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第0話 成り立ち

この世界は、こうして成り立ったのであった

 ―いま我々が生きている世界とこの世界は近しい歴史を辿ってきた。

 だが二つの世界の大きな違いは、数十年前に起こった大震災であろう。

 突如世界中を襲ったこの大震災は多くの自然を破壊し、人の営みを壊していった。

 その結果として世界人口の三分の一が亡くなり、荒れた大地の復旧には多くの時間がかかるとされ人々は嘆き悲しんだ。


 しかし、そこに神から差し出された救いのように新たに発見された物質があった。

 その物質は力を加える事によって、半永久的なエネルギーを放出する事が判明。

 後に人々は鉱物を神話の金属から名を取り『オリハルコン』と、エネルギーを『エーテル』と名付けた。

 人々はエーテルを活用し、大震災によって傷ついた営みを復旧させつつあった。


 さらにエーテルを使用した、人類初の巨大ロボットもある企業によって開発。

 メタル・トルーパー、通称『MT』と名付けられたロボットたち。

 それらは荒れた大地を復旧させるのに大いに役立ち、人類が再び平和を取り戻すのも間近かと思われた。


 だが、人々が安らぎを得られたのもごく僅かであった。

 エーテルによって豊かになっていくのにつれ、エーテルを巡る争いが勃発するようになったのである。

 個々人から集団、企業間から新たに建国した国々へと規模は大きくなる一方であった。

 MTによって戦闘は長期化していき、人々は明日も知れない日々を過ごすのであった。


 そこから五十年ほどの長い年月が経ち、二つの大国が世界の覇権を握っている状況になっていた。


 一つはアーストン王国。

 首都エリンを中心とした国家であり、豊かな自然と豊富なエーテル資源を強みとする国。

 もう一つはガスア帝国。

 帝都ペンドラを中心とし、エーテル産業が発達しているのが強みである。

 この二国は小規模なものから大規模なものまで、争いを繰り返しておりその度に双方に被害をもたらしたのである。


 しかし五年前の新西暦五十一の事、長期化による消耗を危惧した両トップによって休戦条約が締結。

 これによって二大国家間による争いはピタリと止まった。


 だが決して平和なった訳ではない。

 互いに未だに仮想敵と見なしており、周辺の小国を併合しながら力を付けているのである。

 両国とも相手が引き金を引けば何時でも反撃し、再び血の雨が降る。

 そんな綱渡りのような危うい関係を続けながら、建前上の平和は続いている。


 そして新西暦五十六年、まだ肌寒い三月の頃。

 アーストンの片田舎に位置する街、ドルデイン。

 これと言った名物がある訳ではないこの街から、歴史は大きく動こうとしていた。

-1話と同時投稿となりましたが、皆さまこの小説の世界は気に入ってもらえましたか?

思ってもらえたなら嬉しいです。

次回はついに物語が動き始めるので、よろしくお願いします!

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