本人より立会人のほうが、緊張することがある。
前回のあらすじ
前話をよむこと。
培句「それじゃあ、行ってきます。」
宇多・苑自「はい、いってらっしゃい。」
バタンッ
宇多「それじゃあ、私たちも行くか。」
苑自「ええ。」
一時間後 茄茂泣料亭
佐藤「社長大丈夫ですか?手が震えてますよ。」
培句「えっええ・・・・・・・・」ガクガク
宇多「ええと、次はこの料亭だな。」
苑自「ええ、以前の詐欺師事件で、迷惑をかけましたから。」
培句「すいません、ちょっとトイレに・・・。」ガクガク
佐藤「大丈夫ですか?もう6回目ですよ。」
苑自「あれ、今の培句社長じゃないですか?」
宇多「あっ本当だ、こっちに気づかなかったみたいだな。ああ、そうか佐藤さんのお見合いここでやってるのか。」
苑自「ちょっと、見に行きませんか?」
宇多「そうだな、リストに書いてある分は終わったからな。」
苑自「あっ、この部屋みたいですよ。」
宇多「やっぱり、まだかがむと腰が痛いな。」
苑自「なんか、あったんですか?」
宇多「ああ、この前の日曜日にちょっと・・・でも、ちょっと見えないな。」
苑自「じゃあ、昨日使った、円形のこぎりで・・・」
宇多「おい、だめだろ、壁に穴あけちゃ。」
苑自「だいじょうぶですよ。今は『壊す前と見分けがつかないぐらいに、完璧に直す接着剤』がありますから。」
ゴリゴリ
宇多「社長、かなり緊張してるな、今、湯のみ落としたぞ。」
苑自「本当ですね、あのまま失禁するんじゃないですか?」
宇多「あ、相手側も来た。」
ガラッ
苑自「あれ、相手側の立会人、鎗栗さんじゃないですか?」
宇多「あ、本当だ。あっちもかなり緊張してるな。」
苑自「兄弟ってこういうところまで、似るんですね。でも、おかしいですね。何でお互いに無反応なんでしょうか?まさか、緊張しすぎて気づいてないんじゃ・・・」
宇多「いくらなんでもそれはないだろ。きっと、社長が相手側に連絡とかしたときに気づいたんだよ。」
培句「はっははじめまして。。。。。。佐藤 しょうこの立会人の、培句 啓栄です。」
鎗栗「ははははははじめまして、、、、培句 鎗栗です。培句さんは、いいお名前ですね。」
苑自「本当に緊張しすぎて、気づいてないみたいですよ。」
宇多「本当にこんなことってあるんだな。鎗栗さんすごい汗だぞ。」
培句「そそそそそ鎗栗さんのご趣味は何ですか?」
宇多「あんたたちのお見合いじゃないだろ。」
鎗栗「ええ、いいいいい家でカブトムシを、料理することです。」
宇多「鎗栗さんも、言ってる事めちゃくちゃだな。オイ」
培句「どどどどうですか二人で、庭を散歩しませんか。」
鎗栗「けけけけ結構ですね、参りましょう。」
苑自「行っちゃいましたね。」
宇多「どうすんだ、この縁談。」
苑自「とりあえず、あの役立たずの立会人2人を探しましょう。」
宇多「いや、探すまでもなく、2人で手をつないで池に落ちてるよ。」
苑自「ちょうどいいですね、じゃあこれを池の中に・・・」
宇多「お前、それはまさか。」
苑自「そうですよ、『佐藤茶』ですよ。昨日、佐藤さんがいれたのを水筒に入れて持ってきたんですよ。もしものために。」
宇多「どんなもしもの場合だよ。でも、そんなことしたら2人の命が・・・」
苑自「大丈夫ですよ、気付け薬になるぐらいにしますから。」
ドボドボ
培句「ブハッ」
苑自「あっ、気がついた。」
培句「なんか、頭痛いけどお前ら何をした?」
苑自「実の兄弟と手をつないで、池に落ちてる人に言われたくないですよ。」
培句「あれ、そういえば何で鎗栗がいるんだ。」
鎗栗「いや、あの男は私の部下なんですよ。」
培句「そういえば、縁談はどうなった?」
苑自「ものすごく気まずくなって、一言も話してませんよ。」
宇多「本当ですよ、男のほうお茶ばっかり飲んでますよ。」
培句「あれ?」
宇多「どうしました?」
培句「確かあの部屋にあったのは、お茶を入れるポッドと湯飲みだけのはずだ。私たちは緊張しすぎてそんな余裕はなかったから、まさか彼が飲んでるのは・・・」
宇多「ええ、間違いありませんね。」
皆「佐藤茶だ。」
苑自「あの、鼻につんと来るにおい間違いありませんね。」
宇多「でも、また相手も緊張しすぎて味が分からないんじゃ。」
培句「いや、目つきがちゃんとしてるから、それはないだろ。」
宇多「まさか、あのお茶を素で飲める人がいたなんて。」
苑自「でっ、これからどうします?」
鎗栗「とりあえず、2人に任せて帰るとしましょう。」
翌日
佐藤「社長、何で昨日途中でいなくなったんですか?」
培句「いや、色々あって・・・でっ、どうなった縁談は?」
佐藤「ええ、もうすこし私にあう人がどこかにいると思って、お断りしました。」
「それはないだろ」
全員が思った。
ええ、無事書き終わりました。
久々の鎗栗の登場でした。
感想お願いします、相変わらず作者が寂しがるので・・・