『(´・ω・`)』
バードンとも契約すると俺達は彼の案内でシルバーライアンのギルドルームのある『ギルドタワー』に向かう事になった。ギルドタワーとは各ギルドに支給されるギルドルームの在る場所であり、ギルドのランクが高い程上の階層かつ広く、多くの機能が使えるようになる重要な場所だ。
「グレン君、ワシ達のギルドは噂話や不思議な話を始めとしたいわゆる都市伝説を調べようという方針で活動するギルドだ」
アグニスに向かう途中、バードンが話掛けてきた。龍馬(勝手に命名。幕末の偉人ではない)から降りても見上げる必要の在る彼のデカさに驚きながら横目でアプル先輩を見遣るとウインクで返された。間違いない。先輩はDDの調査にはこのギルドで活動するのが調度いいから俺をバードンに紹介したのだ。
リアルは編集長に表面上の出来事しか伝えていない。だから俺達は結局は噂や都市伝説から調べて行かなければいかない。それなら二人(編集長はバックアップに回っている。忙しいし)でチマチマより、このギルドで行動した方が情報だって入り易い。流石、アプル先輩はしっかりしている。
「楽しそうですね。俺、そういうの好きですよ」
「それは良かった。そうだ『蒼天の戦乙女』は知っているかな?」
調査の件抜きでこういう方針のギルドは好きだ。ただレベル上げたりとかレアなアイテムを探すだけより楽しいから。しかし、『蒼天の戦乙女』とは大層な異名だな。ん、そういえば掲示板巡りの時にどっかで見た気がする。確か
「PKKでしたっけ?双剣使いの」
それぐらいしか覚えていないが一応正解らしくバードンは頷いた。アプル先輩はなんか驚いていた。
「正確には『粛正』と称してPKを行う『円卓の騎士団 の一部の過激派のみをPKKするらしい」
「やっぱり私も掲示板見ようかな。これじゃグレン君に教えれる事少なそうだし」
見ろ。是非とも見ろ。これからは仕事なんだから。非公式だけどリアルの偉いさんが編集長に頼んだってあの後言われたじゃん。もうプライベートじゃないのよ。調査しますって格好付けてから言われたんだけどね。何かあってもリアル助けてくれないらしいけど。
という思いを篭めた我が瞳よ、朝音先輩に届け。
「りょーかい(´・ω・`)」
「ど、どうしたアプル君?」
思いは届いた。おめでとう俺。朝音先輩の誤爆で驚いたバードンごめんなさい。






