please んっ brake2
前回に引き続き、舞台は茄茂泣刑務所。今回は、刑務所での生活をご紹介しましょう。今は、朝食の時間です。
鶴野「なんと言うことだろうか、一時は指名手配犯にまでなった詐欺師が、落ちこぼれ組みに入れられてたとは、実は結構ショックだった。(心の声)」
輪追「あの、鶴野さん?」
鶴野「へっ?」
輪追「ああ、よかった。やっと、返事しくれた。」
鶴野「ああ、すいません。気づきませんでした。」
輪追「いえ、いいんですけど。ずいぶん長く返事してくれなかったんで。」
鶴野「長いって言われても・・・あれっ?」
ひったくり「あいててて。」
鶴野「ひったくりさん、ずいぶん腰が痛そうですね。」
ひったくり「そりゃ痛いさ、何せ今日が木曜日だから。」
鶴野「ああ、そうですか・・・ 待てよここに入ったのが月曜日だから・・・3日間も意識がなかったのか。そんなにショックだったか(心の声)」
マック「鶴野さん、ずっと話しかけても返事もしなかったし、食事中も作業中も元気がなかったんですけど、大丈夫ですか?」
鶴野「ええ、大丈夫です。 意識ないまま、動いてたのか?(心の声)」
スティッド「あっ、運ばれてきた。うわっ。」
鶴野「やっぱり、刑務所で食べるものだから、不味いんだろうな。うどんか、見た目は普通だな。(心の声)」
ズズー
鶴野「おやっ」
輪追「どうしました?」
鶴野「このうどん、よく味わって食べたら、茹で具合が最高で絶品じゃないですか。」
マック「私たちも、最初はそう思いましたよ。」
鶴野「えっ?」
スティッド「でもそれは、最初の何日かの話ですよ。シェフのレパートリーが少ないから4ヶ月に一回しか、メニューが変わらないんですよ。ああ、なんか違うものが食べたい。」
鶴野「なるほど、こういう感じで来るのか。」
輪追「あっ、そろそろ作業の時間ですよ。」
鶴野「ああ、そうか。仕事もあるのか。」
15分後
鶴野「あの。」
輪追「なんですか?」
鶴野「これいったい、何を作ってるんですか?」
輪追「えっと、今日は『コルクに刺さって抜けなくなった栓抜きを、抜く道具』ですね。」
鶴野「これ、買う人いるんですか?」
輪追「さあ、でも結構売れてるらしいですよ。そうそう、今日は慰問会があるんですよ。」
鶴野「なにがあるんですか?」
輪追「確か、古来亭 啓称っていう落語家さんが来るらしいですよ。」
30分後
古来亭 啓称「本日は、まいどお足をお運び、御礼申し上げます。ええ、私も運がない様で全く売れることもなく、せっかく決まったデパートのヒーローショーのアルバイトも、親父の独演会に取って代わられ・・・」
その晩、401から404号室までの者は、自分たちのほうが運がないという話で盛り上がった。鶴野に大量に送られてきた酢梅をしゃぶりながら。果たして、彼らにつかまる理由に、かかわりがあったことに気づくときはあるのだろうか。
ええ、今回も無事に書き終わりました。
感想お願いします、相変わらず作者が寂しがるので・・・