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褒め上手な先輩と、はじめまして。

初投稿です、読んでくれる人いるかな、

そわそわしますね(◜ᴗ◝ )

アラームが鳴り、つかの間の睡眠から目が覚めた。

15時半

バイトに行く支度をしなければと、鏡を見る。

不眠症のおかげでなかなかクマがとれない。

少しマッサージをして、メイクを始めた。

月水金、17時からのコンビニバイト。

4月からの大学生活も落ち着いてきて、

つい最近働き始めた。


とはいえ、2浪して入った第1志望の大学は、

やはり自分には難関だった。

毎日毎日授業についていくのに必死で今はもう春休み。

もうすぐ2回生になってしまう。

給付型の奨学金をもらっているとはいえ、

なかなか生活もくるしく、しかし2浪の弊害で、

人と関わることが怖くてなかなか働こうとは思えなかった。

金欠で苦しむ毎日、妙に物価も高いし教科書も高い。

学費はギリギリ足りると思うが

来期の教科書を買ったら私の生活は終わる。

こういうのは勢いだと、

ふと立ち寄ったコンビニの店員さんに

「バイト、募集してますか、ね?」

と言ったのがきっかけで、

翌日に店長と面接することになるとは思ってもいなかった。

緊張で何を言ったかは覚えていないが、

今年40になる店長は、それはそれはイケメンだった。

若かりし頃はきっとやんちゃしていただろう雰囲気で、

正直怖かった。

この人は怒らせないようにしようと心に誓った。


働くことを決めたのは、生活苦だけではなく、

自分が社会集団に属していないことへの恐怖も大きかった。

周りの友達はみんなアルバイトを始めていて、

社会性が身についているように感じた。2歳離れていても、私より遥かにしっかりしていて、頼りない自分が嫌だった。

大学に通ってはいても、ほとんどニートのような生活で、

社会に貢献出来ていない自分が、

生きていていいのか正直不安になった。

こんな自分に即合格をくれた店長には感謝している。


コンタクトレンズを入れて、アイメイクを仕上げた。

時刻は16時半、近所だから余裕で間に合う。

なんならはやすぎるが、まぁいいのだ。

支度を終えて玄関で靴を履く。

ほんの少しの物音が気になって覗き穴を覗くが

家の前に人はいないようだった。

そろ〜っとドアを開け、静かに家を出た。

近所の人と話すにはまだ社会性が足りない。


そういえば、今年の冬はなぜだかずっと寒くて、

もう暦の上では春なのだが、

春らしい風のやわさは未だみられない。

少し歩くとバイト先のコンビニに着いた。


「檜山店長、お疲れ様です。」

「杉野さん!おつかれ!今日から2人体制だけどいけそう?」

「なんとか、頑張ってみます!」

「もう少しで相方来るから、バックルームで着替えておいで。」

「はい!行ってきます!」


バックルームに向かい荷物を置いて着替えを始めた。

コンビニのテーマカラーの制服に身を包んだ。

髪の毛もしっかりとめてあるし、清潔感はあるだろう。

初心者マークのついた名札をつけて、と。

さぁ出勤登録をしてバックルームを出よう。


「あ゛っ、!!」

「むぎゃ、、!」

出ようとしたらバックルームの扉に挟まれた。

若干痛い。びっくりした、心臓がばくばくしている。

店長かと思ったが、

目の前に立っていたのは全然知らない人だった、


「おわぁ、、ごめんなぁ、大丈夫、?

女の子に怪我さしてもうたかも、痛かったやんな、」

「あ、いえいえ、大丈夫です、ちょっとだけです?」


なんて会話をしていたら

店長がバックルームにやってきた。


「すごい音したけど大丈夫?あ、杉野さんにぶつけたの?」

「わざとじゃないけど、どうしょ、女の子に怪我さしたら

あかんのに、」

「あ、いや、大丈夫ですよ!全然、慣れているので、」

「ほら、杉野さんもこう言ってることだし、大丈夫だよ。」

「いや、慣れてるて、いや、、」

相手は何か言いたそうにしていたが

そこでようやく気がついた。


まずい、私まだ自己紹介していない、社会人の基本なのに!

「すみません、新しく入った杉野です。よろしくお願いします!」

「えっ、あっ、平坂です。ひ、ら、さ、か、

ごめんねぶつけた上に自己紹介も忘れてて、よろしくね。」

「平坂は俺の昔からの友達で、ものすごく優しいから、

安心して仕事教わってね。」

「はい!頑張ります!」


話が一段落してふと顔を上げた。意外と高身長だった。

平坂先輩はなんというか、

全然老けていない店長とは異なり、

それなりにお兄さんな感じではあるが、

類は友を呼ぶというべきか、かなりイケメンだった。

なんか妙に良い香りがするし

もさもさふわふわの寝癖、かもしれない髪型もあいまって、店長よりはゆるさを感じた。


店長は先輩と交代だったようで、少し引き継ぎしたのち

ササッと帰っていった。


時刻は17時、今日も仕事が始まった。

緊張は少し和らいできたが、気は抜けない。


「ねぇ杉野さん、杉野ちゃんってよんでもええ?」

「いいですよ!平坂先輩!」

「杉野ちゃんは、学生さん?大学生かな、」

「そうです!今年で21になります。」

「ほんまかー!3回生?やな、」

「実は2浪してて、まだ1回生なんです。」

「そらすごいな〜、よう頑張った。偉いなぁ。」

「!」

褒められたことがなかったから、驚いてしまった。

宅浪だったし、なんならその当時は親のお金で生きていた。元から家族仲は悪かったので、

それはそれは毎日ボロカスに言われていたが、

あくまで元から。

浪人なんてするんじゃなかったと、

死ぬほど後悔して働こうとしても、

「あんたの覚悟はそんなもんなんか、しょーもな!

生きる価値無し!」

と怒られ、働かないなら働かないで、

「あんたほんま邪魔やわ、はよ出ていけ。

野垂れ死にしてくれ。」

と怒られる。まぁずーっとこんな感じだったので、

叱られることには慣れてしまった。

ほんの少し過去を思い返して視線に気づいた。


「あっ、えっと、ありがとうございます、平坂先輩。」

「さっきから思ってたんやけど、褒められるの嫌、?」

「あ、そうではなくて、私、あの、あまり褒められたことがなくて、」


嘘をついても仕方がない。

高校ではかなり成績が良かったが、

先生方はもはやそれが当然だという反応で、

褒めることはしなかった。


褒められたかったが、自分には可愛げがないから

その資格はないのだとなんとなく分かっていた。

いつも自分より成績の悪い子が、

よく頑張っただのなんだのと褒められていて

ほんの少し、本当に少し、苦しかった。

思い出せば思い出すほど落ち込んできた。

いやいや、仕事の時間だ。落ち着こう。

頑張らなきゃならないんだから。

あぁほら、平坂先輩も、困った顔をしてる。申し訳ない。

謝ろうと思った私に、


「そうかぁ、ほな俺がいっぱい褒めたるから、大丈夫やで、今まで辛かったな、思い出させてごめんな。」


と、困り顔でほにゃ、と笑った先輩は、

なんだかたんぽぽのわた毛みたいで愛らしかった。

初対面なのにこんな人間に随分やさしいなぁと、

どこか他人事のように思った。

この人が同じシフトで助かった。


「あ、へへ、褒めてくださいね、頑張りますから、」


なんて、ふわふわと返すくらいには、本当に嬉しかった。

文章を書くのって難しいですよね(◜ᴗ◝ )

続きを楽しみに待ってくれると作者が

とーーーーっても嬉しくなります(◜ᴗ◝ )

いかがでしたか?

良かったら評価してってくださいね(◜ᴗ◝ )

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