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転落転生 ~ある日、穴に落っこちた~  作者:  
第一章 「落下、そして異世界へ」
3/7

第三話 「名前」

 前話の投稿から一週間近くも経ってしまいました。申し訳ないです。



 目が覚めた。

 窓の外を見ると、既に日は高く昇っていた。窓の外では昨日は夜だったので気づかなかったが沢山の商人が自らの商品を売ろうと声を張り上げている。

 部屋を出て階段を降りて右にあるドアを開ける。

 中には誰も居なかった。

 当然か、と思う。

 さっき窓の外を見た時には日は天高く昇っていたからな。


 部屋を見回していると、テーブルの上に1枚、紙が置いてある事に気付いた。

 それはメモ用紙であった。

 そこには日本語で


『よく眠っているみたいだったから起こさずに行くことにしたぜ。行くと言っても町の警備の仕事だ。腹が減ったら倉庫の物を勝手に漁れ。お前は魔術の使い方どころか魔力の操作方法も知らないだろうから火を起こせないだろ。よって生で食えるものを食え。

言葉関連の勉強がしたきゃ俺の部屋を探せば多分本が出てくる。俺の部屋はお前の部屋の隣だからそっちも勝手に漁れ。多分本棚に魔術関連の本もあったはずだから、読みたかったら探して読んでろ。

それと昨日も言ったが名前も決めておけ。別にどんな名前でもいい。

俺は夕方には帰るからそれまで本を読んでろ。あと、絶対に外には出るな。会話が出来ないのは怪しまれるからな。

ま、これくらいだ。俺が帰るまで家で良い子にしていてくれよ?』


 と書いてあった。


「やること多くないか?

 でも、言う通りにしといた方がいいよなぁ」


 そんな独り言をぶつぶつと言っているとお腹がなった。なのでメモの通り倉庫を漁ることにした。


 倉庫はすぐに見つかった。家の中を歩き回っていたら『食料庫』と書いてあるドアを見つけたのだ。

 中に入り、いくつか生で食べられる食料を持って再び先ほどの部屋に戻る。

 ちなみに持ってきた食材は、ホウレン草みたいな野菜とパンのようなものと干し肉だ。


 食べながら自分のこれからの名前についても考える。


 どんな名前が良いのだろうか。ありがちな名前は面白く無さそうだ。かといって、あまり奇抜すぎても目立つし、場合によっては転生者だとバレてしまう。うーん。


 いつの間にか持ってきた食べ物は無くなっていた。調理していなかったせいか、あまり美味しいとは言えなかった。


 30分考え続けた結果、ハイスさんと相談することにした。

 自分で自分の名前をつけるってむずかしいんだな。



 そう言えば、言葉の勉強もしないとな。

 勉強とか何年ぶりだよ。あ、生前に資格の勉強したから2~3年ぶりでした。


 部屋を出て、階段を登り、昨日俺が寝た部屋の隣の部屋のドアを開ける。

 その部屋はとてつもなく散らかっていた。

 足の踏み場もない、と言うほどではないが床には本やペンといった物から何だかよく分からないものまで転がっている。

 そして、目的の本棚は部屋の一番奥にあった。


「うっわぁ……」


 誰がどう見ても汚いと言うであろう部屋を、俺は物を踏まないように進む。

 何とか本棚まで辿り着くことが出来た。

 文字だけは読めるので本のタイトルを見て、これかな?、と思ったら手に取って開く。そして違ったら戻すを繰り返していく事25分。

 魔術の本と思われる本は見つかった。だが、言葉関係の本は見つからなかった。


 仕方がないので魔術の本だけ持ってリビングに戻ろうと思い、また物を踏まないように慎重に歩いてドアまで辿り着いた。

 ドアを開けて、階段を降り、リビングに戻って適当な壁際に腰を下ろして本を開く。


『魔術教本』


 異国語で、しかし何故か読むことの出来る文字で、表紙にはそう書いてあった。

 中に書いてあることは、


・魔術について

・発動方法

・基礎級~超級までの詠唱


 の3つだ。

 3つしか書いていないが最後の部分が長いので結構な厚さになっている。

 とりあえず『魔術について』から読み始めた。


★★★



 『魔術について』を読み終えた頃、ハイスさんが帰ってきた。

 ちなみに、魔術を日本語で詠唱しても発動しなかった。


 名前についてハイスさんに相談した所、何でもいいだろ、と笑って返された。

 結局、相談した意味は無かった。


 名前についてまた悩み、ふと顔を上げるとハイスさんの紅く短い髪が目に入った。


「そういえばハイスさん」


「なんだ?」


「その髪って生前からその色なんですか? 紅色って日本じゃ滅多に……いや、まずあり得ないんですが」


「お前、こっちに来てから鏡とか見てねぇだろ。髪色に関してはお前に言われたくねぇぞ」


「え?」


 どういう事だ? 俺は髪なんか染めた覚えなんて無いんだが。

 するとハイスさんが、俺の髪に手を伸ばして


「いっ!!」


 思いっきり髪を引っ張られた。


「ほら」


 と言って引っこ抜いた俺の髪を渡してきた。

 俺が手を出すとその上から金色の(・・・)髪の毛が降ってきた。


「……これ誰の髪の毛ですか?」


「今抜いたんだからお前のに決まってんだろ」


「いやいや、俺日本人ですよ!? 髪は真っ黒だったはずですよ!?」


「自分の髪と目の前の人の髪を見たらどういう自体かは理解できないか?」


「えっと…………こっちの世界に来ると、こっちの世界に合わせた容姿になる……と?」


「ちなみにお前、今5~6才程度の姿になってるぞ」


「えっ!?」


 通りで目線が低いと思ったんだ!


「まさか今まで気付かなかったのか!?」


「うっ……」


「はぁ。

 ま、そう言うことだ。名前も片仮名で問題ないからな」


「うーん…………名前って何でも良いんですよね?」


「ん? あぁ、基本的にはな」


「よし! じゃぁ、今日から俺の名前はグレイブで」


「大分あっさり決めるんだな」


 その後、2人で夕食を食べ、それぞれ寝室に入った。


 さぁ、明日からはグレイブとして頑張ろう。


 はい、こんにちは。更新がメチャクチャ遅い大海の猫です。


 なんか回を重ねる毎に一話の文字量が多くなっている気がしますが気にしないでいただけると嬉しいです。


 名前の意味については気にしないでください。適当につけていますので。


 次回からはようやく、魔術と剣術を出す予定です。


 次はもう少し早く更新出来るように頑張りますので、それまで気長に待っていていただけると幸いです。


 では、何か間違い等があればご指摘をお願いします。

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