茄茂泣ラブストーリー
3月です、春です。茄茂泣町にも春が来ました。
プルルルル ガチャッ培句「もしもし、ああ鎗栗か。どうした?うん、えっ?」
10分後
培句「と、いうわけで。」
苑自「なるほど、じゃあ、前に佐藤さんとお見合いした、鎗栗さんのデパートで働いている、あの佐藤茶を飲んで微動だにしなかった奇跡の人がまた佐藤さんに会いたがっていると。」
宇多「でも、あの時に佐藤さんはお断りしてたんじゃないですか?」
培句「でもね、相手側がもう、えらく気に入っちゃってもう1度でいいから、会わせてくれって。」
宇多「だったら、佐藤さんに直接言えばいいじゃないですか。なんで私達のところに来るんです?」
培句「いや、でもさ。1度断ったっていうのを、また蒸し返すっていうのも、なんだしさ。なかなか、言い辛くてね。」
宇多「だったら、相手側に訳言って断ればいいじゃないですか。」
培句「でも、こんな小さな会社だよ。社長と言えば親も同然社員と言えば子も同然だよ。」
苑自「いやですよ。こんな親。」
培句「佐藤さんは、まあ器量もなかなかだし、仕事も出来るし、気も効くよ。でも、そのあまりあるものを打ち消す佐藤茶があるんだよ。」
宇多「でも、完璧すぎるのも息が詰まるから、1つぐらい欠点があった方がいいって人もいますよ。」
培句「あれは、もうそんなレベルじゃないだろ。でも、あの人はそこを完全にカバーした唯一無二の人かもしれないだろ。さっきも言った通り娘同然の人が1生独身っていうのも不憫だから、どうにかしたいんだよ。」
宇多「そうですよね、本人は結婚したがってますもんね。」
苑自「で、なんで私達にそれを言うんですか?」
培句「いや、何かいい知恵を貸してくれないかと思ってさ。ほら、三人寄れば文殊の知恵っていうし。」
苑自「うちの会社の場合、文殊っていうよりもんじゃですよね、その心は上に行けばいくほどグチャグチャです。」
培句「上って私達の事か?」
苑自「まあ、そういうことになりますね。」
培句「そんな事どうでもいいから、なんか考えろよ。」
宇多「惚れ薬とか、作れないの?苑自君。」
苑自「作ってもいいですけど、これは依頼ですからまあ、仕事ですよね。」
培句「まあな。」
苑自「じゃあ、会社から経費が出るんですよね。」
培句「まあ、しょうがないな。」
苑自「じゃあ、ざっと・・・こんなところになります。」
培句「・・・・・ほかの手を考えよう。」
宇多「新しいものが作れないなら、今あるものでどうにかするしかないですね。」
苑自「何でいつの間にか、全面的に私に頼む様になってるんですか?」
培句「とりあえず、研究室の中を探ってみよう。」
研究室
苑自「どうぞ。」
培句「この中から、使えそうなものを探すのか。」
宇多「これ、なんか見覚えあるな。」
苑自「その薬、あれですよ。嘘がつけなくなる薬です。7年前に作った。」
培句「なつかしいな。これが確か、感電する雪を降らす機械で、こっちがつけたら浮き上がるベルトだ。」
宇多「なんだこれ?」
苑自「これは、あれですね。『強力電磁石』ですね。」
宇多「これは使えそうにないな。」
培句「ちょっと待ってくれ、電話がかかってきた。もしもし、えっ、うん。まあ、いいけど。」
宇多「どうしたんですか?」
培句「いや、鎗栗が相談するために、来るって言ってるんだよ。」
苑自「そうですか、じゃあ私達はこれ片付けてますんで。」
宇多「じゃあ、私も運ぶの手伝うよ。」
10分後
鎗栗「兄さーん。」
培句「ああ、来たか。」
苑自「部長、これ運ぶの手伝ってください。」
宇多「それ、雪降らすやつか?」
苑自「ええ、これ以外と重いんですよ。」
宇多「どれどれ、ヨイショ…結構重いな。」
苑自「車輪が動くと楽なんですけどね。」
宇多「一回おろすか。」
ドンッ
苑自「ちょっと、強く置きすぎですよ。」
ウィィーン
宇多「あれ?なんかこれ動いてない?」
苑自「さっきので、スイッチが入ったみたいです。」
宇多「確か、これ空気中の水分で雪だるまを作るんだよな。」
苑自「ええ。」
宇多「なんか、天井の方で固まりだしてるんだけど。」
苑自「もうすぐで、雷と同じで落ちてきますよ。」
ドンッ ビリビリ
宇多・苑自「ぎゃああ。」
その時、室内に雷が落ちた事で『強力電磁石』のスイッチが入った。
その頃 応接間
培句「えーと、あなたが内木{うちき}さんですか?どうも、あの時はろくに挨拶も出来ずに大変失礼しました。今、名刺を・・・(心の声)あっ、これさっきの薬だ。いいや、この皿の中にあけちゃえすいません、今、名刺をきらしてました。」
この頃、『強力電磁石』の効果で苑自主任の研究室に鉄の塊が迫っていた。
佐藤「お茶をどうぞ。」
鎗栗「わざわざ、すいません。
(心の声)これが、噂の・・・」
培句「(心の声)なんか、変な音がするな。
ちょっと、失礼。」
ゴオォォ
培句「うわあああ。」
ドンッ
培句「うーん…」
佐藤「社長、遅いですね。」
鑓栗「本当にね。」
ゴクッ
鎗栗「(心の声)しまった、何の気なしに飲んじゃった。ああ、体が焼けるうう。」
うわああああ」
佐藤「鎗栗さん?どうしょう、外に飛び出しちゃった。」
内木「・・・。」
佐藤「(心の声)ああ、2人にされちゃった。なんか、ないかな?あっ、お皿の上になんかある。
あの、よかったらこれ召し上がってください。」
パクッ
内木「ペラペラペラペラ」
佐藤「えっ、いやこちらこそ、お願いします。」
めでたしめでたし
ええ、今回も無事書き終わりました。
感想お願いします、相変わらず作者が寂しがるので・・・