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魔物使いの弟子  作者: 天利ミツキ
第一部
39/560

第39話:まだまだ滞在中

前回のあらすじ

アルスの剣を再生するよ!




※一部修正しました(2020/11/30)

 

 僕がダンさんに剣の再生を頼んでから、二週間が経過した。


 僕達は今日は、北地区の復興作業を手伝うのではなく、魔物の討伐にきていた。


 竜人の里にも冒険者ギルドはあり、そこでクエストを受けた。


 今回の討伐対象はアイスゴーレムで、氷でできた大きな身体をしている。

 その巨体から繰り出されるパンチで命を落とす冒険者も、少なからず存在する。

 そのため、このクエストはBランク以上の冒険者しか受けられなかった。


 僕達はその魔物の棲息域まで、徒歩で向かっていた。

 先頭を歩く僕に、ステファニーが質問する。


「ねぇ、アルスくん。魔物使いの能力って何があるんスか?」

「いきなりどうしたの?」

「いやぁ〜……。アタシって、アルスくんの従魔になったッスよね。でも、アルスくんの魔物使いとしての実力を疑う訳じゃないんスけど、どんな能力があるのかなって」

「……そう言えば、あたし達と本契約したり、魔物と仮契約する以外の能力は知らないわね」

「そうですね、わたくし達もあまり知りませんね」


 ヨーコとミラも、疑問を浮かべる。

 それを聞いて、僕は彼女達の疑問に答える。


「魔物使いの能力は、今言っていた魔物や魔族と契約する以外に二つある」


 僕は人差し指を立てる。


「まず一つは、『強制召還』だ。これは、契約中の魔物や魔族を自分の元に召還する能力だ。どれだけ離れていても召還できるけど、相手との距離が離れるほど消費魔力が多くなる」


 僕は続けて中指を立てる。


「もう一つは、『強制停止』だ。これは、もし契約中の魔物とかが暴走した時に使う能力だ」


 僕は更に薬指を立てる。


「この二つに契約を加えた三つの能力が、魔物使いとしての基本的な能力だよ」


 僕の説明を聞き、ヨーコが質問する。


「でも、契約以外の能力は今まで使ってなかったわよね?」

「使う必要がなかったからね」


 そう言っているうちに、アイスゴーレムの棲息域にたどり着いた。

 そこにはすでに、一体のアイスゴーレムがいた。


 僕は今回武器を持っていないので、魔法でみんなを支援する役に徹する。


 僕の従魔達は各々武器を手にし、魔物に立ち向かっていく。


 ヨーコは魔法で傷を付け、そこを刀で切り付けることで確実にダメージを与える。


 ミラは《ブラッディソーン》で相手の移動を制限し、鎌で切り刻む。


 ステファニーは双剣を交互に振り回し、着実にダメージを与え続ける。


 僕は彼女達の動きを把握し、攻撃の手を緩めないように魔法を放つ。


 そして、アイスゴーレムが倒れる直前、ヨーコの後ろの地面が僅かに盛り上がる。

 僕は嫌な予感がして、強制召還を発動させる。


「【来い、ヨーコ】!」


 すると彼女の姿が消え、僕の隣に再び現れる。

 その一瞬後、ヨーコのいた場所からもう一体のアイスゴーレムが出現する。


 僕の隣にいるヨーコが、キョトンとした顔で僕を見る。


「アルス……今のって?」

「強制召還を使った。嫌な予感がしたから」


 僕はそう言って、新たに出現したアイスゴーレムの方を見る。

 ヨーコも自分がいた場所を見た。


「アルス、その……ありがと、助けてくれて」

「どういたしまして」


 ヨーコは照れつつお礼を言う。


 その間に、ミラは沈黙寸前のアイスゴーレムにトドメを刺し、ステファニーは新たなアイスゴーレムに立ち向かっていく。


 僕とヨーコはそれを確認し、戦線に復帰する。


 多少のイレギュラーはあったが、アイスゴーレムの討伐クエストは無事完了した―――。




 ◇◇◇◇◇




 その後も、僕達は復興作業とクエストを交互に行った。


 北地区の復興作業はほぼ完了し、以前の生活を徐々に取り戻していた。


 いくつかのクエストをクリアした後、ギルドの受付嬢に、Aランク昇格の資格を得たことを告げられた。


 Aランクに昇格するには、中央大陸にあるギルド本部で手続きをしなければならず、それに必要なギルドマスターのサインが記された紹介状を受付嬢からもらった。




 そして、僕がダンさんに剣を預けてから、一ヶ月が経過した―――。






次回、ついに(?)アルスの新しい剣がお披露目されます。




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