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流れ着いた少女

 その少女が打ち上げられたのは、岸辺の砂が砂金のように輝く、小さな美しい浜辺であった。

 目を瞑り、口からは水が垂れている。


 意識を失っていた少女を見つけたのは、浜辺の仕事を担う一人の若者。彼は少女の姿を確認すると息を飲み、まず真っ先に声を上げた。大変だ、と。


 駆け付けた幾人もの人々は皆一様に少女の成り形を見ると息を飲んだ。その誰もが少女に近寄ろうとしない。発見者である若者も、おろおろと右往左往するばかりである。

 やがて、役職重き大柄の男がのっしのっしと駆け付け、大声で集まる人々を叱咤した。

 割れるように道を開けた人々の路を抜けると、その先には倒れ伏した件の少女が。大男は一つ息を飲みこみ少女の姿に刮目したが、やがてゆるりとした歩みで少女の元へと歩を進めた。

 膝を付き、左手を少女の口元へ近づけ、右手を少女の胸の上に置いた。


 ――生きている。


 大男の発した言葉、その事実に、遠巻きに見守る人々は再び息を飲み驚きの声を発した。

 大男は少女をその背に背負うと、村の長の住処目指して、またのっしのしと大股に歩き始めた。


 

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