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名前
「とりあえず、なんて呼べばいい?」
『職人の書』には、私のアバターネーム。
「紫」で登録されているが、
髪の色は紫に、瞳の色は赤にしていた『紫』
は面影もなく、黒髪黒目の『紫苑』になっている。
明里も、『冒険者の書』には『ライト』で
登録していたが、赤い髪にしたらしい姿は、
茶髪になっている。
「うーん・・・べつに私は明里でいいし、
紫苑って呼ぶつもりだけど・・・」
「でも、ゲームシステムだと、みんなアバターネームで呼ぶよ?」
そう聞くと、明里は黙り込んでしまった。
「・・・まあ、アダ名ってことで、
外では『紫』と『ライト』でいいか!」
私がそう提案すると、明里は首を縦にふる。
「じゃあ、よろしく!・・・ライト!」
「こちらこそ・・・紫!」