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絡人繰形店ーー亡霊と鹿肉

好きなのに余り出せなかったキャラ一人目。


ガキィ!!ガガ!!ドッガギギギギィィ!!


凄まじい速度で振るわれる剣と薙刀。

一般人の目には微かな筋が見えるだけで、後はただ激しい金属音が聞こえるのみであろう。


二本の刀、長刀・楼観剣(ろうかんけん)と短剣・白楼剣(はくろうけん)を振るうは冥界、白玉楼の半人半霊。


二代目庭師にして西行寺家の警護役、魂魄・妖夢。


「獄炎剣」


対して薙刀・狼々刀を持って切り返すは仁狼院の猛りし人狼。


仁狼院の門を守護する孤高の門番、瀧透・キサラ


「斬符」


中距離から一気に距離を潰し合い。


「【業風閃影陣】!!」


「【一閃一刀】!!」


ガキィィィィ!!


威力はほぼ互角、衝撃波が辺りに降り積もった雪を吹き飛ばし粉雪が宙を舞う。


「やりおるな、流石は魂魄の血を引く者!!」


「貴女こそその薙刀捌き、並大抵の鍛練では身につかないモノだと思われますが」


妖夢の言葉にキサラは口元を歪めると。


「ふはは!!言うではないか魂魄の、ならば受けて見よ餓狼風雅【仁刀煉獄斬】!!」


先の倍以上の斬撃弾が風の幕を切り裂き妖夢の元へ殺到する。


「っつ!!人神剣【俗諦常往】!!」


ズパッ!!と生み出された剣線が三筋に分かれ。


ギキギガッ!!


全ての斬撃弾が拮抗されいなされた。


……やはり強いな、容易く勝利を拾える戦いとは思っていなかったが……ここまで


今の一撃彼女、キサラの持つスペカの中でも上位クラスのモノだったのだが。


しかし妖夢としても今のはかなり危なかったのだ。


……っく、やはりリーチの差が長過ぎます、どうにかして懐に潜り込まなければ、何としてでも……


……まぁ何にしてもだ


双方再び構え。


「「絶対に勝つ!!」」


またもや粉雪が舞い上げられる。



▲▼▲▼



「おぉ、今のは危なかったな。妖夢の技の出がもう少し遅けりゃ終わってたぞ」


「そうねえ~やっぱりリーチの差がモロに出てるわ、あの子もあれだけの長物を相手にした事はないでしょうし」


白玉楼の縁側にて庭先での戦いを観戦しているのは岬影と、西行寺家現当主である天衣無縫の亡霊こと西行寺・幽々子の二人だ


そう、先程から二人……正確に言うと一人分人間、後は半霊と半狼が斬り合っていたのは白玉楼だったのだ!!……別にだからどうしたということなのだが、問題はその理由である。


「妖夢~頑張ってー」


返事は無い、戦闘中なのだから当たり前だ。


「おい幽々子、妖夢の気を反らす様な事を言ってやるな」


「嫌ねぇ~連、私は別に返事をしたら叱ろうだなんてこれっぽっちも考えてないわよ」


「ホント良い性格してるよなお前」


「よく言われるわ~」


「知ってるよ」


流石は掴みどころが無い、と言う事に関しては紫並に定評のある亡霊である。

かれこれ千百年の付き合いだが今も昔も……いや、もっと昔は冗談を言う事すら無かったか。

まぁ何にせよ掴みどころの無い女性だ。


「勝敗はどうでも良いんだがなぁ俺は」


「私は早く食べたいのだけれど」


「……」


普通、勝つ・負けるの二択に食べるという選択肢はありません。


今回に限っては別であるものの。


彼らが座る縁側付近にドンッと鎮座しているのは巨大な雄鹿。


話を聞くに幽々子の食糧確保の為に狩りに出た妖夢と絡人繰形店に材料持参で鹿料理を作ってやろうと考えたキサラの狩りがバッティングしてしまったらしい。


薙刀の柄と刀の峰打ちを後頭部に喰らい気絶しているがバッチリ生きている。


この勝負で勝った方がこの鹿の所有権を手に入れる、とか。


しかし、この様子からして恐らく勝つのはキサラ。

実力は拮抗している様だが彼女の【近未来を覗く程度の能力】は近接武器の使い手と相性抜群である。


加えて先も幽々子が言っていたが得物のリーチの差もある。岬影の様に結界を張る術を持たない彼女ではキサラには勝てないだろう。


……数秒考え結論。


「幽々子、和風と洋風どっちが良いんだ?」


「今回は洋風にしようかしらね、妖夢は基本的に和風の料理が専門だから」


キサラとの二人きりでの食事なんて耐えられるか!!と言う理由で二人が戦っている間に自分で調理してしまう岬影もアレだが、あの問いに即答する幽々子も大概である。



▲▼▲▼



「んじゃ幽々子頼んだ」


「はいはい~…………舞え」


普段も浮いた声色ではない、これは亡霊の姫君としての死刑宣告だ。


彼女の指先から無数の青白い死蝶が飛び立ち、鹿の周りへと群がる。


ビクンッと体が震え絶命する。


【死を操る程度の能力】


西行寺・幽々子が在る理由の一つにして原点。


岬影が最も嫌いな能力。


だって


だってこんな能力が在るから……彼女は……幽々子は……


「それじゃ~連、後は頼んだわよ~」


「……おう、任せとけ」


そこまで考え、辞める。


今頃悔やむ事などない筈だ、あの時に既に悔やむ時は終わったのだから。



▲▼▲▼



さてそれでは鹿肉の解体法について説明しよう。


⑨でも分かる鹿のか・い・た・い、である。



1、血抜きを済ませたら喉元まで切り裂きます。


ズパッと岬影の手刀が鹿の皮と肉を切り裂く。


2、気管や食道を切断して鎖骨の骨を抜き、内臓一式を腹の外へと放り出します。


ズパッと岬影の手刀が(ry、ゾリゾリと腸を抜き取る。


3、肋骨をカットし直腸や膀胱を肛門側に引き剥がして皮ごと切り離します。


ズパッと岬影(ry


4、後は棒などで開胸させ前脚を角に引っ掛け固定し、肉を解体していきます。


ズパッ(ry


ね?簡単でしょ?


次に鹿肉ステーキの作り方なのだが……そろそろ幽々子の腹の虫が世界を滅ぼしかねないので飛ばす。



▲▼▲▼



「で?どうだ味の方は」


「ほいひーはよ、はふはへんえ」


「飲み込んでから喋ってくれ、行儀が悪いぞ」


アツアツのステーキを頬張った為にプクプクに頬を膨らませた幽々子。


見ている分には微笑ましいがやっぱり行儀が悪い。


「ふぅ~、やっぱり連の料理は美味しいわねぇ~味付けも私好みだったし」


「そりぁあんだけ料理を作ってやってりゃ嫌でも……」


とここまで言い岬影の言葉が止まる。


「どうしたのよ連、急に黙っちゃったりして」


「あー嫌何でもねぇよ、悪いな食事の邪魔して」


「別に邪魔ではないわよぉ~……ただ連らしく無かったから、かしらね」


そう言って彼女は幽雅に微笑む。


かつて岬影が唯一。


この世界で唯一人。


愛していた女性と同じ顔で。


「そいつぁ失礼……まぁお代わりは大量に在るからよ、好きなだけ食ってくれ」


「それじゃ~遠慮無くいくわよぉ~」


そう言った幽々子の箸が鹿肉へと伸びたところで。


「「あーーーーーー!!!!!!」」


二人分の少女の絶叫が響き渡った。


「ちょ!!幽々子様?なぜ既に食べ始めているんですか?!」


「私が鹿肉を求めたからよ」


「真面目な顔して巫山戯るなこの暴食霊がぁぁ!!」


遂に切れたキサラが狼々刀を片手に幽々子へ突貫する。


が岬影はスルー。


……勝てるわきゃねぇだろ


「私の連とのディナータイムが!!狼々刀錆となっ!?」


振り下ろされた薙刀を半歩で躱しキサラの視界を塞ぐ様に扇子を開く幽々子。


そして


「食事の邪魔をする子にはお仕置きしちゃうわよ?」


華霊【バタフライディルージョン】


扇子から噴き出した青色の弾幕がキサラの身体を庭先の西行妖まで吹き飛ばした。















ゆゆ様の専属シェフなら無給でも良いからやりたい、幽霊になってもやりたい。


ああでも映姫様に裁かれるなは成仏しても良いや。



話中にあった鹿の解体法ですがかなりアバウトなんで絶対に見本にしないで下さい。


え?するわけねーだろって?嫌ですがまぁ一応。

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