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うちの女悪魔神は甘チョロいが可愛い

こんな女上司だったら仕事もやる気出せたのに…

*********************


悪魔神・バラムは元々は有翼族(ハーピィ)の雌の死体に強大な魔力を受け継ぎ生まれた稀なガーゴイルであった。


魔界では空を飛ぶ悪魔は多く存在しているが、バラムは高速飛行戦を得意とし、強大な魔力を持っていた事もあり『魔王候補』の一人として知られる悪魔であった。


しかし、バラムの悪魔として見通す能力を持っていた為、例え自分や他の悪魔が魔王の座に着いたとしても魔界のバランスは取ることは極めて困難だと見通していたのだ。

その為、彼女は『禁忌』と呼ばれてもしかない行動に出たのだ。

魔界の神になるには神の赦し(ゆる)を得る必要がある為、バラムは単身で魔界から神々がいる天界へ出向き見事に神の座に着く個とができたのだ。


しかし、今のバラムは悪魔神としての威厳の無い姿をしていた。黒いレオタードを身に付けお尻の付け根部分にはウサギの尻尾があり、頭には黒いウサ耳のカチューシャが着けられていた。

俗にいう『バニーガールコスチューム』を着て姿を現したバラムに大悪魔達は混乱気味になっていてた。

ルシファーが顔を赤く染めながら理由を尋ねる。


「全部イフリートさんと契約した異世界人の方のせいですよ!!私、怒ってるんですよ!?」


「あー… こりゃ駄目だな。もう素が出ちゃってるから」


バニーガール姿でイフリートを涙目で睨み付けるバラムは、魔界の唯一の神として神らしい振る舞いや言動を心掛けている。

しかし素が出ると少女らしい言動になってしまう為、そうなった時は相当焦っているか怒っているかのどちらである。


本来、悪魔の神を怒らせていけないが、バラムの素を知っている大悪魔からすれば、神らしく振る舞わなくても充分過ぎるくらいの振興を集めている。

そんな悪魔神様から怒っているイフリートは、契約した知哉が原因だと言われ、心当たりが有りすぎていた。


「バラム様、もしかして女神・ティアに腹いせにやられたのでは無いですか?」


「そーだよ!!!なんかティア様に対して物凄く無礼な言動や脅し掛けたって…その腹いせに…/////」


「あの貧乳神は中々いい趣味をしているようだ。スタイルの良いバラム様のこんな可憐な姿を見してくれるとは…」


「えっ? に、似合ってますか?可愛いですか?なら嬉しいですね…」


悪魔神バラムはイフリートの上司に当たる悪魔であるが、基本的にドジっ子気質の為、嘘偽りの無いイフリートの言葉に騙され易い。

バニーガール姿を褒めると、顔を紅く染めて初々しい小女らしい行動に大悪魔達も和みながらも頷いた。


しかしながら事情を把握出来ず納得していなかったルシファーはイフリートに説明を求めてると、記憶を見る事が出る炎の玉をそれぞれの前に送り出し、知哉との契約と女神・ティアに対しての言動と脅迫行為を行った時の映像を見せる。

映像を見て笑い出す者や頭を抱え、溜め息を付く大悪魔もいたが、これが事実だから仕方ないのだ。

大笑いしていたベルゼ=ブブは笑いながらもバラムに疑問を投げ掛けた。


「け、けど、それならイフリート個人を呼び出して問い詰めた方が早かったんじゃないっスか? わざわざ『D13(デモン・サーティーン)』を開催する必要があったんッスか? 」


「当たり前です。知哉様が勇者として転移されなかった事で我々が管理している魔界や地上への影響が出てしまっているのですから」


「どういうことですか? そもそもの話、魔界の俺らの役目は『地上への適度な魔力を送り出し、魔物を発生させる源を作る事』、『その討伐やダンジョン攻略で得る金や宝石を作る事』そして『その魔物や魔獣と戦える術として精霊や悪魔の魔術を人間にも使える様に伝承する』この3つが、天界との契約の筈ですが? 」


「その勇者が居なくなったというか任命しようとした方に断られた為に、本来勇者に討伐されるだけの魔物達が凶暴化して…」


確かにイフリートがいる街は冒険者の駆け出しが集まる場所にしては依頼金も高く、魔物も強かったらしい。

大悪魔のイフリートと異世界人の身体で強化されている為気にすることは無かったが、冒険者の数が少なくなり、更には王国の騎士団や王都を滅ぼした魔獣まで出ているというのだ。

本来であれば知哉が何らかのチート能力で解決する問題を放置した為、地上への被害が酷いらしいが、イフリートからしたら知った事でない。


「そんなもんの他の異世界人を転生させるなり転移させるなりして補えば良いだろ?知哉自身が人助け家業で前世で嫌な思いをしたのに勇者など人助け家業してくれなど… 」


「そうなのですが…その…勇者という職業自体の人気が無くて…その転生も転移する勇者候補・願望の方がいなくて…」


バラムがいうには知哉のいた世界で死んだ魂を転移・転生などをして上手いこと成り立っている世界が多いという事である。

実際は神の頂点に君臨し、全知全能の神として崇められている『ゼウス』とその妻である『ヘラ』との壮絶な夫婦喧嘩よって様々な異世界が誕生した為、その星々を管理する女神の存在が必要となったり、強い魔力や肉体、知識を持っていた異世界人がどの場所でも多い為、早々都合のいい人材を見つけて来る事ができないというのだ。


そもそも女神の頼み事を真っ先に拒否し、2回目の勧誘も断った異世界人は知哉ぐらいしか無いだろう。

普通ならば女神の話を生きてのチートライフを選ぶ異世界人が多い為、知哉の選択は極めて稀だったのだ。


魔界に来たら別に脱いで普段のレオタード姿に戻ってもいいが、意外にあざといところもあるのがバラム様です。

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