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絡人繰形店ーー就職と能力

幻想入りシリーズ第二話。


因みに次回で一応出番終了、もしかするとレギュラー化するかもしれませんが、そこは皆さんの反応次第と言うことに。

「無理ね」


「ああ、不可能ですね」


「やっぱ、駄目だよなぁ」


「……えっと、ボクにも分かるように説明してくれませんか?」


博麗神社に着き、猫でもないのにコタツで丸くなっていた霊夢を引きづりだし、予想通り顔を出した黒峯に岬影が事情を説明した所、即答であった。


ーーまぁ当たり前、だな。


一人だけ話に着いて来れていない大虎へ霊夢は眠たげな視線を向けると。


「どういう意味かって言うと、アンタを外界、つまり元の場所に戻す訳にはいかないって事よ」


「な、何故なんですか?」


動揺を隠せない大虎に対し、八雲 紫・藍、博麗 霊夢に次いで幻想郷の結界管理に携わる仁狼院の主、黒峯が答える。


「幻想の力、それを有する貴方を外界へ放置してしまえば、結界の歪

の原因と成り得るからです」


「要約すると、能力持ちのお前を外の世界にほっぽらかしにすると、この場所に、幻想郷にとって不都合な事態になるって事だな」


分かり難い黒峯の説明を岬影が補足する。


その言葉を受けた大虎は、両手に持った大きさの異なる小石を持ち上げ。


「そんな事を言われても……僕に出来るのは……」


意識を小石に集中させ、イメージする。


右手の小石と左手の小石、それが存在する"点"を……


ーー入れ替える!!


「……これぐらいの事ですよ」


左右が入れ替わった小石を見つめながら呟く大虎。


「結構便利じゃない、強くなれば移動の手間が省けて楽になるし」


「その能力のおかげで宵闇の奴から逃げ切れた訳だしな」


何とも霊夢らしい発想だ、と思いつつも意見には同意する岬影。


「ああ、[点と点を入れ替える程度の能力]でしたか、いつぞやの月人と類似する箇所が見られますが……まぁ関係は無いでしょう、肝心なのはこの少年の今後について、ですね」


「一度人里に連れてって慧音に会わせたら? 手に職無しで放っておく訳にもいかないでしょ」


「それはそうとして、大虎、お前外の身内に伝えたい事とかあんじゃねぇのか?」


岬影が一応気を使うと、大虎は何処か寂しげに笑い。


「良いんですよ、ボクは孤児ですから。

外の世界にだってボクの心配をする様な人はいませんし」


「へぇ、それなら楽で助かるわ、結界を越えさせると後始末が面倒なのよね」


ーーはぁ、こいつは全く


いや、霊夢が言っているのは事実なのだが。

けれど大虎は一瞬の間を置き。


「それは……迷惑をかけずに済んで良かったです」


どうも物事を客観的に見る霊夢の言葉が身に染みたらしい。

とことん変わった奴だ。


「それじゃ俺は店に帰るが…達者でな」


「色々とありがとうございました岬影さん、いずれ挨拶に伺いますから!!」


「期待しないで待ってるぜ」


と言っても、少しぐらい変わってなければ幻想郷に適応できまい。

そう思いながら、岬影は博麗神社を後にした。



▲▼▲▼



岬影が出て行った博麗神社にて……


通常の外来人でここに永住を決める者は、農作業を手伝ったり、手先の器用な者は、呉服屋で働いたり、何かしらの職を見つけるという話を聞かされた大虎。


「けどボクは体力がある訳でも無いですし、手先もそこまで器用じゃありませんよ?」


「んなもん見りゃ分かるわ」


何故に。


「けど、アンタには能力があるでしょ?それを鍛えて何か自分に出来る事を探せばいい、為せば成るって言うじゃない」


「ああ、博麗の言う通り、なんなら自分から一つ働き口を斡旋しますが?」


「良いんですか?!」


驚く大虎に黒峯は無表情を崩さぬままに。


「ああ、貴方の能力が役に立つ仕事ですし、あちら側も人手不足の様なので」


「黒峯……それって」


黒峯の思惑に気がついたらしい霊夢。


「為せば成る、ですよね?」


「……それもそうね、面白そうだし」


どうやら結論が出たらしい。

黒峯と霊夢が立ち上がり、慌てて大虎も後に続く。


「ああ、では善は急げと言いますし、行きますか枯林(かればやし)


「え、いやボクは紅林で………」


「私もお茶を補充しなくちゃならないし、行くわよ大洞(おおぼら)


「いや、だから大虎です」


紅林 大虎の苦難は続く。







「あ、そう言えば一つ言い忘れてたけど」


「何です、霊夢さん?」


視線をそちらへ傾けた大虎に霊夢は、声色一つ変えずに平喘といつも通りに。


「アンタには、人間を辞めて貰うから」


「はい?」


そう、宣言した。



紅林 大虎の苦難は……やっぱり続く。



大虎君は名前ネタ路線で行きます!!

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