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突然の対応は迅速に。

なんだかんだで、あっという間に一週間経った。

この世界も、一週間という概念はあった。ただ1ヶ月が全部30日。

ある意味わかりやすくていいな。

そういえば言葉がどうして通じるかセレムに聞いたところ


「この世界を治める神が、みんな仲良くするようにと言葉を統一されている。異人のお前も、この世界の住人と認められているから、言葉が通じる。ただ、読み書きは自力で勉強だな。」


読み書きは練習かぁ、でも神様優しいな!!

言葉が通じるって大きいよね。それでも攻め入る国がある・・人の業の深さよ。



セレムは仕事の合間に庭園に連れて行ってくれたり、植物の水やりをするのを手伝ってくれたり(いや私の仕事)、うっかり転びそうって言われて常に手を繋いだり・・。いや、本当照れくさいんですよ王子様・・植物係にそんなええんやで・・お仕事してくれい。空気を読める日本人は恐縮しちゃうんですよ・・。


朝の植物の水やりを終え、お茶で一息入れたところへローニャさんがやってきて、



「本日はセレム様の一番上のお姉さまであるアイシェ様がいらっしゃいますので、この後着替えをさせて頂きますね。」


うん????サラッと言ったけど、姉???


「お姉さん?きゅ、急だね・・・」

「はい。たまにセレム様をご心配なさって遊びにくるのです。お嫁に行かれた場所から、こちらはさほど遠くありませんし、転移魔法を使えばすぐですから・・。」


転移魔法きたー!!やっばいファンタジー感満載。

いや、ワクワクしてる場合ではない。

特にこの世界で突出したものがないにも関わらず、植物係として図々しく城に置いてもらっている身・・。心証を悪くされたら困るので、サクッと着替えて目立たないようにしておこう。


「すぐ用意しちゃおう!ローニャさんお願いします!」


さっと朝着ていたものから、今度は白いふんわりとした膝下のワンピースを着る。

腰のリボンを前で結び、裾はフレアで動く度にゆらゆら揺れる。嗚呼、可愛い。

肩まで伸びた黒髪はサイドだけ編み込んでもらい、花飾りをつけてもらう。

毎回思うけど服とか小物、可愛いな!!!!!素朴な顔が映えるように色々してくれるローニャさん本当有難い。支度を整えた頃、コンコンと、扉を叩く音がする。


「俺だ、入るぞ。」


セレムがちょっと照れ臭そうに入ってくる。

見知った顔を見るとホッとするわー。

だって無駄に美形揃いの城・・人の顔を覚えるにも一苦労なのよ。

外人の顔って覚えるの難しくない??私は難しい・・。


「セレム・・、ちょっと緊張するんだけど・・。あの、気をつけた方がいい事って、何かある?」

「ああ、姉上は大らか・・というか、元気が良すぎるくらいだから、気を使わなくて平気だ。むしろ、困ったらきちんと断った方がいい。それで腹をたてるタイプでもないし。」


元気すぎるお姉さん・・。

とりあえずいい人っぽいから安心した。

その瞬間、ドンッと爆発音がする。



「え?!!!」


瞬間、セレムに腕を引っ張られ、守られるように抱きすくめられる。


あああああああああああああ、ちょっと待て!!!!!

守られるの君ぃ!!!!あと、ドキドキする!!待って、私のライフが限りなくゼロ!!!あのね、彼氏とかいた事ない上に、日本ではこういった接触はなくてですね・・・。絶対、顔が真っ赤・・・両手で思わず顔を隠しつつ、そうっと少し私より背の高いセレムを見上げると



「あら〜〜〜!セレムの所へ転移してきたら、すっごい良いところだったぁ?ごめーん!」


と、一瞬緊張の走った部屋の中とは思えない呑気な可愛い声が聞こえた。


声のする方を見ると、セレムと同じような褐色の肌に、少し赤みの混じった緩く長い黒髪、明るい茶の瞳をしたグラマラスボディをした綺麗な美女だ立っていた。

あ、これどうみてもお姉さんですねって、すぐわかった・・・。

わかったから・・・その、とりあえず、は、離してくれます?セレムさーん!!!!



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― 新着の感想 ―
[一言] のん先生の長編小説で、まだ読み終えてない作品は、この いきなり異世界..のみとなりました。 のん先生の文中にちらほら、関西弁?が入ってる気がしてて、私は関西人なので親近感があって嬉しいです。…
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