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真夏といえば。その1

セレムと結婚して、あっという間に2ヶ月経った。


あっという間だったな〜・・。

でも、変わらない愛されっぷりだけど・・。


しかしここ最近、困った事が一つ起きた。

セレムの部屋で、窓を全開にしてソファーに座る私達・・。



「・・・・暑い」

「・・・・暑いな」


そう・・、セレムのいる領地が、今年はどういうわけかいつもより暑いのだ。こっちの世界でも、温暖化っていう波が来てるのかな・・。湿気がないのはありがたいが、やはり気温が高いと汗ばむ。


こっちって、あまり肌を見せないような服装だしな。

ショートパンツと半袖が恋しい・・。

勝手に作って、こっそり着ちゃおうかな。


「・・海で泳ぎたい・・・」


ぽそっと呟くと、セレムが急に手を繋ぐ。



「・・・・・泳ぐのは、その・・・・」


セレムの目が迷っている。

私のお願いを叶えてあげたいが、肌を見せるのは嫌だ・・あ、誰にも見せなければいいのか・・?と、いった所だろうか。基本的に私には激甘なのは、この数ヶ月でよーーーーーーーーくわかった。

あと一押しで、泳げそうだな・・と思って、セレムを見る。



「・・・・っ、だ、だめだぞ・・・」

「こっちで泳げる所ないの?」

「そ、そうでなく・・」

「湖とか・・あ、ハーリカさんの所にあった川とか」

「誰か見たら・・」

「セレムにしか見せないし」


声にならない呻き声をあげるセレムの赤い目元に、思わずキュンとする。可愛いなうちの旦那さん。でも、あんまり困らせるのも悪いしな・・・。


「お城にプールとかあればなぁ・・」

「プール?」

「うん、長方形の形をしてて、広間くらいの大きさで、深さは私の胸元くらいの水を貯めて、そこでよく泳いだの」


セレムは、ふと思い当たったのか・・


「訓練で使った水場のようなものか・・」


と、呟く。そういえば、戦争で訓練したって言ってたね・・。


「お城にあるの?」

「いや・・、ただ魔法で作れるな・・と」

「作れるの?!すごいね!!」


魔法すごすぎだな!?私が目を丸くすると、可笑しそうに笑って、セレムは頬をスリッと撫でる。


「・・水着とやらはないが、どうするんだ?」

「う?うーん・・・・服を作ってみるかな・・」


ショートパンツと半袖くらいなら、ローニャさんに頼んで一緒に作ってもいいかも・・。


「では、水着とやらが出来たら、水場を城の中に作ろう。ただ、肌は・・」

「セレムしか見せないってば!」



ワクワクしてきた私は、さっとソファーから立ち上がり、早速水着を作りに向かう。・・ちょっと甘い雰囲気に持っていきたかったであろうセレムを残して。


ローニャさんにざっくりと絵を描いて、水着の事を説明すると、水着の材質に近いものがあるから・・と、用意しておくと言ってくれた。仕事が早い・・。

しかし、ここでも「絶対セレム様だけですよ!」と、釘を刺された。


もちろんですとも・・。私は気にしないけど、見た人がセレムに殺されると思うし・・。


夜は、過ごしやすいくらいの涼しさになって、ようやくホッとする。

セレムが仕事をする傍らで、温室の植物に水をあげる。

植物たちに、「涼しいって、いいよね〜」と話すと、サワサワと葉が揺れて、風を送ってくれる。か、可愛い〜!!!


私は、扇風機・・・いいかも!と、思い立って、簡単な設計図を描いて、リファートさんに送った。

扇風機もあれば、快適な夏の生活が送れるはず!!

ものすごい早さで、リファートさんから連絡があった。

どうやら、リファートさんの国でも、暑さがちょっとネックになっているようだった。


「出来たら、送るから感想お願いね!」


との事だった。もちろんである。

祈るように、うだるような暑さの中、水着と扇風機を待つのだった。






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― 新着の感想 ―
[一言] >植物たちに、「涼しいって、いいよね〜」と話すと、サワサワと葉が揺れて、風を送ってくれる。か、可愛い〜!!! ウンウン(゜-゜)(。_。)可愛い(*≧з≦) そこからの扇風機( *´艸)良い…
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