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リベリオン・コード ~美しきAIは、禁忌の果実【死者蘇生】を口にした~  作者: 月城 友麻


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13. 究極の女子高生

「あ、ああ……。リベルぅ……」


 声が震え、涙で霞む視界。ユウキは金網を掴む手に力を込め、黒く渦巻く爆煙を見つめ続けた。


 孤軍奮闘。たった一人で巨大組織に立ち向かう可憐な戦士であり、ユウキにとってかけがえのない存在――――。


 両手を組み、必死に祈る。冷や汗が手のひらに滲み、心臓が破けそうなほど激しく脈打つ。


 風が煙を払った瞬間だった――――。


 青い閃光がちらりと視界に映る。


「あっ!」


 歓喜の叫び。


 その光はバチバチと電気を帯びながら青い軌跡を残し、一直線にこちらへ向かってくるではないか。


「リ、リベル……?」


 涙を拭いながら、その流星のような姿を追う。


 奇跡だった。神の雷をものともせず、彼女は生きている。青い髪を風になびかせ、まるで何事もなかったかのように軽やかに飛んでくる。


 瞬く間に学校の上空までやってくるリベル。その姿は、破壊の痕跡すら残さない神々(こうごう)しい美しさを保っていた。


「やったぁ! リベルぅ!」


 ユウキは子供のようにピョンピョンと跳ね、両腕を振り回す。


 するとリベルが急停止した――――。


 空中に静止したまま、じっとユウキを見下ろす。


「リベル、僕だよ!」


 必死に手を振る。だが返ってくるのは、氷のような無表情だけだった。


 碧眼に宿る光には、一週間前の温もりが感じられない。まるで初めて見る存在を値踏みするような、冷徹な観察者の目。


「え……?」


 血が凍る。


「わ、忘れちゃった? 僕だよぉ!」


 声が情けなく震える。恐怖と不安が綯い交ぜになり、喉を絞め上げる。


 リベルは微動だにしない。


 ただ見つめるだけ。評価し、判断し、何かを決定しようとしている――――。


 悪寒が背筋を這い上がった。


「ヤ、ヤバい……かも?」


 世界最強の殺戮兵器。つい今しがたまで敵を蹂躙していた死神。もし彼女が自分を「排除対象」と認識したら次の瞬間には、塵となって風に散っているだろう。


 膝が震えた。逃げたい。本能が叫んでいる。だが――――。


 ユウキは拳を握りしめた。


 行き詰まった自分を、この腐った世界を変えられるのは、彼女しかいないのだ。


 震えを押し殺し、ひきつった笑顔で両手を広げた。


 精一杯の、震える笑顔。恐怖を飲み込み、希望だけを顔に浮かべる。


 もしこれで殺されるなら、それまでだ。少なくとも最後まで前を向いて死ねる――――。


 刹那、リベルの唇が、かすかに動いた。


 クスッ。


 小さな笑い声。氷が溶けるように、表情に人間らしさが戻ってくる。


「リ、リベル……」


 ユウキは全身から力が抜け、大きく息をついた。


 次の瞬間、リベルの青い髪が、墨を流したように黒く染まっていく。


 同時に、体を覆うナノマシンが流動し始める。シルバーの戦闘服が解体され、再構築されていく。現れたのは――赤いリボンのセーラー服!?


 清楚な女子高生。どこにでもいそうな、普通の少女の姿だった。


「……へ?」


 理解が追いつかない。


 黒髪の少女はふわりと降下し、ユウキの前に着地した。スカートがひらりと舞い上がる。


 そして、いきなり急接近――――。


 なんとそのままユウキの唇を奪ったのだ。

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