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絡人繰形店ーー極月と晦日

本当は一昨日、つまり大晦日にあげたいなーと考えてた話です。割と勢いで突っ走ってます。


後今日中にもう一回更新出来るかも?

元日


年の初めの日を指す言葉であり、幻想郷内でも大晦日と合わせて彼方此方で大騒ぎ。


又の名を「博麗の巫女の臨時収入日」とか言ったり言わなかったりする。


まぁそういう訳であり、人里でもこの日ばかりは仕事を休みにする店が点々と見られる、そんな日だ。


もっとも、「道具にお正月はねぇんだ、修理屋が休む訳にはいかねぇだろ」と公言して憚らない岬影はこんな時でも平常運転。


いつものように文々。新聞を読みながらカウンターに居座っている筈だったのだが……


何やらそこにはドス黒いオーラを撒き散らす少女が一人。


黒い長髪のポニーテールが動いている様に見えるのは気のせいである。


「………………レンサマ、カエッテコナイ……アサガエリ?」



はっぴーにゅーいやー



▲▼▲▼



極月/晦日ー戌の刻



一年の終わりを締め括るべく今宵の博麗神社は、異変終了直後かと見間違えんばかりに人で……否、人妖+αで溢れかえっていた。


レミリア・スカーレットを始めとした紅魔館の面々に冥界から西行寺・幽々子ら白玉楼組。


蓬莱山・輝夜と八意・永琳に付き従うウサギを含む迷いの竹林から永遠亭、妖怪の山の面々と共に場の一角を埋める守矢神社の二柱、八坂・神奈子に洩矢 諏訪子達。


人里からやって来た聖・白蓮ら命蓮寺の者達に新しく幻想郷に顔を出した豊聡耳・神子率いる仙界の道場組、名前はまだ決まっていないとか。


他にも目を傾けて見れば。


白黒に人形の魔法使いや騒霊姉妹、氷精とお喋りをしている冬の妖怪、幾人かの小妖怪にそれを見守る様に後ろから追いかける宵闇の妖怪、人里の守護者に竹林の案内人。


そして結界の管理者たる隙間妖怪の一門。


流石に古明地さとり等地霊殿の面々は顔を出していないようだが、そもそも地底の妖怪達の中でここまで来ているのは博麗の巫女の隣で酒を樽ごと煽っている伊吹鬼ぐらいのものである。



まぁこれだけの面子が一同に集まるだけあってどこの席でも喧騒が絶える事は無い。


けれどその中に。


この面子からして120%巻き込まれている筈の修理屋の姿は見当たらなかった。


店員の付喪神は何やら顔を赤くして既に酒に飲まれている。



これはそんな大晦日の出来事だ。



▲▼▲▼



「これで今年も終わりだ終わりだ、パァーットやって終わり良ければすべて良しって事にしようじゃないか」


「そりゃそうだな」


「……二人とも、羽目を外す事が決して悪い事とは言いませんよ?ですが多少なりともあくまで常識の範囲内にしてくれませんと明日からの仕事に響きます」


部屋を彩っているのは"白黒"のツートンカラー、部屋の中央に鎮座するコタツを囲む面子は人形、閻魔、死神と大分おかしな事になっているが、ここはその閻魔様の私室なので無問題である。


「映姫様、明日の仕事の事なんて考えながら飲んだら折角の名酒が勿体無いですよ?わざわざ連之字が気を利かせて持って来てくれんですし」


死神の小野塚・小町はそう言うと閻魔、四季・映姫・ヤマザナドウのぐい呑みへと酒を注ぐ。


「私が言っているのはそう言う事ではなくてですね……おや、確かに良いお酒です少々度数が高い様ですが」


くいっ、と一口で酒を口へ含み率直な感想を述べる映姫、すると酒を用意した本人から返事が帰ってくる。


「分かります?そいつぁ以前地底で鬼から飲み比べで分捕った物なんですが……無論厳正な審判のいる試合デスヨ?」


入手経路を伝えるや否や半眼を向ける映姫に慌てて弁解する岬影、と言っても鬼は酒にとても強いので不正などできる訳も無いのだが。


「(で?実際の話、どうやったんだい?)」


距離を操る程度の能力によって岬影のみに聞こえる様質問する小町。


「(ははっ、簡単な話だ先ず……)」


岬影が得意そうに語り始めたその時。


「"酔い"を感じる部位(パーツ)を分解して戦った……ですか成る程、しかしよりによって私の前で内緒話など千年は早いですよ?」


浄瑠璃の鏡を片手に丸っとお見通しであった閻魔様に苦笑いを浮かべる死刑囚二人であったが。


映姫は右腕の悔悟の棒をソッと下ろすと。


「全く、年末ぐらいは私に説教させないで下さい、今回はこの酒の美味しさに免じて不問としますから」


「あははは、お手数お掛けします」


参ったなこりゃ、と頭を抱える岬影に全くだよ、と小町も苦笑を重ねる。


そんな調子で今年最後の夜も過ぎてゆき。


「今頃、博麗神社の方は大騒ぎだろうな、連華の奴はとっくに潰れてるだろうが」


「気になるのであれば様子を見に行ってはどうですか?」


しみじみ呟く岬影の言葉につい反射的にそう返してしまう映姫。


「嫌ですよ、年末は四季様と小町と三人でこうして鍋を突きながら酒を飲む、そう過ごすのが俺の大晦日なんですから、なぁ?」


「右に同じく。ま、ウチ等三人で向こうに乱入ってのもたまには良いかもしれないねぇ」


確かに、などと言いながら笑い合う二人の姿に映姫としては白黒はっきりさせにくい感情に悩まされていた。


「宴会の席で説教をしても誰も喜びませんからね、私の様な鬼閻魔にはこちらの方が波長が合います」


すると小町と岬影は顔を見合わせ笑みを湛え。


人形が。


「そんな事ありませんよ」


死神が。


「何だかんだいって」


……ほっとけない奴が大切な部下が。


「「映姫様が幻想郷で誰よりも優しい事ぐらい誰よりも知っていますから」」


ああ、今決まった。


「ふ、ありがとうごさいます。


さぁ飲み直しますよ、今日はそんな気分なんです」


この気持ちは間違いなく……白なのだ。



▲▼▲▼



翌日、岬影は何時の間にか自分の上に寝たままでマウントポジションをとっている閻魔様をどう下ろすか、そしてこちらをシタリ顔でニヨニヨしてくる死神の眉間にどんなスペカを撃ち込むか……そんな事を考えていた。




お気付きの方もいらっしゃるでしょうが、キャラの登場回数は作者の好き度に大体比例します。


つまり作者は幽香と映姫様が大好きなんです。

ですがMでは無いのでそこら辺は勘違いしないでくれると助かります。


まぁでもオリキャラとの絡ませ安さとかも影響しますから、あくまで目安ですがね。



▲▼オルトからの緊急報告▼▲



どうもオルトです( ̄▽ ̄)


この度ストーリーのある東方小説が書きたくなり、新しいオリキャラを軸に○○○での波乱万丈にも程がある物語、を書いていけたらなーと思っていますので宜しければどうぞ、初投稿は恐らく2.3のどちらかになるかと思われます。


無論、絡人繰形店の更新の方も続けて行きますので合わせてお楽しみ下さい。


それではオルトでした( ̄▽ ̄)

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