


「楽器?」


「太鼓とか民族的な文化に違いはあるが…試しに俺が弾くから踊ってみるか?」


イフリートは魔力を使ってリザーナの衣服をドレスに変えてみせるが、リディーナは踊りなどを踊った事もないから無理だと伝える。

しかし、イフリートはこれから自分が弾く楽器の音に合わせて『愛する人を抱かれたい情熱』を表現する様に自由に踊ればいいと簡潔に伝えるとリディーナはイフリートの顔を見て微笑み踊ってみる決意をしたのだ。


イフリートは決して楽器を弾くことに興味があった訳では無いが、リリアーヌがまだサキュバス女王になる前に地上の男性を誘惑するために踊り子をやるために弾き手をやってほしいと頼まれた事があったのだ。

最初こそ、面白くないと断っていたがリリアーヌが賭けで抱けたら、その分の魔力を少し分けてくれる事を条件に出してきたのだ。

そして、何か不祥事あったら暴れてもいい事を条件にギターを覚えて、地上で弾き手をした事が大昔にあったのだ。


それ以来ギターを弾いた覚えはないのだが、何万年振りにギターを作り出して弾く為に弾けるかわからなかった。

だが、愛するリディーナが自分が弾く音で踊る姿を見たいという欲求が心を動かしたのだ。

リディーナは息を深く吸い込んでゆっくり吐き出すと、イフリートを見つめるとイフリートがギターを弾き、リディーナが踊り始めたのだ。

ギターの音に気づいた民衆が集まり初めてリディーナの躍りを食い入るように見つめていたが、リディーナは民衆の方には見向きもせずにギターを弾くイフリートを見つめて『愛する人を抱かれたい情熱』を表現する舞いを披露したのだ。

ただ、イフリートに見て貰いたい。見て貰いたい一心で腰をくねらせて、イフリートにお尻を向けて誘うように付き出して自分の手の甲を舌で舐めて見せてきたのだ。

イフリートがギターを弾くを辞めるとリディーナもスカートを少し上げて見せて楽しかったと伝えるとイフリートが微笑むと民衆達も2人に拍手を送って貰ったが【ラスティーナ】の街の護衛兵が近づいてきて2人に会って貰い人物がいると言われ、護衛兵の後を着いていくと、この街の教会の聖職者であるメアリーに出会ったのであったのだ。


リディーナはイフリートを誘惑する様に身体を動かしていただけなので魔界に行った際にリリアーヌに教えて貰うことになる…

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