宝くじ大作戦
庶民に夢を与える宝くじ。しかし、なかなか当たらないのが現実です。あれは、一等を当てることより、300円で夢を買ったと思ったほうがいくらかいいんじゃないでしょうか・・・
培句「今年は何枚だ?」
佐藤「百枚です。」
宇多「今年はどうします?バラですか、連番ですか?」
培句「どうしよっかなああ、会社の命運がかかってるからなあ。」
宇多「会社の命運が宝くじにかかってるって、どうしたらそうなるんですか?」
培句「それを言うなよ・・・。苑自、前頼んだ宝くじを確実に当てる機会はどうなった?」
苑自「無理でした。」
培句「無理でしたって・・・あの、苦しい中から予算を出したのに?」
苑自「いや、最善を尽くしましたよ。尽くしましたけど、よく考えたらそんなもの作れたら働きに来ませんよ。」
培句「・・・ごもっともです。」
宇多「なんで、この苦しいときに予算を作り出す能力があって、現在このような苦しい状況になってるんでしょう・・・。」
培句「かねがね、申し訳ないのに加えて、もしかしたら、やればできる奴っていう可能性が出てきたので、複雑な心境でございます。」
佐藤「・・・。はい、それでは今回の宝くじ大作戦についてご説明させて頂きたいと思います。今回の予算は百枚分で、必要な金額は三等以上で得られるということになっております。」
宇多「三等か・・・。結構厳しいな・・・。何か対策は?」
苑自「ええ、調査の結果、百パーセントとはいきませんが、当たりやすい番号のパターンを分析、こちらにデータがあります。」
宇多「なるほどねぇ・・・。結構候補があるねぇ。百枚じゃ買い切れないなあ・・・。」
苑自「また、予算で買った風水の本で調べた結果・・・」
宇多「なんで科学者が風水に頼ってるんだよ、科学使えよ。」
苑自「まあ、言いっこなしですよ。こういう格好をしてもらいます。」
佐藤「・・・。何ですか、これ?」
苑自「お気持ちは分かります。じゃあ、社長お願いします。」
培句「ええっ、なんで私?」
苑自「私はこういう準備をしましたし、佐藤さんは強運からの買いに行く係、部長は借金取りの処置をしてましたが、社長は何もしてないじゃないですか。」
培句「平野さんも何もしてないじゃん。」
苑自「平野さんは・・・ねえっ。」
宇多「うん。」
佐藤「ええ。」
培句「何か経営者の知らない裏事情があるのかよ・・・」
苑自「はい、じゃあみんな社長を押さえてください。部長はそこで、平野さんはそこ・・・」
培句「ちょっ、待てっ。ちょっ。」
10分後
宇多「社長が大分静かになったので、会議を再開したいと思います。」
苑自「会議も何もこのリストの中から選ぶしかないですけどね。でも、こっからが絞れないんだよなあぁ。」
宇多「うーん、もうしょうがないから、佐藤さんに任せるから買ってきてくれる?」
佐藤「えっ、いいんですか?責任取れませんよ。」
苑自「いいですよ、別にここで当たったところでせいぜい、ここは寿命が半年延びれば奇跡みたいなもんなんですから。」
佐藤「よし、じゃあ行くか。ええっと、ここから一番近い売り場は・・・」
宇多「なあ、本当にひとりで行かせて大丈夫だったのかなあ。」
苑自「大丈夫でしょう。いい大人なんだし。」
宇多「そうなんだけどさあ、ほら、佐藤さんて変なところで抜けてるところあるじゃん。」
苑自「そうですか?」頭取「失礼するぞ。」
宇多「あっ、頭取。何かご用ですか?」
頭取「何かご用じゃないよ、今日までに返すあてができるって言うから来たんだぞ。後、お宅の社長は何があったんだ?」宇多「ああ、それなんですけどちょっと待ってもらえます?今、買いに行ってるんで。」
頭取「な、なんだあ?どうでもいいけど、暑くて喉渇いちまったよ。これ、一杯もらうぞ。」
宇多「駄目、それ飲んじゃ!あっ、遅かった。脈はあるか?なら良かった。・・・まあ、どっか抜けてないとこのお茶は作れんわな。」
苑自「ごもっともです。」
佐藤「あれっ?苑自さんからもらったリストは・・・?あったあった。」
ビューッ
佐藤「きゃっ、すごい風。あれっ、リストは?」
苑自「んーっ、そんなに心配なら、こいつを使います?」
宇多「何それ?」
苑自「『偵察用飛行カメラ』です。これに佐藤さんの後をつけさせましょう。」
宇多「そのほうがいいかもな。じゃあ、頼むわ。」
苑自「では、透明スイッチを入れて・・・それいけ!」
はい、次回に続きます。
大分、涼しくなったので風邪などに気をつけてください。