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おまけな話2


セレムと、結婚式を終え、なんていうか、えーと、こう・・ね?

い、色々あって・・、ベッドから出たのが翌日の夕方になるとは思わなかったんですけども・・、とりあえず無事私達は夫婦になったわけです・・。



あれから1週間・・・。

毎朝花を飾り、早起きのセレムは半分しか覚醒してない私を、甘い顔で起こしにくる。めっちゃ心臓に悪いのでやめて頂きたいが、止めても無駄なのはわかっている。


頑張って、愛の言葉を囁こうとして、結局真っ赤になってうまく言えない姿は大変可愛らしいけれど、概ね心臓に悪いことしかしないのがセレムである。

そんなセレムが、今日


「突然だが、昼過ぎに兄上・・エフェク兄さんが来る事になった」

「お兄さん!!」

「ああ・・、カエが嫌だったら即、断るが」

「ちょっと待って、せめて親族になったんで挨拶させて!!?」


どうして、セレムはこう・・極端なんだ・・・。はぁっとため息をついて、セレムを見ると


「・・・・親族・・・・」


あ、そこ・・嬉しいポイントなんだ?

よしよし、その辺りを突いていこう。


「お兄さん、初めて会うけど・・どんな人なの?この国の王様なんだよね?」

「・・・・エフェク兄さんは、どちらかと言うと顔は俺に似てて・・、勢いはアイシェ姉さんに近い」


「アイシェさん・・・」


「やっぱりやめておくか?」

「・・・・いやだから、ちゃんとご挨拶しますって」


ひとまずセレムを宥めて、いつでも出迎えられるようにローニャさんと準備する。

広間とかの方がいいかな・・大勢で護衛の人とかと来るかもだし・・。

セレムに部屋を相談しようと思って、中庭を歩いていると、突然、中庭の真ん中がビリビリと何かが弾けるような音がする。「え?」と、声が出る前に、セレムが転移して私を抱きとめる。



いつも思うけど、早くない???


と、ドンっと雷が落ちるような音がして、そちらをみると、

短い黒髪にメッシュだろうか・・綺麗な金が耳元に右側に入っており、ピアスがジャラジャラと突いている・・セレムと同じ褐色の肌、瞳は綺麗は翡翠色。漆黒のマントを纏った、ちょっと・・いや、結構眼光鋭い20代後半の人が立っている。


「・・・セレム・・・」


低く響く声が、セレムを呼ぶ。


「・・・兄さん、毎回言うが、連絡してから転移してきてくれ」

「え?!」


会話に驚いて、セレムの顔を見る。


「・・・・・コルト国を治める長兄のエフェク兄さんだ」

「セレムーーーー!!!!お兄ちゃん、会いたかったぞ〜!!!」


王様って、・・いきなりセレムに走り寄って来るの・・・???

私を抱きしめたまま、セレムはひょいっと避けて、王様の後ろにそっと立っていたバリスさんに声をかける。あ!一緒だったんですね!!結婚式ではお世話になりました!!


「・・・エフェク王、落ち着いてください。カエさん、お久しぶりです、お元気でしたか?」


そう言いながら、エフェク王様の首根っこを物凄い勢いで掴んで、猫を捕まえるようにするバリスさん。・・・うん、すごい。あと、目が・・王様を見ている目が笑っていない。


「できれば、会わせるのが大変面倒・・もとい厄介だったので、これでも抑えておいたんですが・・、仕事と王妃様に会えないストレスで防ぎきれなくて・・・、申し訳ありません」

「なんと言うか、王様を全くフォローする気がないのだけはわかりました・・。ええと、ありがとうございます?」


「うむ!!!セレムの片翼殿は、バリスの言う通り、賢くて、可憐だな!!」

「「エフェク兄さん、うるさい」」



バリスさんと、セレムの声が、一字一句違わずに重なる。

これはすごい感じの人が来たぞぉお・・・。







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