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苑自主任の地獄旅行

毎度お騒がせの苑自主任今回は少し、ただ事ではない事が起こったようで・・・

通行人A「おい、あんた大丈夫か?おい、誰か来てくれこの人頭打ったぞ。救急車を呼んでくれ。」

5分後

茄茂泣病院

通行人A「松倉先生、あの人どうなりました?」

松倉「まあ、軽く血止めをして、ちょこちょこっとやれば大丈夫でしょう。」

通行人A「大丈夫でしょうって、あの人かなり強く打ってましたけど、そんないい加減でいいんですか?」

松倉「あなたは、この町に越してきたばかりで知らないでしょうけど、あの人はこの辺ではかなり有名な苑自さんって人なんですよ。こんな事で死ぬ人じゃない。」


???「おい。起きろ」

苑自「あんた誰だよ?」

死神「わしは死神だ。単刀直入に言う、お前さんは死んだぞ。」

苑自「死んだ?そんなはずないんだがな。ああ、さっき転んだ時頭でも打ったか。はいはい、そういう事ね…」

死神「ほら、長年付き合った体との別れだ。一言なんかいってけ。」

苑自「そうですか、じゃあ長い間お世話になりました。これからもよろしくお願いします。」

死神「『これからもよろしく』ってもうあの世にいったら縁がないんだよ。」

苑自「死神さん、あんたもしかして新人かい?その着てるやつ、名前なんていうか分からないけど、随分新しいよ。」

死神「そうだよ、だから早くもどらねえと怒られちまうんだよ。」

苑自「死神さん、あそこのあれなんだろうね?」

死神「えっ?」

ガンッ よい子はまねしないでね

死神「うっ。」

苑自「こういうとき、いつも持ってるスパナが役に立つ。さてとじゃあ、この着物を借りますよ。動けないように、茄茂泣寺のお札をはって、なんかお経とか書いておけばまあ、どれかひとつぐらい聞くだろう。」

15分後 地獄

先輩死神「おい、新人何やってたんだ?」

苑自「すいません、途中でターゲットが生き返っちゃって。」

先輩死神「そうか、じゃあデータをちゃんと処理しておけよ。」

苑自「はい、じゃあ、あのパソコンを使わせてもらいますよ。

よくも、殺しやがったな。仕返しだ。(心の声)」

20分後

死神B「先輩、大変です。」

先輩死神「どうした?」

死神B「何者かが、システム内にウイルスを流し込みました。」

先輩死神「なんだって、すぐに全死神を集めろ。お前らは、本部に連絡だ。」


苑自「ずいぶん、あわただしいですけど、どうかしましたか?」

死神C「なんか、システムにウイルスが入ったらしいぜ。」

苑自「おや、意外と早くバレたな。じゃあ、あっちもやっておくか。(心の声)」

死神C「まったく、物騒だよな。本当に、ブツブツ」

苑自「じゃあ、あっちも済ませておくか。(心の声)

先輩、私ちょっと行ってきます。」

死神C「おい、ちょっと待てよ。あれ、あいつ同僚だよな?」


先輩死神「最後にアクセスしたのは、あの新人か。おい、あいつはどこだ。」

死神C「さっき、出かけました。」

死神B「先輩、身ぐるみをはがされた新人が見つかりました。」

新人死神「さっき、つれてこようとした亡者にやられました・・・ガクッ」

先輩死神「おい、新人。おい。さっき、お前らが会った偽者を、早く見つけ出せ。なにをしでかすか分からないぞ。」

1時間後 三途川

死神C「いたぞーーー。」

苑自「おや、見つかったか。じゃあ、おとなしくつかまりましょう。」



先輩死神「閻魔様、このリストが今日の分の亡者です。」

閻魔「どれどれ…んっ?なお、この茄茂泣町地区のリスト間違ってないか?」

先輩死神「いえ、本日確実に三途川渡りを確認しました。」

閻魔「もしかして、こいつもか?」

先輩死神「あっ、申し訳ございません。報告を忘れておりました。実はこの亡者が地獄データシステムにウイルスを入れまして、ただ今復旧作業を急いでおります。しかし、復旧が間に合わない場合もしかしたら、本当は死んでいるが、戸籍上だけ生きているというケースが出る恐れがあります。奴は牢に入れておきました。」

閻魔「何、もう何かやらかしたのか?おい、ちゃんとチェックしなかったのか?あいつは地獄ブラックリスト登録者だぞ。」

先輩死神「はい、前科も無かったので、チェックしていません。」

閻魔「えらいことになったぞ。いいか、よく見ろよ。あいつ生前の行いリストだ。」

先輩死神「えーと、学生時代は天才的な成績を収めたが、天才的な彼を平等制を推し進めていた教育会は好んでおらず、その事に不満を持った事で悪戯に対し、恐るべきほどの才能を発揮する。挙げ句の果てには、才能を見込まれて対立国から同時に最新兵器の開発を依頼され、同時に働いていたが、両国の軍事工場を吹き飛ばした過去がある。(事故か故意かは不明)・・・」

閻魔「分かったか?」

先輩死神「いや、でもこれぐらいならほかにもいますよ。」

閻魔「確かに、生前これぐらいやったのなら沢山いるよ。あいつは、地獄でもおなじようなことやったんだよ。3年前に」

先輩死神「と、おっしゃいますと?」

閻魔「今度、近代地獄史の教科書にも載るが、隣で捕まってた、凶悪亡者の檻の鍵を開けて、暴動を起こし、三途川に佐藤茶とかいう廃液を流し込みかけたから強制送還したんだ。本当にあの時は地獄で『地獄のようだ』って言っちゃったよ。そのときに、あちら様の承諾がない間にはこっちには連れて来れない契約書をかかされたんだよ。それを連れて来ようものなら、仕返しをするって言われたんだ。」

先輩死神「そういえば、さっき部下が三途川で奴を捕まえたそうです。」

閻魔「もしかして、なんか仕掛けたんじゃないか?おい、ちょっと牢に電話を繋いでくれ。」

プルルル

苑自「何だ、閻魔さんか。」

閻魔「苑自さん、ちょっと部下の手違いでこんなことになってしまい、なんと申しますか・・・大変申し訳ございませんでした。後で、菓子折りを送っておきます。」

苑自「菓子折りって言ったって、あの『地獄饅頭』っていうメチャクチャからいやつでしょ、地獄じゃなくて痔獄になっちゃうよ。私、甘党なんだよ。それだったら、パンフレットでもくれよ、うちの社長がもう少しでそっちの世話になりそうだから。」

閻魔「それで・・・あの三途川になにかされましたでしょうか・・・?」

苑自「ああ、遠隔操作で佐藤茶が混ざるようにしたよ、でももう二度とこういうことがないようにしかけたままにしておくから。じゃあ、私帰るんで。」

閻魔「えっ、ちょっと待って。」

ガチャッ

先輩死神「・・・・・」


松倉「おや、苑自さん目が覚めましたか。」

ええ、今回も無事書き終わりました。

今回のモチーフ落語は「地獄八景亡者戯」です。

感想お願いします、相変わらず作者が寂しがるので・・・

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