平野さんの午後
ええ、前回放浪中の平野さんとぶつかった人物果たしてどのような展開が待っているのでしょうか・・・
女の子「おじさん!さっきのおじさんだ!」
平野「・・・・・?」
女の子「ほら、おじさんって、さっき私が風船がとれなくて困ってたときにじっと見てたおじさんでしょっ?」
平野「・・・?・・・・・!」
女の子「あのとき、おじさんが来てから急に風船が取れたんだけど、もしかしておじさんのせい?だったら、お礼を言いたいんだけど・・・」
平野「・・・・・。」
女の子「ねぇ、おじさん。ちょっと、お願いしたいことがあるんだけど・・・。」
執事「まったく、またまかれちゃったよ、お嬢様いったいどこいっちゃったんだろう・・・んっ、そう言えばここって・・・」
有限会社 野丸
執事「すいません、ここって頼めば色々やってくれる会社ですよね。ちょっと、お仕事を頼みたいんですが・・・」
培句「今それどころじゃねえんでい!!」
執事「ひっ。」
茄茂泣公園
通行人B「おい、あれ飛んでない?」
通行人C「飛ぶって何が?」
通行人B「いや、あそこの女の子・・・。」
通行人C「馬鹿なこというなよ、お前疲れてるんじゃ・・・。飛んでるね。」
女の子「うわあ、気持ちいいい!おじさん、もっと速くやって!」
平野「・・・・・!!」
女の子「うわああい。おじさん、疲れたんじゃない?もう、おろしていいよ。」
平野「・・・・・。」
女の子「ふぅっ、ありがとうおじさん。本当に魔法使いみたいだね。」
平野「・・・・・。」
女の子「実はね、おじさん。私、こんなに長く外で遊んだの初めてなの。」
平野「・・・・・ッ?」
女の子「あのね、お父さんはお仕事ばっかりだし、お兄ちゃんはよそに遊びにいってばっかりで私にはちっとも構ってくれないの。お手伝いさん達も遊んでくれるんだけど、けがしないようにちょっとしか遊ばせてくれないの・・・」
平野「・・・・・。」
女の子「あっ、そう言えば私の名前言ってなかったね。私の名前はね・・・」
野丸
執事「命ばかりは、命ばかりははお助けを・・・」
培句「いやいや、まさか殺しやしませんよ、ただ私のハイパー節約プロジェクトに協力して頂くだけ・・・」
執事「意味が分からない、意味が分からない。何、この人怖っ。」
佐藤「社長、いったい何騒いでるんですか?」ガチャッ
執事「あっ・・・」
佐藤「んっ・・・?」
執事「あなた、以前お会いしたことが、以前お嬢様を助けて頂いた・・・。」
佐藤「ああっ、犬の!」
培句「えっ、誰?」
佐藤「ほら、前に宝くじを買いに行ったときの・・・。」
培句「あっ、この御方があんなに融資をなさってくださられた・・・大変失礼を致しましたあああ!」
執事「情緒がもう・・・」
培句「おおおい、宇多君、苑自ぃ。大切なお客様だぞおお。お茶をお持ちしろおお。」
佐藤「お茶なら私が・・・。」
培句「やめなさいっ!」
佐藤「はい・・・?」
応接間
宇多「おい、なんだか凄く羽振りのいいところのお客らしいぞ。(小声)」
執事「見つかりさえすれば、お金はいくらでも・・・。」
苑自「本当ですね、この件を収めれば、節約令も解けるんじゃ・・・。(小声)」
宇多「ああ。(小声)」
佐藤「ええと、まずあの子の名前なんですけど・・・。」
執事「ミント。金子ミントです。」
公園
ミント「来て欲しいってのは、ここなんだけど・・・」
???「ああ、君、君。」
平野「・・・・・?」
警官「この辺りで誘拐事件が起こったんだが、君この人はお父さんでいいのかな?」
ミント「いや、お父さんじゃないよ。」
警官「何、違う。そうか、一応お話を聞くから君は車の中で待っててくれないかな。」
ミント「うん。」
バタン
ブロオオオ
平野「・・・・・?」(ケテ・・・タスケテ・・・)
平野「・・・・・!」
車内
誘拐犯A「おい、おとなしくなったか?」
誘拐犯B「なったよ、高い金出してちゃんとした睡眠薬買っただけあったよ。」
誘拐犯A「しかし、お前の警官のマネ傑作だったな。あんな特技があったのか。」
誘拐犯B「それはいいけど、兄貴。この子で本当に大丈夫なの?」
誘拐犯A「お前ねぇ、俺は置き引きから誘拐犯になったという異例の経歴の持ち主だよ。その経験が信用できないっていうの?」
誘拐犯B「まあ、誘拐の初仕事が凶暴な社長っていう経歴はなかなか無いわな。」
誘拐犯A「それをいうな、今でも思い出すと怖いんだから。」
ゴオオオッ
誘拐犯B「なあ、兄貴なんだか変な音が・・・うわあああ。」
誘拐犯A「どうした?」
誘拐犯B「さっき、こいつといた男が追いかけてきたああ。」
そのころ野丸
苑自「じゃあ、その子が身につけていた物は何かありませんか?」
執事「と、申しますと?」
苑自「見てください、この『持ち主自動見つけ機』私の発明の中で珍しく正確に動くんですよ。」
執事「珍しく・・・(心の声)」
苑自「じゃあ、何か持ち物を・・・」
執事「そういえば、さっきハンカチを貸してくれたままでした。」
苑自「ちょっと、貸してください。よしっ。」
ピコン ピコン
苑自「さあさあ、動きました。じゃあ、部長、佐藤さん行きましょう。」
続く
ええ、今回も無事書き終わりました。
感想お願いします、相変わらず作者が寂しがるので・・・