真夏といえば。その2
ローニャさんの水着よりも早いリファートさんの発明品が届いた。
昨夜、手紙を送って、お昼には届く・・・。
アマ●ンよりも早いのではないか・・?
しかも、発明品だよ??凄すぎない???
電力はないので、扇風機もどきの根元に魔石を入れる四角い穴があり、そこへ入れると稼働する。ボタンがちゃんと付いていて、弱、中、強・・って、風が出る!!首も回る!!!
私、今・・風になってる!!!
大興奮だよ!!!
これは仕事をしているセレムに見せに行こう!!
早速扇風機を抱えて、仕事部屋へ行こうとすると、ローニャさんに
「落ち着いて下さい。お持ちします」
ローニャさんが、持ってくれた・・・。すみません・・。
代わりに扉を開けるね!
「セレム!!リファートさんが、扇風機作ってくれたの!」
「・・・せんぷうき?」
仕事中なのに、手を止めちゃった・・ごめんね。
「あ、仕事中にごめんね・・。あの、暑いから・・あったら便利かなぁ・・って思って、お願いしたんだけど。リファートさんの仕事が、想定よりも早すぎて・・。とりあえず、ここに来てもらっていい?」
「・・?ああ・・」
机の書類が飛んでしまうと大変だろうと思って、少し離れた所へ移動してもらう。
早速魔石をセットして、ボタンを押す。
ふわぁ・・と風が起こり、いい感じでセレムの髪がなびく。
「・・・風が起きただけなのに、涼しく感じるな」
「でしょ〜?」
自分が作ったわけでないのに、感心するセレムになぜか得意げになる私。
「なるほど・・、確かにこれがそばにあれば、多少暑くても乗り切れそうだな」
「うんうん。早速リファートさんにお返事書かなくちゃだな〜」
二人で、扇風機の前でしゃがみながら話すのが、ちょっと面白くて、思わず笑ってしまった。
「この扇風機の前で、お風呂上がりに「あ〜〜」って言って、声出してね、揺れて聞こえるのが面白くて、小さい時、弟とよくやってたんだ〜」
「お風呂上がり・・」
そう言って、セレムがちょっと頬を赤らめてこっちをみる。
・・・ん?何を考えた?
「・・・申し訳ありませんが、私がいる事をお忘れなく」
抜群のタイミングの良さで、ローニャさんが声をかけるので、私達は扇風機の前から飛び上がる。狙ってたと思う・・。
「・・・えーと、セレム・・・仕事中、暑いだろうし、使ってみたら?」
「カエに送ってもらったものだろう?」
「今、仕事してないし・・。桶に水を張って足をつければ・・・」
「だったら、この部屋で扇風機に一緒にあたればいい」
「あ、そっか・・、でも邪魔じゃない?」
「いてくれる方が捗る」
「・・・じゃあ、いようかな・・・」
照れくさくて、二人でうつむいていると、
「・・・また私が完全にいる事、忘れてますねぇ」
ローニャさんが、ふ〜っとため息をつきながらお茶を用意してくれた。
す、すみません・・・。
お茶を飲みつつ、リファートさんに「最高でした!」と、感動した手紙を書いて、早速送る。量産できるなら、バリスさん達にも送ってあげようかな・・。きっと、あっちも暑いだろうし。
なによりも、エフェクさん相手に大変そうだし・・。
窓の外を見ると、綺麗な夕焼けが見える。
明日もきっと晴天なんだろうな。
どこか懐かしく感じる夕焼け空を見ていて、ちょっと家が恋しくなる。
人の気配を感じて、隣をみるといつの間にかセレムが座ってた。
「・・・寂しいか?」
蒼い綺麗な瞳が、どこか切ない目で見てくる。
静かに首を振って、
「綺麗だな・・って、思っただけ」
そう話すと、そっと手を繋いでゆっくり笑う。




