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異世界で廃人生活。  作者: ベアスト
3/17

ダンジョン2階と3階。

さて、ダンジョン2階は地下となる。

コボルト、スライムに加えてジャイアントバット、コボルトのメスが出現するようになり1階と比べてモンスターの出現数が大幅に増える。


ちなみにこのゲーム、経験値は分配制だ。

レベルアップに関しては少し特殊だが。

6人で組めば経験値も6等分されてしまうので成長が遅くなる。

仲間がいなければ倒せないような凶悪モンスターは当然存在するが、しかし序盤はソロの方が断然効率が良い。

スキルの上昇だって6人いたら上昇の機会も6等分なのだ。

うだうだと誰かに足を引っ張られる前に、さっさと進むに限る。

とはいえ、6人もいれば進行も早くなるだろう。

ステータスに差があまりないのもあって、数の力は大きい。

いくら俺が速攻で進んで来ているといえど、まだまだ油断は出来ない。


また、2階からは通路にもトラップが仕掛けられるようになる。

矢が飛んできたり石が落ちてきたり、トラバサミが仕掛けられている。

毒系のトラップはまだ出現してこないが、1階と比べると厄介なものだ。


更に、1階にあった松明は2階からは中々ない。

全くないわけではないが、間隔が開いて暗めになるのだ。


6人でぞろぞろと歩いていると結構罠に引っかかるだろう。

俺にとってはその罠の足止めは今はありがたい存在と言えるかもしれない。


さて、このゲームの特徴として「帰還魔法がない」「帰還アイテムも殆どない」ということが挙げられる。帰還アイテムはあるにはあるが、レアだ。

中々お目にかかれない。


また、6階の入口には転送機がある。

この転送機を起動させると全プレイヤーが6階からスタート出来るようになる。

更に6階から入口へと帰ることも出来るのだ。


しかし、Lv1の段階では5階のボスには物理攻撃が殆ど通らない。開発としては祝福の日でLvを上げてから挑戦して欲しいのだろうな、などと思ったものだ。

だからこそ攻略法を見つけようと躍起になっていた頃がいまや懐かしい。


俺は灯りがなくても2階を普通に歩いていけた。

そこはもう慣れだ。いちいち松明を購入して持ち歩くのは面倒なのだ。

松明はとにかく目立つ。そして、モンスターにも狙われやすくなる。

この階層を松明をもって歩いたら、それはもう真夏の夜の外灯の如しだ。


しかし松明がなくとも、目をこらせば歩けないこともないのだ。

うっすらと光るコケもあるので、それを頼りに歩けば良い。

モンスターだって、松明なしで歩いているのだ。


罠はわかりにくくなるが、完全にわからないわけではない。

コボルトどもは罠を避けて認識しているのだ。


その特徴を人間が分からないわけがない。

実に上手く出来ていると思う。こうして薄暗い中を進んでいると、「感覚」というスキルも上昇し行動しやすくなるという利点もある。

感覚が上昇すれば、音に敏感になり視界も良くなってくる。

序盤からスキルを上げるのは重要なことなのである。


松明を持っていると戦闘の際には消さないようにと片手が縛られたりし、安定しなくなってしまうというデメリットもある。

光を照らす為の光魔法も存在するが、Lv1の段階ではまだ魔法は唱えられない。


雑魚の数は多いといえど、1階よりも敵とのエンカウントは少なかった。

この階の雑魚と戦っても旨みが少ない。出来る限り急ぎつつも戦闘は回避した。

2階の特殊な宝箱は、まだ取れない。壁の中にあるのだ。


採掘スキルを上げていけば取れるが、まだ道具もなければスキルも上げていない。

この階にもデイリーの宝箱もあるだろうが、わざわざ探るつもりはなかった。

かける時間の割に合わない。


俺は足早に落とし穴のトラップまで到達し、そこから3階へと進んだ。

ダメージは少し受けるがこちらの方が早い。


3階からは、骨系のモンスターが出る。

スケルトンというやつだ。この階からはコボルトとスライムは出現しなくなる。

そしてトラップに毒系が混ざり出し、モンスターの中にレイスというという影のようなものも混ざり出す。アンデッド地帯だ。


レイスは、物理系攻撃ではほとんどダメージを与えることができない。

スライムのようなコアが存在するが、殴っても斬っても濡れた布のような感触がかえってくるだけで物理で倒すには長期戦になってしまう。


そこで必要となってくるのが、魔法と属性武器だ。

とはいえ、俺はまだ属性武器も魔法も持っていない。

レイスは移動速度は遅いので、いま遭遇しても逃げるしか手はない。

祝福の日が来てLv2になれば様々な手段で対応出来るのだが、Lv1ではまだ難しい。

そうしたアンデッド地帯のど真ん中へと招待する為の落とし穴である。

が、ありがたくショートカットとして俺は利用させてもらう。


さて、まずは目的は骨だ。

スケルトンも物理系攻撃には強い。こっちは単純に硬いのだ。

素手で殴ると少し手が痛む感覚があるのが実にリアルだ。


とはいえ、こいつらの知能は低い。

単調さで言えばコボルトよりも単調だ。

持っている武器で真っ直ぐに斬りつけてくるだけ。


おそらく、冒険者がスライムに溶かされて残った骨がモンスター化したもの・・・とかいう設定なのだろう。つけている武器はそれぞれで違う。

短剣をつけている者が多いが、時には弓、時には棍棒、剣を持っていたりする。

鎧をつけていることもある。


その装備や大半の骨は倒されると崩れ去ってしまうのだが、大体は一つの骨を残す。

これがドロップ品だ。

稀に大骨を残すのだが、こいつが生産に使えるのだ。


とはいえ、骨の加工を成功させるには一定の生産スキルが必要だ。

薬系から武器系、防具系、と様々な生産に使える骨だが、難易度は高い。


最初の方では失敗しかしないだろう。

・・・が、失敗で良かった。

俺の目的は、スキル上げだ。

難易度が高いということは、それほどスキルを上げられるということでもある。

骨を習得しては、まずは薬系スキルを上げるために骨を加工するのだ。


薬系で骨の加工は、粉末にすることだ。

粉末にするには、適当に壁の石に押し付けて削って行けばいいだけ。

器具もないので純度も悪く、失敗だらけだが。

この骨の粉末は薬系の調合に必要な素材アイテムなのだ。


さて、この3階。

なんと、固定のデイリートレジャーの中には属性武器が入っている。

これがとにかく美味しい。現状で最も価値があると言えるだろう。

聖なる短剣。

しかも嬉しい光属性の武器である。しかし、この宝箱を取る為にはレイスやスケルトンがうようよ存在するモンスターハウスの中を通らなければならない。


本来なら、Lv2になってからパーティ単位で殲滅し宝箱を入手するのが正道だろう。

実力的には、Lv3くらいでようやくかもしれない。ソロなら4でも装備がないと厳しい。


この為に俺は傷薬を購入したのだ。

俺はモンスターハウスに全力ダッシュで侵入する。

そして、そのままど真ん中を突っ切り宝箱まで一直線に駆けた。

いちいちロックピックで開錠などせず、一気に宝箱を開ける。


この時、宝箱の裏に回り込むように開けて、しがみつくようにしゃがむ。


予想通り、宝箱は爆発した。

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