表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
87/118

いきなり異世界は無理だと思う(終)


結婚式後は、来てくれた皆に挨拶したり、食事したり、会話をしたり、写真を撮りまくったりした。

ちなみにリファートさん作のカメラは、更に素晴らしい出来になっており、訪れた人達は興味津々だった。なんならめちゃくちゃ食いついて、撮影会になってた。


そうして、一人、また一人・・と帰っていき、私達も休む事になった。


うん、休む・・・。



・・・・・・とりあえず、お風呂入るじゃない?

パジャマに着替えるじゃない?

自分のベッドで寝ようと思うじゃない?


横になろうとしたら、ローニャさんに問答無用でセレムの寝室へ放り込まれるじゃん?


いや、ちょっと待て?放り込まれるの???


とりあえず、ポカーン・・・と、セレムの寝室にいるんだけど。

そういえば、部屋へはよく行ってたけど、寝室は初めてだな・・

キョロキョロ辺りを見回して、ハッと我が身の立ち位置に気付く。


ああ、転移物とか読んでおいた良かった・・。この後の展開は知ってるよ?18歳ですけど、まぁ・・そういう系の本とか、まぁ嗜んでおりましたし?い、色々知ってるし・・・?



・・・・・・・・・・え、無理だ。


セレムと私が???

あの・・なんというか・・、無理だ。

今日が私の命日になることは確実だ。


「・・・・・寝よう」


私は、さっと布団に潜り込んで寝たふりを決め込む事にした。

と、布団からセレムの香りがするので、赤面する。


ね・・・、寝ろ!!!私!!!!!


目を瞑ると、扉が開く音がして、私はますます強く目を瞑る。

本日の私は終了いたしましたーーーーー!!!

また・・っていうか、しばらく終了でーーーす!!!!



ギシっと、ベッドにセレムが腰掛ける音が聞こえて、ドキドキする。

ふわふわといい香りがする・・。


「・・・・・カエ」


私は狸寝入りを決めこむ。

そう・・これは決定事項である。

と、聞き覚えのある会話が流れてくる。ん?少し高い声が聞こえる・・?


「僕の事、好きですか?」

「え、ええ・・?」

「写真の時間、終わっちゃいますよー!早く」

「う、うぅ・・好きです!忘れないです!」


・・・・え?これ・・・


ガバッと布団から出てくると、もんの凄い良い笑顔で、セレムがちびっ子の時に撮った写真を持っていた。


「そ、それ・・・」

「好きって言ってくれた、大事な写真だな・・」


セレムが笑いながら写真にキスする。おい、様になりすぎだぞ。


「か、返して・・・!それか処分しよう・・!」

「なぜ?」


「な・・・なぜ????」


なぜ、そう聞き返されるのか・・、小一時間くらい問い詰めたい。

あの・・人の告白シーンとかは、持ち歩かないで欲しいんですよ?あとホウレンソウは大事だけど、双方の確認とか、早めに話し合いをするように・・。


違う方向に思考が飛びそうな私に気付いたのか、セレムが頬を撫でる。ぎゃあ!!



「ほ、本物はここにいるんだし・・、い、いつでも言いますよ?」

「じゃあ、今言って欲しい」

「い、今・・・!?」


気がつくと手を握られている。い、いつの間に!?

顔を上げると、熱が篭っているセレムの蒼い瞳と目が合って、咄嗟に逸らす。無理です、今、見つめ合うなんて、ましてや、す、好きなんて言ったら・・


すりっ・・と、セレムが耳元に顔を寄せてくる。


あう、それ無理なんですけど・・・


ううーーー、神様、これ本当に思うんですけど、いきなり異世界は本当に無理だと思うんです!!こ、こんなイケメンがいるとか・・、迫られるとか・・・、全くもって想定外というか・・。お話の世界だけって思いますし?

うん、今、現実で起こってますけども!!!




「カエ・・・言って欲しい」


セレムの甘い声に、降参する気持ちで


「す・・・・・、」



き・・・って、いう前に結局キスされて、言葉にならぬまま、深いキスになる。

そうして、いい香りに包まれて一緒に布団の中へダイブする事になった。


なんというか、たくさん愛されるというやつを体感して、恥ずかしいのに

朝には大量に飾られた花に居たたまれなくなった・・。



ちなみに頭の上に、ヒラッと桜の花弁が落ちてくのを見て、真っ赤になってしまった事を報告しておく。









これにて、完結です〜。


でも、ちょこちょこその後も書いていくつもりです。

ここまでお読み頂き、本当にありがとうございます!!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] お疲れ様でした(。*・д・。)ノ ホントに一気に書き上げたって勢いでしたね♪ この作品に出会えてあまあま、ほわほわ幸せでしたよ(^ー^)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ