大切なものを盗まれない様に金庫を買うと、逆に狙われる。
前回入院した野丸の連中は、ようやく会社に戻ってきた。
培句「ようやく、戻ってきたな。」
苑自「本当ですよ、あんまり長く入院してたらこんな会社つぶれますよ。」
佐藤「そういえば、皆さんどうして入院してたんですか?突然病院に運ばれちゃったんでよく分からなかったんですけど、お茶でも飲みながら聞かせてください。」
宇多「いや、今日はお茶はやめておこう。」
佐藤「そうですか、じゃあポットの中に入ってるんで、のどが渇いたら飲んでください。」
培句「それもともかく、うちの会社もだいぶ利益も上がってきたし、苑自主任の開発資料なども、たくさん会社においてあるだろ、当分の間、入院生活を送ってた連中も健康のために、残業はできないし、佐藤さんも残れない日もあるだろう。つまり、夜中に会社に残れない日も多くなると物騒だからいい機会だし、警備員を雇おうと思う。」
宇多「警備員って、そんな人雇うお金あるんですか?」
培句「うむ、格安のところが見つかってね、実はもう契約している。」
宇多「どんな人ですか?」
培句「ここに写真があるぞ、名前は『小森 谷古宇さんという人だ。』」
皆「どれどれ・・・」
宇多「あの、この人、気のせいか映画とかで見た夜中に血をすいに来るヨーロッパのモンスターに似てるんですけど・・・」
培句「そうだよ、おっしゃるとおりだよ。」
宇多「あの、この人雇って大丈夫ですか?」
培句「いや、何年か前になんかそういうのが専門の人たちと条約を結んで、今は働いて病院から輸血パックを買ってそれを飲んで生きているらしいよ。」
苑自「時代は変わりましたね。」
培句「昼間は、今使ってない掃除用具入れの中で寝てて、夜になると出てきて警備をしてくれるらしいから、よろしく頼むよ。」
苑自「じゃあ、夜中だけ社内の鍵のシステムを変えておきますね、このままだと見回りしにくい部分もあるでしょうし。」
培句「ああ、よろしく頼む。」
その日、深夜
スティッド「アニキ、こんな会社狙ってもあんまり儲からないんじゃないか?」
マック「お前は、バカかよく考えろ、こういう儲かってなさそうな会社が意外と金をためてるんだ。実際、ここでは警備員を雇ったらしい、意外と儲かってるってことだ。」
スティッド「なるほど。」
マック「分かったら、はやく開けろボンクラ」
スティッド「OK、よし、意外と簡単に開いた。」
マック「おい、音に気をつけろよ、警備員がいるんだから。」
スティッド「アニキ、まずどこから行く?」
マック「やっぱり、社長室だろ、なんやかんやであそこが一番金がある。」
スティッド「ここが社長室のようだぜ、おお、ラッキー鍵が開いてる。」
マック「なんだ、金庫とかは無いな、まあともかくきたんだなんか金目のものはないか?」
スティッド「なんか、暗くてよくわからないけど、なんか落ちてたぜ。」
マック「ちょっと待て、今携帯の明かりで・・・おい、これクレジットカードだ。見た目は新しいからまだ、使われてなさそうだ。こいつは、儲けた。」
スティッド「じゃあ、早くずらかろうぜ。」
マック「ああ、そうだな。」
ガチャッ バタンッ
マック「おい、なんか足音がしねえか?」
スティッド「もしかして、さっき言ってた警備員じゃねえか?」
マック「しまった、隠れるところが無い、うわ、あれ映画とかで見た夜中に血をすいに来るヨーロッパのモンスターじゃねえか?」
スティッド「アニキ、早く逃げよう、追いかけてきた。」
マック「ああ。」
小森「アッコラ、マチナサイ。」
ズデンッ
マック「おい、あいつ自分のマント踏んで転んだぞ。この隙に逃げろ。よし、玄関に着いた早く開けろ。」
スティッド「待ってくれ、入ったときは簡単に開いたのに今度はぜんぜん開かない・・・」
マック「おい、またきたぞ、逃げろアッまた転んだ。」
スティッド「アニキ、とりあえずこの部屋に隠れよう。」
マック「この部屋は、給湯室か?ちょうど、走ってのどが渇いたからお茶をもらおう。ご親切にもうポットに入ってる。」
スティッド「アニキ、おれにもくれ。」
ゴクンッ
スティッド「うえ、なんだこの味。(小声)」
マック「バカ、むせるなよ、音でばれるだろ、湯飲みも落とすなよ、形跡が残らないように全部飲めよ。(小声)」
スティッド「こんな部屋にいつまでもいてられない、違う部屋に行こう。(小声)」
マック「隣は開発室か?ここにも研究資料かなんかあるだろう。とりあえず、ここに場所を変えよう。」
ガチャッ バタンッ
マック「おい、なんだか、いろいろあるけど、使い物になりそうに無いな。とりあえず、早く脱出しよう。」
スティッド「ちょっと待ってくれ、今回もまた・・さっきの玄関の鍵といい、ここの科学者はよっぽどたちが悪いな。」
マック「(のぞき窓をのぞき)おい、さっきの警備員がきたぞ。」
スティッド「でも、あと20秒で勝手に開いちまうぜ。」
マック「おい、今開いたら完全にばれるじゃねーか。」
スティッド「ここの、科学者は本当にたちが悪いな。」
ガチャッ
マック「おい、気づかれたぞ、ドアを押さえろ。ああ、もうだめだ。」
午前6時
小森「アア、モウアサダ、アサハニガテネ。」
マック「あれ、なんだか勝手に戻っていっていったぞ。」
スティッド「とりあえず、逃げようぜ。」
マック「ちゃんと、元通りにドアを閉めろよ。ところで、さっきのお茶の口直しに、喫茶店でも行かないか?美味いコーヒーの店を知ってるんだ。」
スティッド「でも、アニキ俺、今、財布持ってないぜ」
マック「俺も持ってないよ。でも、さっき、盗んだカードがあったろ、早くしないと、持ち主にばれて使えなくなっちまうぞ。」
マック「なるほど、ああ、朝日が目にしみるな。」
翌日
培句「よし、昨晩も何事も無かったようだな。」
苑自「あの、培句社長。」
培句「どうした?」
苑自「もしかして、社長室にカードとか落ちてませんでしたか?」
培句「なんだ?クレジットカードなくしたのか?」
苑自「いえ、おもちゃなんですけどね、おととい、買ったのが見つからなくて、家にも無いんですよ。今はおもちゃも精巧だから、ぱっと見には気づかないんですけど。」
培句「もしかしたら、昨日部屋を掃除したときに捨ててしまったかもしれないが・・・そんなものなんに使うんだ?」
苑自「いえね、例えば道端で偽者のカードを落とすでしょ、そしたらどっかのバカが何も知らずに使うけど、おもちゃだから使えなくて、ものすごく困るっていういたずらを考えたんですけど、まあいいです、そう高いものでもないし、またどっかで買います。」
培句「なんだよ、お前もいつまでもそんないたずらばっかりしてないで、もうちょっと役に立つことをしろよ、ほら今日の新聞のこの記事を見ろよ、こんな人みたいに、勇敢に悪人に立ち向かっていけるような人に・・・」
培句社長の見せた記事にはこう書いてあった、「喫茶店で二杯分のコーヒー代を払うためにおもちゃのクレジットカードをつかった二人組みの男を捕まえるため、逃げた犯人を追って、勇敢に立ち向かった喫茶店の店員が表彰された。」
ええ、無事書き終わりました。
このごろ、新キャラがたくさん出てきて全員に均等に愛情をふれるか心配になります。
感想おねがいします、相変わらず作者が寂しがるので・・・