表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/63

二度目の勇者勧誘する女神

*********************


リリアーヌに人間界へと続く扉へと蹴り入れられ、最初にみたものは魔物であった。大柄なイノシシの前に送り出されたのである。いきなり魔物との対峙させるとは、リリアーヌの奴め、次あった時は縛り付けてスパッキングで痛め付けてやる。あのケツデカ女と悪態をつきながら自らに突進してくる大柄な猪を殴り付け倒す。異世界人の身体は使い勝手が良く、魔力も力も申し分ない。対価としての価値はある品物であるのは確認ができた。食料保続として空間魔法に猪の死体を投げ込むと、ビリッと何かが破ける音がした。知哉が着ていたジャージが破けてしまったのだ。流石に異世界格好(ジャージ姿)で街に行けば怪しまれるだろうし、何より身体を魔力で作り替えた為、サイズが合っていない。魔力を使いそれっぽい格好をし、近く街を探した。


ー始まりの街【エデン】-


冒険者になるために最初に訪れるなければならないのは冒険者ギルドで冒険者登録をしなければならない。街の守衛にギルドの場所を聞き、訪れ、中に入るとそれなりの広さがあり、酒場と宿屋を兼用している作りになっているようだった。受け付けを見つけ、登録の為、近づくと受付嬢が気付き営業スマイルを見せてくる。


「こんにちわ。冒険者ギルドへようこそ。本日はどういたご用件でしょうか?」


「冒険者登録をしたいのだがな…。具体的に何から始めたらいいか教えて貰いたい」


「それでしたら手数料として金貨3枚必要になりますが…」


「あー…金の事をすっかり忘れていた…。すまんが魔物の買い取りはやっているか?」


受付嬢は営業スマイルを崩さずに魔物の買い取りが出来ることを説明した為、その場で先程倒した猪の魔物を出し買い取って貰うことにした。


「この猪なのだが…手数料分に足りるか?足りぬならそこに出て適当な魔物を倒してくるが…」


「あ、あのこの突進猪(ラッシュ・ボア)は貴方一人で…?」


受付嬢は驚いた表情を見せ尋ねてきた。事実を伝えると猪は買い取ってもらい冒険者の登録を済ませる為、受け付けに再度向かった。手続きに必要なのは戦闘スタイルと名前、使える魔法の種類等色々と記入欄があった。


「うーむ、困ったな。俺は悪魔なのだが…これは規約違反にならんのか?」


「そうなんですか…悪魔なんです…か?悪魔!!?魔族なのですか!?」


受付嬢が大声を出したせいで他の冒険者にも気づかれてしまい武器を構えられる。正直に答えただけでこの始末だ。


「俺は13人の大悪魔の一人・イフリートだ。訳あってこの人間と契約しており冒険者になりたいのだがな?ここの記入欄の種族に嘘を書くわけにはいかんだろ?」


「そ、それはそうですが…こ、困りましたね…」


受付嬢は以外にも紳士的な対応を見せるイフリートに戸惑いながらも悪魔を冒険者登録していいものか他のギルドの受付嬢と相談を始める。正直、冒険者にならずとも男女関係を気付き愛を知り、その者を守るという盟約が実行出来ればそれで言いが、冒険者登録をしておけば様々な街への身分証になる為取っておいて損は無いものである。すると、後ろの方から神々しい魔法陣が現れそこに女神ティアが現れたのだ。


「め、女神ティア様!!?本物だぞ!?」


「大悪魔・イフリート。お願いがあります。もう一度だけ知哉様とお話させて頂けないでしょうか?」


女神・ティアからの申し出にイフリートは二つ返事で返し、知哉と分離した。目を覚ました知哉は何が起こっているのわからず、イフリートに説明を求めるとティアが話したいと言うから機会を与えたとこの状況を楽しんでいる様に返答する。知哉はうんざりした表情でティアに向き合った。


「…俺は別に勇者なんて興味も無いし、この世界が危機で滅ぼされようがどうでもいいんだよ。つーか、無関係な俺が何でどうでもいい人助け何てしなきゃならないんだよ?」


「確かに貴方は前の世界では不幸に見合われて何もかも失ってしまったかも知れません。けどこの世界で勇者として多くの人々を救って頂けないでしょうか?貴方は本来心の優しい方で勇者に相応しい方なのです!」


「ハッ!ふざけるな。勇者なんざ、こっちから願い下げた。勇者なんて魔王を倒す為だけの【道具】にしか過ぎねぇ。仮に苦労して魔王を倒しても魔王を倒す力を持った化け物扱いされて迫害するのが人間だ。そもそも俺はあんたに魔界に落とされて、このイフリートに身体と記憶を対価として契約済みなんだよ。勇者様が欲しいなら他の異世界人に頼めば良いだろ?俺はあんたの道具にも社畜にもなりたくない」


イフリートはティアの提案を受けいる気配の無い知哉の姿に思わず笑いが込み上がっていた。この男は女神の言葉に惑われない。それどころか前世での不遇が根深く人を思いやる事に嫌気を差している様子だった。幸せにしてやりたいと思った女を守れなかった自分の弱さをそれを失ったことにより生きる希望も熱意も失っている。また他者に良いように利用され苦労するのが目に見えてるからこそ嫌なのだろう。ティアはそれでも諦めず知哉を説得し続けた。しかし、それでも知哉は受け入れる気が全くなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ