表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/87

第49話 友との戦い

「よく俺だと分かったな」

「射撃に移る時のブレ、早く直せっていつも言っただろ」


 まるでダラクで会った時と変わらないような気安さで、黒煙広がる戦場にて会話を繰り広げるレイとユーリ。

 だが口調とは裏腹に、二人の表情からは笑顔は見受けられない。


「そうだったな。ったく、相変わらずそんな事には鼻が利く」

「一つ聞く。ダラクで出会った事も計算の上なのか?」

「……いや。お前が元王女のナイトなのはあの後に知った事だ。まあ出会った時に嫌な予感はしたがな」

「そうか。……神様っていうのは余程意地が悪いらしい」

「ああ。全くだ」


 ユーリの言葉にレイが皮肉るように軽い笑いを漏らす。

 だが突然表情を引き締めると、レイはブレードを展開させユーリに向かって機体を突撃させる。

 それに対しユーリは、動揺する事もなく同じくブレードを展開させてレイの横薙ぎを防ぐ。


「相変わらずの腕だなユーリ! 流石はアーストンの少尉様だ!」


 レイはすぐさまブレードを引くと、バーニアからエーテルを吹かせながら縦横無尽に移動し切りかかる。

 対照的にユーリは大きな動きは見せずに、最小限の動きで襲いかかる剣戟を捌く。

 サラマンダーの赤とファフニールの白。

 薄暗い夜に目立つカラーの二機が見せる剣舞は、観客がいるならば魅了した事だろう。


「どうした! まさか昔馴染みとは戦えないとか思うような奴じゃないだろ!」

【ユーリ】

「……心配するなアイギス」


 アイギスにそう返すと、ユーリは迫る白刃を躱しカウンター気味にサーベルでコックピットを一閃する。


「っ!」


 レイはスラスターを限界まで吹かせて後退する事によって、直撃を避ける。

 だがコックピットを切り裂かれ、内部が丸見えとなった状態となったサラマンダーはジリジリとファフニールから後退し始める。


「ちっ、やっぱり一対一で攻めるのは無理があったか」

「降伏するか?」

「馬鹿言うな。こっちには部下が」


 レイが最後まで言い切る前に、後方から爆発音が鳴り響いていく。

 思わず振り返って確認して見れば、いくつもの黒煙がレイの部下のMTの数だけ立ち上っていた。


「悪いが。こっちにも部下はいる」

「……らしいな。しかも優秀だな」


 ユーリの言葉にそう返すと、レイはすぐさま背中を見せて引き上げ始める。


「悪いがお楽しみはここまでだ」

「逃がすと思うか?」

「普通なら逃げきれないだろうな。……まあそんな余裕があるならだが」

「どう言う意味だ」

「いわゆる勝負に負けて試合に勝つって奴さ。すぐに分かる」

「レイ」

「じゃあなユーリ。精々虫に刺されないようにな」


 レイが言い終わる頃には、サラマンダーは目視では確認できない程まで移動していた。


【レーダーで追いますか?】

「いや、止めておく。イレーナ王女の身が第一だ」


 アイギスにそう答えると、ユーリは三人と合流するために移動し始めるとカゲロウから通信が入る。


「アカバ少尉! 大変です!」

「レコ。どうした」

「王女が……イレーナ王女が行方不明なんです!」

「っ!」

今後は後書きを書く事にしました

お知らせ等あればこちらでお知らせします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ