金属検査では、カツラも引っかかるので要注意
前回に引き続き、野丸のメンバーの出張。果たして飛行機で起こる騒動やいかに・・・
機内アナウンス「まもなく、生泣空港行きNAM便離陸いたします。」
シュゴーーー
宇多「ああ、とうとう離陸しましたよ。」
苑自「ええと、今日の名人会は『古来亭 充生』の『長屋の花火』か・・・」
培句「しかしなあ、時代は進んだなあ。昔はこんな飛行機になるなんて夢たいな話だったのに・・・」
苑自「あっはっはは。」
培句「びっくりしたなあ、突然笑うなよ。」
苑自「だって今、花火職人八っつあんが長屋で火事を起こしてパニックになる一番面白いところですよ。」
培句「知らねえよ。」
機内アナウンス「これから、救命胴衣の使い方の説明を・・・」
苑自「あれっ、落語が中断しちゃった。よしっ。」
カタカタ
副機長「機長、何者かに機内のシステムがのっとられました。」
機長「なんだって?」
副機長「機長が残尿でトイレに長くこもっている間に、機内アナウンスが停止し、全チャンネルが名人会のチャンネルにされました。」
機長「今すぐ、復旧するんだ。」
宇多「おい、何やってんだ。早くやめろ。」
苑自「ちょっと待ってくださいよ。」
宇多「早くしろって。」
ポカッ
苑自「何するんですかいきなり、あれっ?」
宇多「どうした?」
苑自「なんか変なとこ押して、動かなくなっちゃいました。」
培句「どうなるんだ?」
苑自「落ちることはないでしょうけど、動き方がたまにえらいことになります。まあ、私の作ったプログラムですから、いいとこチャンネルを正常に戻すのでせいいっぱいでしょうね。」
10分後
機長「全く、ところどころ操縦がきかなくなるな。またトイレだよ。」
副機長「機長、またですか?」
機長「全く年はとりたくないな・・・」
ガクンッ
機長「あー、痛っ。また揺れだしたよ。あれっ、しまったはまって出られなくなった。とりあえず、なんかにつかまって・・・」
カチッ シュゴーーー
機長「しまった、スイッチ押しちゃった。すっ吸われる。」
苑自「部長、大丈夫ですか?」
宇多「酔った・・・」
培句「そういえば宇多君は、昔から乗り物に酔いやすかったな。」
苑自「部長、本当にまずくなったら、これつかってください。」
培句「おい、これ私のカバンだろ。吐けってか?これに吐けってか?」
苑自「じゃあ、生泣町の『からぶき屋根の家を、濡れぶきするプログラム』連れて行ってあげますから。」
培句「いらねえよ、そんなの。こっちに専用の袋あるだろ。」
宇多「うっ。」
しばらくお待ちください。
宇多「だいぶ楽になりました。」
培句「そうか、それはよかった。」
宇多「じゃあ、この袋トイレに捨ててきます。」
機長「たっ助けてくれ。」
宇多「あれっ、中に誰かいるんですか?」
機長「便器にはまって出られなくなたんです。」
宇多「そんなこといっても、鍵を開けてくれないと助けられませんよ。」
機長「そうなんだが、届かないんだ。」
宇多「ちょっと待ってください、苑自君。」
苑自「どうしました?」
宇多「実は、かくかくしかじか。」
苑自「でも、工具も何もないと手が出せませんよ。」
機長「それだったら、操縦室に色々ありますよ。」
苑自「そうですか。」
苑自「失礼します。」
副機長「なんだあんた?ハイジャックか?」
苑自「いや、お宅の機長が頻尿でトイレに閉じ込められたんですよ。」
副機長「そうですか、だんだん仕事を一緒にやるごとに、あの人に尊敬がもてなくなりますよ。」
苑自「全くですね、上司なんて尊敬するもんじゃありませんよ。」
副機長「あなたは、話が分かる人だ。全く飛行機のシステムものっとられるし、いいこともないですよ。」
苑自「ああ、これなら。こうしてこうして・・・」
副機長「あなたは天才だ。」
その後、苑自主任は表彰された。世の中とはなんと理不尽なものなのだろう。
ええ、今回も無事書き終わりました。
この後、苑自主任と副機長は仲良くなりました。後、「長屋の花火」という落語は本当はありません、似たタイトルのものはありますが・・・
感想お願いします、相変わらず作者が寂しがるので・・・