表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔物使いの弟子  作者: 天利ミツキ
第一部
5/560

第5話:修行開始

複数投稿2話目です




※一部修正しました(2020/11/28)

 

 翌朝、僕と師匠は宿屋をチェックアウトした。

 そして僕の冒険者の仮登録をするために、冒険者ギルドに向かって行った。


 ギルドに入り、受付で仮登録を済ませる。

 その後僕達は、師匠が借りた一軒家へと向かった―――。




 ◇◇◇◇◇




 町を出て道なりに進み、森の前に建っている一軒家にたどり着いた。

 すると先に来ていたシオンさんが、家の中から出てきて出迎えてくれた。


「お待ちしておりました、ご主人様、アルス君。室内の掃除や家具の調達などは、すでに済んでおります」

「ありがとう、シオン。それと、お疲れ様」

「いえいえ〜、これもメイドの務めですから」


 師匠に労われ、シオンさんは照れたように両手を振った。

 そして、シオンさんは一度咳払いをして、続ける。


「コホン。……では、室内を簡単に説明致しますね」


 そう言った彼女を先頭にして、僕達は家の中に入っていった。




 ◇◇◇◇◇




 説明が一通り終わると、僕と師匠は外に出ていた。


「じゃあ、今日から冒険者になるための修行を始める。まずは、魔法の使い方について……」

「師匠、質問していいですか?」

「いいよ、何でも聞いてくれ」


 師匠のその言葉を受け、僕は挙げていた手を降ろす。

 これは、昨日から感じていたことだけど―――。


「いつになったら魔物使いの修行をするんですか?」

「ああ。魔法について教えた後に、実践形式で教えるよ」

「え?」


 ……なんか今、さらりと言ったけど……。

 実践ということは……戦うのか? 僕が?? 魔物と!?


 驚いている僕に構わず、師匠は説明を続ける。


「昨日の続きだけど、『攻性魔法』には八つの属性があるけど、それとは別に四つの等級がある。『初級』『中級』『上級』『超級』だ。アルスのトシだと、『中級』以上はまだ使えないから、『初級』魔法を教えるね」


 その後、師匠が実演し、それを見て僕が実際にやってみる。

 上手くいかなかった所は師匠が指摘し、その箇所を修正してから再度魔法を発動させる。

 その繰り返しがお昼過ぎまで続いた。




 ◇◇◇◇◇




 お昼休憩を取った後、僕と師匠、あと何故か付いてきたシオンさんの三人で森の中に入っていった。

 先頭を歩く師匠が説明する。


「さて、お待ちかねの魔物使いの修行だけど……。魔物使いというのは読んで字のごとく、魔物を使役するジョブだ。使役する方法は二つある。まず一つ目は、『仮契約』だ」


 とその時、僕達の前に、薄い青色の体をした不定形の魔物ースライムが現れた。

 師匠はそれに手をかざしながら説明を続ける。


「ちょうどいい。『仮契約』というのは、一時的に魔物を使役する方法だ。こういう風に……」


 そう言うと、手の先から魔法陣が現れ、今にもこちらに襲い掛かってきそうだったスライムの体を包み込んだ。

 魔法陣が消えると、スライムの敵意は無くなり、大人しくなっていた。

 師匠がこちらに振り向く。


「これが『仮契約』だ。契約はいつでも、こちら側から解除できる。今のアルスでも出来るからやってみよう。もう一つは『本契約』だが、実物を見せた方がいいな。……シオン」

「はぁ〜い」


 師匠に呼ばれて、シオンさんは側に駆け寄る。

 ここで、僕の頭には新たな疑問が浮かぶ。


 ……シオンさんは獣人族の魔族だったハズ……まさか!?


 僕はある一つの可能性が頭をよぎり、師匠に質問する。


「師匠! 『本契約』って、魔族が相手でも出来るんですか!?」

「……驚いた。カンがいいね、アルス。アルスの言った通り、魔族相手でも『本契約』は出来る。ただし、これは非常に難しいことだ。今のアルスには無理だね」

「そうですか……」


 僕の淡い期待は一転して、落胆へと変わった。

 そんな僕を励ますように師匠は言う。


「まあ、鍛えていればその内出来るようになる。……っと、話が逸れた。『本契約』は魔族相手でも出来る。これは『仮契約』と違い、恒久的に使役する方法だ。契約も契約解除も、両者の合意がなければ出来ない。それと、使役している魔物、魔族は『従魔』と呼ぶ。説明は以上、後は実践あるのみ」


 そう言って師匠は、森の中をさらに突き進む。僕も急いで後を追う。

 師匠に言われた通り『仮契約』の練習をしたが、『仮契約』を交わしたのが十体目を越えたあたりから数えるのを諦めた。


 ……師匠、意外とスパルタなんですね。






ようやく、タイトル回収(?)が出来ました。

作中ポロッと出て来た魔族の説明については、また後程。




評価、ブックマークをしていただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ