味というのは、十人十色
舞台はおなじみ会議室。
マドギワ族の連中も含め、皆が深刻な表情で席に着いた。
培句「皆さん、そろいましたか?これからとても、重要な会議を始めます。これは、命にかかわる問題なので、即急に解決する必要があります。」
宇多・苑自「ええ。」
培句「皆さんもご存知のとおり、今も含め給湯室にはほぼ、お茶組担当の佐藤さんがいます。」
宇多。苑自「ええ。」
培句「これまた、皆さんご存知のとおり、彼女の入れるお茶はとても不味いです。これを、どうにかして、改良しようという話し合いをこれから始めたいと思います。」
宇多「確かにお茶に限らずコーヒーも不味いですけれどね。」
苑自「本当ですよ、この前研究室でよく考えずに飲んだら、なんかの薬液と間違えたかと思いましたよ。」
宇多「かと言って、飲まないで水分が蒸発したら、ものすごい異臭が発生するんですよ。でも、湯飲みの中を見ても、お茶っ葉しか入ってないんですよ」
培句「苑自主任、あのお茶をどうにかしておいしく飲める方法、たとえば薬とかはできないかね?」
苑自「前、分析してみたら確かに飲んでも害はないし、お茶っ葉も普通のものなんですよ。でも、どんな薬品でもあの味は消せませんね、もう舌の神経を麻痺させるぐらいしか方法が無いですね。」
宇多「以前、はっきり言ってみたらおそらく何かを変えたらしく、味は違ったんですけどさらにひどくなったことも、ありましたしね。」
培句「しかも、自分で絶対飲まないのに、大量に作るんだよ。」
苑自「もう、最終手段としたらあの味を好きになる以外ないですね。」
培句「どうしたものかね。」
ガチャッ
佐藤「会議お疲れ様でーす。お茶でもどうぞ。」
ガチャッ バタンッ
培句「行ったか?」
宇多「行きました、うわさをすれば影って本当ですね。さてどうしますか?」
培句「苑自主任、さっき味を好きになる必要があるって行ったろ?おさきにどうぞ。」
苑自「冗談じゃありませんよ。宇田部長から飲んでくださいよ。」
培句「じゃあ、こうしよう、じゃんけんで負けたやつが、このお茶を全部飲もう。」
じゃんけんの結果 培句パー 宇多パー 苑自パー 平野パー マドギワAパー マドギワBグー
マドギワB「・・・・・」
ゴクンッ・・・・バタッ
皆「マドギワB-----」
培句「おい早く、救急車を」
宇多「でも、今月の鍵当番がマドギワBだからこいつしか会議室のキーロックの暗証番号わかりませんよ。この部屋には電話が無いし・・・。そうだ、誰か携帯電話は?」
苑自「私が携帯を持ってます、あっ充電が無い。」
培句「早く充電しろ、命にかかわる」
苑自「待ってください、これこのごろ接触が悪くて。」
宇多「しまった、ここは密室だ、このままだと水分が蒸発して、例の異臭が・・・」
1時間後、会議室にいたメンバーは病院に運ばれた。
これは、落語の「茶の湯」という話をモチーフにかきました。(知ってる人いるかな?)感想お願いします。作者が寂しがるので・・・