親は子に似て、子は親に似ず
親子ってぇのは似る物だと申しますが、なんだか主な部分はあまり似ないようですね、なんだか細かいところでちょこちょこ似ているようですが・・・。
金子「まったくうちの息子にも困ったものですよ・・・。」
培句「そんなにひどいんですか?」
金子「ええ、うちの金は持ち出すは、ちょいと外に出れば3、4日は帰ってこないというとんだ道楽息子ですよ。」
培句「そうですか。しかし、それだとお宅の跡取りはどうなさるんですか?」
金子「そうなんだよ、私もひとり息子に継がせてやりたいんですが・・・。隣の芝は青く見えるってことを言いますが、それを差し引いても周りの息子さんの方がよく見えるんですよ。」
苑自「はっはっは、お話は伺いましたよ。金子さん。」
培句「苑自?どこにいるんだ?」
苑自「とうっ!」
培句「ああ、びっくりした。いきなり床下から飛び出すんじゃないよ。何してたんだ?」
苑自「立ち聞きです。」
培句「駄目じゃないか立ち聞きなんかしたら。」
苑自「まあ、立ち聞きとおっしゃいますけど、実際は床下にいた訳ですから寝聞きになるんでしょうかね、いや、這い聞き?いや、やっぱり立ち聞きで・・・?」
培句「どうでもいいんだよ、そんなこと。」
金子「で、苑自さん。『お話は伺いましたよ。』って言って出てきたところをみると何かいい策があるんですか?」
苑自「さすが話の分かる方は違いますね。これを使えばいいのです。」
金子「何ですこれ?」
苑自「『爪の垢の煎じ薬』です。これを似せたい人の爪の垢と一緒に煎じるて飲ませると、爪垢の持ち主の性格の一部が移せるんです。」
培句「人の爪の垢飲むの・・・?おえっ・・・」
苑自「ところで、代金ですがざっとこんなもんで・・・。」
金子「ふーん、やっぱりそれなりにするねぇ…その爪垢まで取って来てくれるとこまでやったらこれぐらい払ってもいいんだけどなぁ…」
苑自「誰か心当たりがあるんですか?」
金子「ああ、息子と同じ学校にいるので丁度いいのが・・・。後で写真を見せるよ。」
次回に続きます。
この頃、時間が経つのがだんだん早くなるように感じます・・・